ケルトと魔女
ケルトの思想をちょっとでもかじった人は、日本の匂いを嗅ぎつけるようです。
この匂いこそ、陰陽道ではないかと私は感じているのです。
そこで、陰陽道で民俗を分析する吉野裕子氏の研究を参考にして、ちょっと視点を変えて考えて見たのです。
魔女はケルトに遡れるようです。
魔女といえば、三角の帽子にマント、持ち物は鍋と箒、つき従うのは猫が相場です。
メデューサなど一部の魔女のルーツを蛇巫女と見る人はいるのです。
でも、なぜに鍋か、なぜに箒か、三角の帽子にマントのいでたちかを考える人は減るようです。
ちなみに、本来のメデューサは、豊穣の美しき女神として崇拝されていたようです。
三角は、蛇の象徴であると吉野氏は指摘しています。
この説に従うと、三角の帽子とマントも全体で、やはり蛇と見るべきで、帽子だけでも、蛇です。
呪術的に、丸いものは蛇の目、長いものは蛇に配当するのは、陰陽道ではよくやることです。
鍋は蛇の目、箒は蛇の体ではないかと私は見ているのです。
もしそうならば、魔女は蛇を着て、蛇を持つ、蛇ずくめの姿で現れているとなるのです。
これは、魔女が蛇巫(へびふ)、つまり蛇神の巫女であるといっているのと同じことです。
猫が、異教の神に結び付けられるのは確かです。
とはいっても魔女の傍にいる理由はそれだけではないかも知れないのです。
蛇巫は、蛇神の子を宿し、そして生む事が出来るとされました。
彼らはしばしば、神の子としての蛇を実際に傍においていたようです。
魔女は、全て象徴で固められていて、直接に蛇神の巫女の扮装はしていないです。
だとすれば、猫も何かの象徴でなければならないと思うです。
おそらく、魔女に付き従う猫は、蛇神と蛇巫である魔女の間にもうけられた子どもなのでしょうか。
猫のイメージって、案外蛇に似ている部分ってあるからです。
丸い頭、縦長の瞳、細長い体、時折出しっぱなしになる舌、丸くなって休む、シャーと言って威嚇する。
このところだけ見たら蛇?って思うでしょうね。
けれど、三角の耳とピンと張ったひげと来れば猫。
猫はまた、幼子もしくは子どもと蛇との合体した存在として捉えてもいいです。
全体の体型は幼子もしくは子ども、縦長の瞳と丸い顔と細長い胴は蛇によく似ているのです。
蛇は陰陽道で、何に配当されるかと言うと、風であり息です。
風や息は「声」でもあります。
魔女はおそらく、「預言者」であり、魔女の伴う猫は、体をまとった神の声なのでしょうかね。
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