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猫はいつ踊る?

新月から満月の陰から陽の十五日、満月から新月の陽から陰の十五日。

夜に光って、満ちて欠ける月のイメージは、猫の瞳のイメージでもあります。

出雲のわらべ歌「ねこにゃんにゃん」で踊る猫は、どのような光を浴びたのでしょうねえ。

満月の月明かりの中、尻尾の丸い曲尾猫がお囃子にあわせ、目を光らせながら踊ったのでしょうか。
それとも、新月の闇の中、松明や灯明に照らされて身をくねらせたのでしょうか。
あるいは、そのどちらもあったのでしょうか。

もし、そうだとしたら、かわいらしくも、幻想的だったでしょうねえ。
特訓された猫には、迷惑千万な話だったかも。。。。

 猫ってそういううわさがなぜかあるんだよねぇ。

 神秘的だから?
 でもどっちにしても 可愛すぎてちっとも怖くならないわ。

そういえば、今じゃ化け猫も、あまり怖がられてませんねえ。

 猫は昔話にもよく出てきます。
 僕の家には、色々な飼い猫や野良猫が集結してきて、よく集会してました。
 時にはなに事かを、していることもありました。
 猫はいったい、何を相談していたのか?

 犬と違って、猫には独特の愛らしさがあります。
 ゆったり自由に生きるあの生活スタイルが、うらやましいです。
 色々な家から家と渡り歩いて何をするのか知りたいです。
 やっぱり、餌や異性さがしかなあ。

 それから、僕は江戸時代の夜に猫が出てくる怪談ものとか、大好きですよ。

猫は、踊っていたという伝承が各地に残ってます。

 そういえば野良猫って良く集会してますね。
 本当は日本語喋れるだろう?
 こんなこと、思うぐらい「にゃごにゃご」喋ってますが。。。
 何を言ってるのかなぁ?

 愚痴かな、実はお祭りの相談とか?

どうなのでしょ。

 鹿角ではお墓の広場で、着物を着た化け猫が何と八匹も居ました。
 そして、どれも二つか三つの男の子、女の子の着物を着て居ました。
 どの猫も、下駄ケタを履いていました。そして、手拭いを出して頬被りをしました。
 「猫じゃ、猫じゃと可笑オカシくて。猫が、猫が杖突いて、下駄履いて、絞り浴衣で来るものかなあ」
  カラリン、カラリンと手拍子、足拍子面白く踊り出しました。
 鹿角市発行「陸中の国鹿角のむかしっこ」より

面白いでしょ。

 そういうと、祭りは豆絞りやなあ。

それは、気になりますね。
祭りは豆絞り、祭りの後は生絞りって思ってませんか。

 ワタクシの住まっている周辺にそんな猫話が散らばっていたとは。。。

 嬉しい限りです。

また、鎌倉には猫が一人前の男女になった証に、ある夜ある場所に集まって、「猫じゃ猫じゃ」と踊ったと言う言い伝えの場所があります。

それから、こういうのもあります。

 長後街道とよばれている戸塚から西へ伸びる県道22号線沿いで、・・・猫じゃ、猫じゃ、五郎兵衛の猫じゃ・・・
 ・・・・ねこじゃ、ねこじゃ、わしゃねこじゃ・・・と毎夜若い娘が狂い踊っていました。

ほかにも、こんなの。

 戸塚の宿の旅篭では手拭が毎夜盗まれていました。
 そこで旅篭の主人が物干しを見張っていると猫がくわえて行くので後をつけると丁度今の踊場付近の繁みで猫が手拭を頭に巻いて踊っていました。
 それで中田寺の和尚が猫の怨霊のたたりと供養塔を建て、娘の踊りも手拭が盗まれることもなくなったといいます。

私が、出雲のわらべ歌「ねこにゃんにゃん」で、夜を連想したのはこのような情報に接したからだったのです。

本当はどうだったのでしょうねえ。。。

 なぜに、猫に手ぬぐいなんでしょう?

 うちの猫もそのうちに、手ぬぐい被って踊らないかなぁ。
 まだ尻尾が二股になってないから、駄目ですか。。。
 今度猫の手の届くところに、手ぬぐい置いてみます。
 ハンカチじゃ、駄目なのかなあ。

ま、猫が茂みなどで飛びまわる虫を追いかけているさまを、踊っているように勘違いした、なんてことが言い伝えの元にはあるかも。

それよりも興味深いのは、手拭を頭に載せているパターンが多いように見えることです。

それは、日本の踊りにしばしば手拭が登場することと、かかわりがあると思えるです。

今でこそ多彩な文様がある踊り手拭も、多分、昔は紺の絞ではなかったかと想像するのです。

紺の絞の手拭を被り、紺の絞の浴衣を着る、つまり紺の絞に身を包む装束こそ、踊り装束の原点であったのではないでしょうねえ。

踊りとはもともと、神霊との交信の儀式であったようです。

つまり絞とは、生死の境をしめす斑(まだら)を身にまとうことと解釈できるのです。

 夏といえば、化け猫の季節ですよね。
 私が子供だった頃に比べると、そういう情報(テレビや映画やアニメ)は少なくなったような気がしますねえ。
 それはそれで神秘的だったかも、しれないのに。
 猫が化けるというと、イメージはお化けか妖怪ですが。
 踊りを踊っている猫の姿は、人間に変わって何か世情を訴えているのかなって思ったり。

 うちの猫は、時々歌を歌ってるように聞こえることがありますです♪
 しかも、男の子なのに女の子のような声です。
 これ、もしかしたら女の子の声色をした化け猫のマネでしょうか…
 手拭を頭に巻いて踊ってるにゃんこ、見たいです。

 好みで言えば、猫に踊ってもらうなら、断然夜!
 満月の夜は狸が踊るだろうから、猫は新月の夜ね。

 猫+夜=化け猫、薄気味悪いという人が多いだろうけど…。
 人が寝静まったころに動き出す玩具の兵隊さんをおもえば、可愛いと思えるはず。
 結構猫はああ見えて、人に気を使って生きているのですよ。
 それになんといっても、猫は夜元気。
 昼は可愛らしく日向ぼっこが似合います。

当時は、踊りとくれば手拭がつきものだったので、踊る猫にも当然なように手拭がかぶっている姿を思い浮かべたことは、ありえるです。

さらにいえば、猫は、神の声の象徴であり化身である蛇との合体した祭司の姿とみなされたとすると、生と死の境を示す斑(まだら)を手拭の形でまとうことで、霊界との交信としての踊りであると示している可能性もみてとっていいのかも。

踊る猫伝承は、古代の記憶を後世に伝えているのかも知れないです。

じっさい、南米では猫の姿をした祭司の像とみえるものが出ているのです。

 家の犬は、怒ると言葉らしきもの発します。
 実は猫とも会話できたのかも。

会話、聞いてみたいですねえ。

 うちの犬は、さんぽ(用足し)につれていくのが遅れると、母音だけで激しく発声し始めます。
 目つきからしても、怒っているようです。

ところで、お宅のワンちゃん、なんといって怒るのでしょうねえ。

 多分に、「早くつれてけよー!」と喋ってるつもりなんだと思います。

犬の口には、子音がきついから母音だらけになっちゃうけど、おそらく想像したとおりと思います。

追記

出雲の童歌「ネコにゃんにゃん」の歌詞はここに収録しています。

この歌についての情報募集中です
http://cova-nekosuki.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_78ef.html

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