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チーズ的食品

「がっこ」とは秋田の言葉で漬物、この漬物をいぶして作ったのが、「いぶりがっこ」です。
囲炉裏の焚き火で暖をとっていた頃、上の火柵に大根を並べておくと大根は煙に包まれ、いぶされて水分が蒸発したのです。
これだけでも十分燻製として保存食になります。
でも、秋田ではさらにこの自然燻煙大根を米糠と塩で漬け込んだのです。
これが、いぶりがっこの始まりです。
いぶした後発酵させる製造工程は、面白いことに鰹節に良く似ているのです。

ここで興味深いのは、いぶすのがハムやチーズと順番が逆なことです。
ハムやチーズは、仕上げにいぶすのです。
もちろん、ハムもチーズも必ずいぶす訳ではないですけれど。

生ハムやフレッシュチーズに近いのは、刺身かも知れないと最初は思いました。
でも、魚介類を生で食べる習慣のない欧米の食文化を考えると、刺身は欧米に受け入れられるのでしょうか。
寿司は、欧米でも案外人気があるようですけど。

寿司のルーツは、「なれ寿司」といわれるのです。
「なれ鮨(すし)」と書かれることも多いこの寿司は、紀元前より穀物の発酵を利用した米作民族特有の保存食品です。
「なれ鮨」のような食品は、ベトナムやミャンマー、中国から日本に渡ってきて、九州、中部、関東地区へと広がったと言われています。

なれ鮨と呼ばれるものは、全国各地で作られており、その材料や作り方も地域によって様々です。
主な材料は、魚、米、酢、塩です。
製法の一例を挙げてみます。

 魚のはらわたを取って3枚におろし、骨を除く。

 半日水につけて血抜きをする。

 途中一度水を変える。

 よく水を切ってから塩漬けする。

 魚の表面や内側に塩をまぶして重りを乗せ、2週間ほど塩漬けする。

 塩抜きをする。
 たっぷりの水に魚を漬けて、2~3回水を変えながら一日かけて塩を抜く。

 その間、ご飯を少し固めに炊き上げる。

 炊き上がったご飯に軽く酢を混ぜ、すし飯を作る。

 塩抜きした鯖の水分をよく切って、頭を左側に置く。すし飯を魚の形に固く細長く握って、魚の上に置く。

 すしはきれいに洗った広めの葉でしっかりと巻き、しゅろの葉などをさいてつくった紐でしばる。

 木箱のようなものに詰め、板のように平らなものでふたをする。上に重石をおく。

 翌日水が上がってくるが、5日~2週間(食べ頃はお好み)でなれてきて、なれ鮨の出来上がり。

 漬け込むほど乳酸発酵が進み、なれた味になる。

こう見てみると寿司も元は、漬物だったようです。
でも、漬物も鰹節も発酵ではチーズと同じですね。

寿司もチーズに遡るのでしょうか。

もし、寿司も漬物もチーズに遡るとすれば、このような食文化を日本に持ち込んだのはどのような人々だったのでしょう。

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コメント

ハムやチーズに漬物、寿司・・・どれも大好物ばかりだ。美味しそう!!

投稿: コテツ | 2008年4月24日 (木) 09時43分

よだれ、たれてましたか。

投稿: cova | 2008年4月24日 (木) 15時06分

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