シルクロードと陰陽の道
『失われたイスラエル10支族 知られざるユダヤの特務機関「アミシャーブ」の調査報告』
ラビ・エリヤフ アビハイル著、鵬 一輝訳、久保 有政解説
『日本書紀と日本語のユダヤ起源』
ヨセフ アイデルバーグ著、久保 有政訳
別にレビューやる気じゃないです。
ヘブル語と日本語がいかに似てるかを、いくつもの例を挙げて紹介しています。
アビハイル氏のほうは単語、アイデルバーグ氏のほうはいいまわし、よくもこれだけと思うくらい集めています。
興味あったら見てくださいね。
問題は、アイデルバーグ氏の方なのです。
3000語以上、5000語は見つけた似た言葉の中から本書には500語を収録したといいます。
すごいでしょう。
どこが問題かです。
アイデルバーグ氏は、主に現代日本語を比較の対象としているのです。
ま、それは大目に見ます。
現代日本語での比較というところが、惜しいですけどね。
漢語から日本語に入ってきた言葉を比較してしまっているのが、大半を占めているのです。
テーマがテーマだけに、また、ほかのことがしっかりと比較されているだけに、致命的ともいえます。
にもかかわらず、なんでやねん!ってつっこみたいくらい似てるのです。
漢語の誕生した土地、それは中国なはず。
それが、いかに日本流に読んだ場合だからといっても、生まれはどうにもできないのです。
中国語とヘブル語の類似語に関する研究も、必要になってくるかもしれないのです。
もし本当にそれだけ共通点があるならば、です。
ここに面白い本があります。
『聖書と易学 キリスト教二千年の封印を解く』
水上 薫著
『失われたカッバーラ「陰陽道」の謎』
飛鳥 昭雄・三神 たける著
そして、陰陽道で日本の民俗を読み解く、吉野裕子氏による一連の書。
もちろん、古事記や日本書記も、陰陽で解読できるといいます。
易経の根幹は陰陽五行説、つまり陰陽道です。
カッバーラはユダヤ神秘主義のこと、聖書の根幹を成す思想とされます。
一方陰陽道は、神道の根幹といってもいい思想です。
つまり、アイデルバーグ氏の研究は、はからずも、ヘブル、中国、日本を貫く一本の道があることを指摘しちゃったといえるのです。
アイデルバーグ氏は、10支族に関する調査のために日本に滞在し、京都の護王神社の神職見習として働き神道や日本文化を学んだ経験をもちます。
ここまでやって、日ユの比較をしようとこころみた研究者は貴重な存在でした。
道半ばで事故死したことが惜しまれます。
ヘブル、中国、日本を貫く一本の道、それは陰陽道という、驚きの展開。
この道の出発点をどこと見るか、それが問題なのです。
なお、久保氏はアイデルバーグ氏の比較リストがどこにあるか、探しているといいます。
ぜひ見つかったら、出版してほしいですね。
久保氏も、そのつもりというから、楽しみにしています。
しかし、見事に、ヘブル、中国、日本と続きますね。
この道がさらに伸びたりして・・・。
確かに、どこが出発点なのか謎は深まるばかりですね。
言語は続くよどこまでも…でしょうか。
一神教といっても、神と悪魔(akuma)の二元論には違いないけど。。。
二元論は、単純な神と悪魔(akuma)じゃないってことが、欧州文化圏には今ひとつ、わかってないようです。
たとえば、吉祥天は姉妹神である黒暗天と行動をともにするとされる、この意味は欧州文化じゃ、わからんでしょうね。
陰陽の道、意外なとこまで行ってそうですねえ。
そういう意味で大道廃れて仁義あり、と言うような反語はわからないでしょうかね。
西欧文化では。
二元論の本質とは、合わせ鏡で物事を見ることではないでしょうか。
ヘーゲル流の「正・反・合」、マルクス=エンゲルス流の「対立物の統一と闘争」、陰陽道の「陰陽合一」、これが本当の意味で欧州に理解されたのか、わたしは疑問に思うのです。
これらはすべて、「相反する事物から万物はなる」、「なにごとも相反する側面を同時に考えないと本質はつかめない」、これを言ってるように見えるのです。
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コメント
>ヘブル、中国、日本を貫く一本の道、それは陰陽道という、驚きの展開。
シルクロードを通って、移動したイスラエルの民の道ですね。
投稿: コテツ | 2008年4月 7日 (月) 09時32分
>シルクロードと通って、移動したイスラエルの民の道ですね。
それは、10支族だけだったかどうか。
シルクロード、北もあれば、南もあります。
南で、南朝も来なかったかどうか、どうでしょ。
投稿: cova | 2008年4月 7日 (月) 15時13分
南朝ユダの子孫では、失われた原始キリスト教団が考えられます。
かつての北朝イスラエルであった十部族とどこかで(おそらく中国で)合流し、最終的には十二部族そろって日本に渡来したんだと思います。
投稿: コテツ | 2008年4月 7日 (月) 15時53分
>南朝ユダの子孫では、失われた原始キリスト教団
飛鳥昭雄と三上たけるですね。
でも、それだけでしょうか。
まだ、いそうな気はしますね。
徐福が、そうだったら、面白いですが。
ジョフクは、ジューヘ~だったりして。
投稿: cova | 2008年4月 7日 (月) 18時40分