黒暗天を知ってますか。
美人の代名詞としても知られる福の神の吉祥天(きっしょうてん)、その割には宝船で見かけることは少ないです。
その理由のひとつとして、よくあげられるのが黒暗天(こくあんてん)と姉妹であり、二人そろって受け入れてくれないと福の神の仕事を引き受けないとされることです。
じゃ、黒暗天とはいったい何者?
福の神の逆の性質といわれるけど、正体不明の神です。
貧乏神という説もあるけど、もしそうなら、仏教説話からでた民話や伝承によくある、仏がみすぼらしい身なりで誰が慈悲深いか覆面調査するという話と、よく似たパターンとなります。
ちなみに、覆面調査の仏は、金持ちにコケにされ、貧乏人に優しくされるという展開が多いです。
おもしろいのは、聖書にも同じようなたとえがあることです。
金持ちにコケにされた貧乏人は天国に行き、貧乏人をコケにした金持ちは地獄に落ちます。
そうなると、黒暗天は罪びとをあぶりだし、罰を加える役回りを演じていることになります。
まるで、「悪い子はいねえか」といいながら家々をまわるナマハゲさながらです。
さまざまな国に、同じような役回りとされる存在がいるらしいです。
そして、その役を演じる存在はたいてい、日本では“悪魔(akuma)”と訳されます。
神が天界の主催者とすれば、悪魔(akuma)は地獄の主催者。
ここで言う悪魔(akuma)は、堕天使が正体であるとされるサタンを含みません。
サタンは、神を妨げるもの、神に逆らうもの。
悪魔(akuma)は、神と共通の価値観で人々に接する存在でありましょう。
神が人々を救うことを目的とすれば悪魔(akuma)は人々を裁くことを目的とする。
サタンは、人々をたぶらかし堕落させることを目的とする。
つまり、神と悪魔(akuma)は、サタンとは正反対の立場に立つ存在と見ていいのではないでしょうか。
神は人々をサタンのそそのかしから救い、悪魔(akuma)は人々をサタンにたぶらかされれば懲らしめ、サタンは人々を神や悪魔(akuma)にそむかせようと企む。
天界をあがめるものは、地獄の裁きを恐れよ
それが、吉祥天の恵みがほしければ黒暗天を受け入れよというとこではないでしょうか。
吉祥天を始めとすれば、黒暗天は終わり、吉祥天をアルファとすれば、黒暗天はオメガ。
まるで、イエスのようです。
イエスは、自らをこういいます。
アルファでありオメガである
吉祥天を天界の主催者とすれば、黒暗天は地獄の主催者、つまり神と悪魔(akuma)のペア。
まるで、猫又のようです。
二つの尻尾は、それぞれ神と悪魔(akuma)の尻尾とされるからです。
そういえば、ヨーロッパじゃ、猫はイエスの隠喩、メタファーとされます。
隠喩とは、「肌の白さは雪のようだ」のような「…のようだ」「…のごとし」などの言い方をしないで、「雪の肌」などのようにそのものの特徴を直接他のもので表現する方法です。
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