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左馬

今回は、「左馬」(ひだりうま)を紹介しましょう。

「馬」の字が逆さに書かれている「左馬」は、天童で生まれた天童独自の将棋駒だそうです。

「左馬」は天童では、家の新築のときや商売を始めた方への贈り物として、福を招く商売繁盛の守り駒とされて重宝されているといいます。

天童の観光パンフレット「天童と将棋駒」によると、「左馬」はこう説明されています。

 左馬は「馬」の字が逆さに書いてあります。
 「うま」を逆から読むと「まう」と読めます。
 「まう」という音は、昔からめでたい席で踊られる「舞い」を思い起こさせるため、「左馬」は福を招く縁起のよい駒とされています。
 「馬」の字の下の部分が財布のきんちゃくの形に似ています。
 きんちゃくは口がよく締まって入れたお金が逃げていかないため、古来から富のシンボルとされています。
 馬は人がひいていくものですが、その馬が逆になっているため、普通とは逆に馬が人をひいてくる(=招き入れる)ということから商売繁盛に繋がるとされています。
 馬は左側から乗るもので、右側から乗ると落ちてしまいます。
 そのようなことから、左馬を持つ人は競馬に強いといわれています。

まあ、理屈と膏薬はどこにでもつく、その一例でしょう。

日本では、縦書きでは右から左に書くし、かつては、横書きも右から左でした。
この、右から左に書くというのは、ヘブル文字やアラブ文字でいまでもやっていることです。
このあたりも、日ユ同祖論が論拠にすることです。

ま、それはさておき、右から左は、進行方向になるから左馬は縁起がいいといったって、いいわけですよ。

それを、ごちゃごちゃ、理屈をつけるあたりが、胡散臭いです。

江戸時代は、しゃれ好きが多かったといえば、それまでですが。

馬は、もともと一文字「ま」の音でした。
最初に口を閉じて音を発するから「んま」、「ん」という文字がなかった昔は「うま」と表記したといいます。
だから、2音になったのです。
梅も同様で、「め」から「んめ」となって「うめ」になったのです。

江戸時代なら、「うま」も「うめ」も、きっちり2音で発音してたのでしょうか。

さあ、ちゃんと発音していたかどうか、疑問ですね。

五十音図は、意外なことに相当時代が下るまで、安定しなかったという指摘もあるのですよ。
幕末ころ、ようやく、今の姿に落ち着いたそうなのです。

つまり、当時の日本人がきっちり発音してたか怪しいって、ことです。

江戸弁も、「ひ」と「し」は混同しまくってました。

仙台駅の、このアナウンスも、かなり最近まで、有名だったようです。

 「しんでぃ~しんでぃ~おちるひとがしんでからおのりください」

もちろん、こういってるのです。

 「せんだい~せんだい~おりるひとがすんでからおのりください」

 「おちるひとがしんでからおのりください」

この言葉は、ほかの県でも聞いたことがあると、検索したら出ましたね、東北弁のくせでしょうか。

もし、発音が江戸時代になってさえ安定していなかったとしたら、ますます「舞う」は怪しいです。

逆さといえば、葬儀には逆さ事っていうのがありますね。
成仏を願う呪術として、逆さ事はおこなわれるわけです。

え?

左馬は縁起物、葬儀と関連つけるなんて、縁起でもないですか。

死は穢れで縁起でもないから、逆さ事で縁起よくするともいえるのですよ。

子午線で、北が子(ね)なら南は午(ご)です。
馬(うま)は、十二支では午(うま)と書きますが、十二支の循環では一番下に来るのです。

十二支は次のとおりです。
子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)

午(うま)は7番目ですが、一番目の子(ね)が時計の12時の位置にきますので、時計の6時の位置に来るわけです。

十二支の循環は、右回りです。
卯(う)から、辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)ときて酉(とり)までは、十二支を駆けてきた馬が逆さになりますね。
そこで、馬を上向きに描くと左向きになるともいえるのですよ。

さらに、陰陽では、上は陽で生に、下は陰で死に、配当されます。
下半分の陰、つまり、穢れた死の世界を早いとこ駆け抜けたいとの願いもあるのでしょう。

今よりもっとよくなりたい、今よりもっと上を目指したい、そう思うのは普通の感情ですよね。
あえて、下を駆け抜ける左馬で、縁起をよくしたいと願をかけるのでしょう。

ほら、左馬と逆さ事が結びついたでしょ。

さらにいえば、南の午(うま)は火にも配当されます。

馬に乗って、縁起の悪いことはみんな焼き払ってくれる清めの火をくぐり抜けたいという、思いもあるのかもしれませんね。

そうなると、罪をしょって地獄を目指す妖怪である火車(かしゃ)に代わりに乗ってほしいという、ちょっと虫のいい願掛けも入ってるかも。

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