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神のものは神へ

世の中に、さまざまな肖像があります。

 

でも、世界で肖像についてのもっとも有名な話といえば、新約聖書にあるこの話でしょう。

 

ユダヤ教の指導者たちが、イエスにこう尋ねました。

 

「先生。私たちは、あなたがお話しになり、お教えになることは正しく、またあなたは分け隔てなどせず、真理に基づいて神の道を教えておられることを知っています。ところで、私たちが、カイザルに税金を納めることは、律法にかなっていることでしょうか。かなっていないことでしょうか」

 

カイザルとは皇帝の称号です。
イエスの時代、ユダヤ人の間でローマ帝国に税を納めるべきかどうか大問題になったことがあったのです。
ユダヤは当時、ローマ帝国に支配されていましたから税を納めないと反逆に問われます。
それなのになんで、大問題になったのでしょう。
それは、硬貨に刻まれた文字に原因がありました。

 

「いと高き神の子、皇帝にして大祭司なるティベリウス」
ティベリウスは、イエスの時代にローマの皇帝でした。
そのティベリウスの肖像とともに刻まれた、この言葉が問題とされたのは「いと高き神の子」とあったからです。

 

ユダヤ教の指導者たちは、イエスが目障りでした。
問題点を指摘されてばかりいたので、イエスを反逆罪か、ユダヤの裏切りものにしたかったのです。

 

しかし、イエスのほうが一枚上手でした。
「デナリ銀貨をわたしに見せなさい。これはだれの肖像ですか。だれの銘ですか」
ユダヤ教指導者たちは、答えました。
「カイザルのです」
それで、イエスはこう切り替えします。
「では、カイザルのものはカイザルに返しなさい。そして神のものは神に返しなさい」

 

まるで、一休さんのとんちばなし。

 

確かにカイザルの名において発行された硬貨、カイザルのものといっても間違えじゃない。
一方、神の子といってる以上、神のものにも間違えない。

 

でも、これだけでおわりじゃないですよ、この話。

 

創世記にはこうあります。

 

「われわれに似せて人を作ろう」

 

そう神は言います。
そして、アダムに息を吹き込んで命を与えます。
イブは、アダムから体の一部をとって作られたとあります。

 

あばら骨の一本といっていますが、イブのあのふっくらした体、どう見たって元があばら骨なわけありませんよね。

 

古代、長いものは風や息、もしくは言葉の象徴ともされてきました。
つまり、アダムのあばら骨とはアダムの息か、アダムの声かもしれません。

 

なに!
アダムがイブの目を覚まさせた?
ひょっとして、アダムの熱烈なキスでイブが目覚めちゃったとか?

 

あんた、おとぎ話の見すぎ!

 

おどろくことはありません。

 

アダムが神の息を授かったとは、神の言葉を授かったということといっても、間違えじゃないです。
アダムは初代預言者であったと主張する、キリスト教の一派もあるのですよ。
そして、イエス以前にも死者を蘇らせた預言者が記されています。
神様が手伝ってくれたアダムなら、ちょろいもんかも。

 

それはさておき、アダムとイブは、神の似姿として生まれた神の子といってもいいでしょ。
ほら、あれをいうでしょう。
子作りって。
やり方違っても、子作りには違いないですよね。

 

アダムとイブが神の子なら、失楽園しちゃったって彼らの子孫は神の子孫であることに変わりません。
で、神につくられた以上、神のものにも違いないです。

 

地球も、地球の上の万物も、もちろん人も、すべて神のつくった神のもの。

 

聖書の立場から言えば、そうなっちゃいます。

 

そこでイエスが言いたかったことを、想像してみます。

 

くだけて言えばこうなるかも。

 

「どうせ、神のものを右から左に移すだけ。何をそんなに気にするの。」

 

そりゃ、誰が見たって神の子のイエスから見ちゃそうでしょうね。

 

なんたって、聖書はこういいます。

 

「神の国はあなた方のうちにある」

 

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コメント

なかなか行為ないようですね。

投稿: タロー[ | 2008年2月29日 (金) 23時51分

おひさしぶりです。 

なぜか、文字化けエラーがおきて、普通に書き込めませんでした。 すいません。covaさん。

私の友達もこの書き込みを閲覧しているかな?

投稿: タロー | 2008年2月29日 (金) 23時53分

おひさしぶりです。

見てるのでしょうけど、なかなかコメントが来ないですね。

投稿: cova | 2008年3月 1日 (土) 09時15分

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