ネコとイエス
『猫たちの神話と伝説』ジェラルド ハウスマン, ロレッタ ハウスマン著 池田 雅之, 桃井 緑美子訳 青土社2000年
この本の中で、近代や現代の欧米文学でも、猫はイエスのメタファーつまり隠喩として用いられるといっています。
隠喩とは、普通のたとえが「雪のような肌」というところを、「雪の肌」といってしまうようなことです。
「雪のような肌」は、雪の白さを使って肌がどれくらい白いか、しか言っていません。
「雪の肌」は、雪の白さだけでなくって冷たさなど、雪の持つ性質で肌がどのようであるかをたとえてしまうのです。
つまり、「猫はイエス」と言い切って猫の性質でイエスをたとえたり、「イエスは猫」と言い切ってイエスの性質で猫をたとえたりするわけですね。
そこで、イエスは英語でJesusなので、Jesus Catで検索をかけ調べてみたのです。
すると確かに猫は聖書に出てこないにもかかわらず、猫をイエスのメタファーとして扱う作品が検索にかかったのです。
ためしに犬でやってみても、結果はゼロだったです。
猫が大きな声で鳴くと、赤子が大きな声で泣くのと区別が容易にはつかないようです。
こんな証言もあるのです。
近所の商店街を歩いていたら、赤ん坊の泣き声らしきものが聞こえてきた。
姿は見えなかったので、そのまま通り過ぎた。
気になって数歩行き過ぎた後戻った。
そしたら泣き声の主は、16歳になるという自転車屋の看板猫だった。
声が紛らわしいとは、それだけ、猫と赤子は目鼻立ち、体格や体型が似ていると言うことですね。
一方で、猫の首筋から口元のシルエットはドキッとするくらい蛇っぽいです。
全身も、細長い瞳に丸い頭細長い胴は蛇に似ているのです。
おまけにトグロが巻けるとこや、舌を出しっぱなしにする癖まで似ているのです。
さらに、蛇は日本の神道を含めてそれ以外の宗教でも、神の使いとする場合が多いです。
イエスは、神の幼子と呼ばれ赤子と、イエスの予形とされるモーゼの癒しの青銅の蛇になぞられるのです。
ちなみに「予形」とは、「前もって表わす」という意味です。
猫は赤子と蛇の合体をイメージさせる、だからこんな説があるということですね
猫とイエス、一言で表すのは難しいです。
あえて単純化してみます。
蛇には、あちこちの神社で見かけるように、神の使いとしての印象があります。
一方イエスも、神が使わしたという点では、蛇と重なります。
ただし、イエスには人の子としての顔もあります。
猫には、体つきや顔つきは思いっきり人の子に似たところがあります。
それでいて猫には、目や習性に蛇に重なる印象もあります。
つまり、イエスと猫は、人の子と蛇の印象が重なる点で、そっくりなのです。
さらにいえば、新約のイエスは、旧約のヤハウエ、そして、コーランのアッラー。
アッラーに注目すると、古代エジプトの太陽神ラーに冠詞アルをつけると「アル・ラー」になります。
そして、ラーは猫神。
この、「アル・ラー」が「アッラー」です。
つまり、猫神ラー=アッラー=ヤハウエ=イエスとなります。
…。
メタファーどころか、イエス=猫になっちゃいました。
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