先住民族をどう扱いますか。
アイヌは、先住民族かどうか、さまざまな議論があります。
これ、簡単なように見えて結構奥が深いでしょうね。
それというのも、アイヌを日本民族成立史の中でどう位置づけるかと言う問題が絡むからですよ。
確かに、弥生人や古墳時代人からみれば、先住民族には間違えないでしょうね。
けれど、縄文人との繋がりはどうなるのでしょうね。
アイヌに縄文人との繋がりがないなら、縄文人からみても先住民族の可能性は出てきます。
けれども、それは可能性に過ぎないでしょうね。
もし、アイヌが、縄文人の流れを今日まで引き継いでいる人たちとしたらどうでしょうね。
そう。
縄文人にとっては、アイヌが、いわゆる先住民族の枠に当てはまるかどうか、疑問が出てきます。
縄文人の系譜につながる人たちから見れば、親戚筋ではないでしょうか。
どこを基準にするかによって、先住民族かどうかの線引きが違ってきます。
先に住んでいたら先住民族というなら、縄文人とその子孫を全体として認定すれば良いでしょうね。
それは現実的ではない、と言う人がいます。
補償などの課題があるからと。
先住民族は、いくつもの側面に分けて考える必要があるでしょう。
純粋に歴史的な概念として扱って良いなら、ある基準とした民族から前に住んでいれば皆、先住民族として気楽に呼ぶことができます。
私は、先住民族という概念を一切の政治的しがらみから解放して欲しいと思います。
権利侵害の問題と言うなら、先に住んでいた住民と転入してきた住民の間のいざこざ、紛争、悶着として扱えば良のではないでしょうか。
文化的既得権益を損なわれたと言うなら、どういう形で法律の上で位置づけて保護や補償の対象とするかを考えれば良いでしょうね。
文化を守れと言うなら、少数民族などの文化をどのように守り伝えるかという課題ともつながってくるでしょう。
文化を守ると言うことが、自然などの環境を守ることと一体となっている場合もあるでしょう。
社会的な差別に悩むと言うなら、差別問題全体の中で取り組むべきではないでしょうか。
なんでもかんでも、先住民族問題と一括して解決に当たろうとすれば、皮肉にも解決は遠のくだけのように思うのは、間違いでしょうか。
先に住んでいたから“先住民族”。
これで良いし、これだけで良いでしょうね。
違うでしょうか。
ケルトはヨーロッパの、少なくとも主な、先住民族、ではないのでしょうか。
ここに政治を絡めたら、どうなってしまうか考えてみて欲しいですね。
求めよされば与えられん。
叩けよされば開かれん。
私たちは何を求め、どこに向かう扉を叩こうとしているのでしょうね。
今一度立ち止まる必要は、ないのでしょうか。
もちろん、先住民族と呼ばれる人々がさまざまな課題に直面している事実には、私も心が痛いです。
だが、個別に事情を見ていかないと、先住民族というだけで一緒くたにしていったら、かえって個別の解決自体が遅れていかないでしょうか。
でも、これが一番難しいですか。
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コメント
飛鳥先生はアイヌは東日本に住んでいた縄文人だったと言ってましたね。
投稿: コテツ | 2008年6月 7日 (土) 19時22分
アイヌと縄文はつながっているでしょうね。
投稿: cova | 2008年6月 7日 (土) 21時03分