星をさがせ!
東京工業大学グローバルエッジ研究院佐藤文衛特任助教授をチーム代表とする観測チームは、天体観測を続けています。
参加しているのは、東京工業大学のほか、神戸大学、東海大学、国立天文台、徳島県立あすたむらんど、です。
観測チームのターゲットは、直径が太陽の十倍もある「巨星」の、惑星探しです。
宇宙には、重い星や軽い星、若い星や年老いた星など、太陽とは違うタイプの恒星もたくさんあります。
さまざまな種類の恒星に、どんな惑星があるかを知ることは、惑星ができる条件や進化を調べる上で重要です。
一応船の世界でも「天文航法」という、星を相手にする航法があるので・・・。
ちょっとお星様には興味あります。
残念なのは、航海に必要な星のことしか勉強しないってことかな。
で、航海に必要な星しか知らないで、後悔してるとか。
2008年にチームが発表した成果を、それぞれのHPや報道を参考に、紹介してみたいです。
巨星って、恒星が年取った星が大きくなった。。。。
ええ、そうです。
星の中年ぶとりか。。。。
恒星は、中心で水素を燃焼している「主系列星」から、水素を燃焼し尽くし外層が膨張した「巨星」へと進化するとみられています。
太陽は、「主系列星」の段階にあるとされます。
太陽の周りには、地球と、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星の8個の惑星が回っているよね。
冥王星が、外されたからですね。
惑星は今までに、どれだけ見つかっていますか。
2008年現在、太陽以外の恒星を回る惑星、つまり、太陽系外惑星は、300個以上見つかっています。
1995年以来、次々見つかった太陽系外惑星は、天文学者を驚かせたのです。
専門家は「系外惑星」と略すことが多いので、ここでも「系外惑星」と呼ばせてもらいます。
あなた専門家?
いえいえ、ただの物好き。
見つかった系外惑星は、非常に多様性に富んでいました。
公転の中心となる恒星の至近距離をわずか4日で回る巨大ガス惑星「ホット・ジュピター」、彗星のような細長い楕円軌道を描く巨大惑星「エキセントリック・プラネット」などです。
「ホット・ジュピター」は、恒星との距離があまりに近いので熱いであろうと「ホット」の名前がついました。
「エキセントリック・プラネット」は、灼熱期と極寒期をめまぐるしく繰り返すと思われています。
ホット・ジュピター (Hot Jupiter) は、太陽系外の恒星をめぐる 系外惑星のうち、中心の恒星から地球~太陽間の距離である1天文単位の十分の一以下という至近距離にある軌道上を、高速、つまり数日と非常に短い周期で公転する木星級のサイズの巨大ガス惑星を指すのです。
恒星に極めて近く、強烈な恒星光を浴びるため表面温度は高温になっていると予想されているのです。
エキセントリック・プラネット(Eccentric planet)とは、系外惑星において発見された、0.2以上と離心率の非常に大きなタイプの惑星の俗称です。
離心率とは、楕円の二つの中心がどれだけ離れているかということです。
離心率が0に近いほど真円に近い、つまり離心率が0ならコンパスで描ける真円、0でないとは二つの中心で描く楕円ということ。
太陽系とは似ても似つかぬ惑星系の姿が、含まれていたのです。
どんな恒星の周りにも、惑星は存在するのでしょうか?
これまでに知られている系外惑星の大部分は、太陽型星、あるいは太陽型恒星といわれる、質量や大きさ、年齢が太陽と同じくらいの恒星の周りで見つかっています。
観測チーム代表の、佐藤文衛特任助教授は言います。
「重い恒星で惑星を探すのは難しく、ほとんど観測が進んでいない」
系外惑星を探す方法としては、惑星の重力によるわずかなふらつきを検出する方法が主流です。
現在主に系外惑星探しに使われている手法は「ドップラー法」と呼ばれるもので、惑星の引力によって引き起こされる恒星のわずかな速度のふらつきを検出する手法です。
「ドップラー法」とは、「ドップラー効果」によって、光など電波の波長がどう変化するかを調べるのです。
人もふらつき具合で、酔っ払った度合いがばれるみたいなことね。
しかし、ふらつきを検出するのは、重い恒星の場合難しいといいます。
表面が活発に活動している、つまり、活動度が高いからです。
活動度が高いと、恒星自身の大きさが変化していたり、表面が波打ったりしているのです。
酒強いと、酔ってもあまりふらつきにくいみたいな。。。。
顔にも出にくいしねえ。
似てるような似てないような。。。。
宇宙には、太陽とは異なるタイプの恒星もたくさんありますか。
太陽より重い星や軽い星、若い星や年老いた星などです。
このような恒星の周りにも、惑星は存在するのでしょうか?
存在しているなら、どんな姿をしているのでしょうか?
東工大を中心とする研究グループは、着目したのです。
太陽より重い恒星が進化した「巨星」と呼ばれる段階の恒星なら、比較的活動度が低く、惑星探しが可能だと。
どういうこと?
巨星の段階は、恒星が“老年期”になり、水素が燃え尽きて外層が膨張してきたとはいっても、表面の活動が比較的穏やかで、ふらつきを検出しやすいのですよ。
ドップラー法が、使いやすいのね。
太陽の1.5倍から5倍の重さの恒星が進化した巨星を、対象に観測してきたといいます。
それが、2008年の発表。
はい。
2001年から、国立天文台岡山天体物理観測所の口径188cmある反射望遠鏡で観測を開始したのです。
わずかなふらつきを検出できる国内唯一の観測装置が、岡山天体物理観測所にあるからです。
それが、高分散分光器HIDESです。
人の目に見えるのは、波長が380nmから770nm程度の光。
nm(ナノメートル)とは、長さを表す単位の一つ、1メートルの10億分の1を表す単位のこと。
光の波長は連続しているので、適当な装置を使えばたくさんの成分に分離できます。
光の成分を分離し、測定する装置が分光器です。
より、細かな成分に分離し測定できる装置を、高分散分光器と言うのです。
高分散分光による観測では、人の感覚で感じ取れるよりも細かく調べます。
測定結果は視覚的な色の違いではなく、ある波長成分の強度がどれだけかと言う数値の量で表すのです。
このような光の強度の分布を、スペクトルと呼んでいます。
岡山で調べたのは、この高分散分光器HIDESの性能がとてもいいから。
プリズムなんか、比べ物にならない。。。。わけねえ。。。。
観測チームは、反射望遠鏡と高分散分光器HIDESを用いて系外惑星探しを行ってきたのです。
その中でこれまでに3つの系外惑星を発見し、太陽の2~3倍の質量をもつ重い恒星にも惑星が存在することを世界に先駆けて明らかにしてきたのです。
約300個の巨星を1年に数回のペースで、観測を継続しています。
これまでに、太陽の2~3倍の巨星10個で周期的なふらつきを検出。
これらの巨星の周りを、惑星が公転周期140~990日で回っていることを発表したのです。
きりん座にある巨星に日本初の系外惑星を発見(2003年発表)
散開星団における世界初の系外惑星発見(2007年発表)
かみのけ座にある巨星に褐色矮星を発見(2008年発表)
そして2008年、新たに7つの惑星を発見することに成功したのです。
この多数の発見によって巨星の周りの惑星系の特徴が明らかになり、それは太陽型星の周りの惑星系とは少し異なることが分かったです。
世界中の惑星探索グループによっても、調査は行われてきました。
巨星の周りの惑星は、これまでに約20個発見されています。
佐藤文衛特任助教授のグループは、その約半数の10個を発見しています。
それは、すごいですね。
巨星の周りの惑星が多数発見されたことによって、今まで知られてこなかった姿が明らかになってきたのです。
佐藤文衛特任助教授は、言います。
「重い恒星の回りは、温度が高くて個体が蒸発しやすいため、惑星ができにくいと思っていた。こんなにたくさん見つかるとは予想外だった」
高温で意外だったと言えば、太陽系でも水星に水どころか氷があったでしょう。
恒星の温度は、見直しが必要かも。
それって、光ってる原因自体の見直しに通じたりして。
太陽にも、ニュートリノの数に謎があるとされてきたのですよね。
核融合にしては、数が合わない。。。。
ええ、合わないそうです。
惑星をめぐる一連の観測で、わかってきたのはこういうこと。
太陽型の恒星では、恒星から0,02天文単位という至近距離を回る惑星から、数天文単位の遠い軌道を回る惑星まで、満遍なく惑星が見つかっています。
そのうちほぼ半数が、0,7天文単位より内側の軌道を 回っています。
0,7天文単位は、太陽から金星までの距離とほぼ同じです。
1天文単位は、太陽から地球まで、ですよね。
太陽型恒星の惑星は、そのうちほぼ半数が、地球より内側の軌道を 回っているってことかな。
一方、巨星を回る惑星の対照的な特徴が明らかになったのですよ。
これまでに発見された約20個の惑星はすべて、中心の巨星から、太陽~地球間の距離を1天文単位として、0,7天文単位より離れた軌道を回っていたのです。
巨星で、内側の軌道に惑星が見つからない理由として観測チームは二つの可能性を提示しています。
➀重い恒星の近くでは、そもそも惑星ができにくい
➁惑星はもともと存在していたが、恒星が巨星に膨張する過程で飲み込まれてしまった
今後、検証を進めたいとしています。
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