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鬼 その1。

鬼は、鬼門(牛・虎)の方角からやってくる。
だから、トラ柄のパンツをはいてるって聞いたことがありませんか。

陰陽から言うと、青=東=日の出=生、白=西=日の入り=死、となるとされます。

そうなると、間に挟まれた南に配当される赤は、本文では“種まき”としたけれど、実際は“実り”となるのかも。

食物のサイクルで言うと、青=東=出芽、赤=南=実り、白=西=種まき、黒=北=水遣り、とでもなるのかも知れませんね。
そのうち、東の青と南の赤が陽、西の白と北の黒が陰、に配当されます。

鬼には、いろいろな要素が混入しているのです。

そこで、主な要素だけでも、分けて考えるべきなのでしょうか。

象徴としての鬼。

実在としての鬼。

実在としての鬼には、異国人というか異邦人もいるのかもしれませんね。
実際、辞書にもいろいろな立場の人たちに鬼の烙印が押されたとあります。

象徴としての鬼には、陰陽は大きく絡むようです。
陰陽五行では、青は東、赤は南、白は西、黒は北に配当されます。
そして、黄は中央に配当されます。

さらに、北と南はそれぞれ上と下、つまり天と地にも配当されます。
ついでにいうと、五行には木火土金水も当てられます。
あわせると、青は東と木、赤は南と火、白は西と金、黒は北と水、黄は中央と土に配当されます。
もっというと、東は日の出と生、西は日没と死ともされます。

となると、青鬼は出芽、赤鬼は種まき、になるのかもしれませんね。
そして鬼は“陰(いん)”がなまって“おん”さらに“おに”へとなったとみられます。

鬼に青鬼と赤鬼がいるのは、なんででしょう。

色としては青鬼と赤鬼だけとなると、対応する陰は、陰の転化した“おん→おに”で、鬼になるから、陰に対して陽が配されるからなのかも。

種がまかれることが種の死になぞらえられ、雨などの水に育まれ、発芽で太陽の下に出てくる、つまり生を得ることになるわけですね。
この、まかれた種が過ごす場所は土なので、表面的サイクルは出土の生の青から種まきと滅びの赤、そして再生を待ちながら水に育まれる土である黄を経て再び青となるってわけです。
鬼の持つ金棒は、死を象徴する方位である西をほのめかしているようです。

でも、ちょっと気になるのは角なのです。
鬼はしばしば虎皮をまとって現れます。
鬼の角は牛の角とされ、衣の虎とあわせ“牛虎”つまり“丑寅”の方位に置かれて鬼門とされます。
けれど陰陽から見る丑寅は死と生の境目なのです。

鬼の衣の虎皮で思うのです。
鬼の角って、ひょっとして作物を農地で守ってる猫の耳が化けたりしてないでしょうか。
少なくともアジアのイエネコの古いタイプはトラ猫と見られているらしいのです。
もしかすると猫、特にトラ猫は死者の魂を裁き、滅びと再生を守りつかさどる鬼神ともされたのでしょうか。

それとも?
ミケランジェロ作モーセ像にある角と同様、光なのでしょうか。
猫は太陽や月のように、光をつかさどる神とのかかわりもあるからです。
天の光もまた、地上の命を守り育むのです。

虎はまた「山月記」にみるように 欲・業の象徴でもありますね。
ちっちゃいから脅威とはならぬが 時折、猫をみてて油断ならぬ思いを抱かされるのはそのせいか。

猫だって、猛獣の仲間ですよ。

すくなくとも、ネズミにとっては。

エジプトでは猫は神聖化されてたし、ヨーロッパでは魔女扱いされたし・・猫の神秘的、かつ穀物を荒らすねずみを退治する有効的な特性はいろいろな伝説を呼ぶのかも
猫は想像力をそそるのです。

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コメント

この前、TVのクイズ番組で見たんですけど、桃太郎が鬼を退治するために猿、犬、雉を連れて行ったのは、丑寅の方向の反対側に、申、戌、酉があるからで、それらを裏鬼門というらしいですよ。思わず、なるほどと思いました。

投稿: コテツ | 2008年4月 8日 (火) 17時59分

鬼門について、わからなくなったら、疑問、とかですか。

でも、桃太郎の昔話もそうみると馬鹿になりません。

「桃」太郎という名前自体、桃を投げて黄泉から戻ったイザナギが連想できますね。

投稿: cova | 2008年4月 8日 (火) 20時27分

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