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鳥が飛ぶ正倉院

常陸国風土記の行方郡の条に、建間借命が国巣を討伐するとき、天之鳥琴・天之鳥笛を鳴らしてとあるそうです。
これだけでなく、この時代やたらと鳥が目に付くのです。

 え、そうなの?

正倉院御物には、どういうわけか鳥に関する装飾や絵が多いのですよ。
ちょっと気がついただけでも、挙げておくです。

大きな木の下に唐風の女の人が立っている図柄で、その女の人の衣や髪の毛、それに背景の木や岩には、鳥の羽毛がはりつけてあった事が分かっている、「屏風一つ 鳥の毛の女の絵のやつ」とある屏風のひとつである「鳥毛立女屏風」。

ペルシャ風の鳥形をした液体を入れる器である、漆胡瓶。

鳥が描かれる豪華華麗な錦の壁紙である、「唐花雙鳥文長斑錦」「花鳥梅花文錦」「縹地唐草花鳥文」。

胴には、貝殻やべっ甲の螺鈿細工で、駱駝、樹、鳥の絵がえがかれている、「螺鈿紫檀五絃琵琶」。

鏡の裏面には、貝殻の光る部分をみがいて薄くした螺鈿や樹脂が固まってできた琥珀で飾られ、花や鳥がデザインされている「平螺鈿背八角鏡」。

碁盤の側面には、ラクダ・草花・鳥などの木や象牙の小さな部品をよせて作った絵であるモザイクがあり、碁石の一つ一つに花をくわえた鳥がかかれている「木画紫檀棊局」。

薄い木の板に漆をぬり、その上に銀を切ってはりこむ「平脱」という技法で、唐草と鳥の模様がえがかれている「銀平脱合子」。

鳥を模った兜の形をした舞楽の際に被る装束である、「鳥兜」。

上半身が美しい女性で、下半身が鳥の姿をしているという想像上の生き物で、極楽浄土で妙なる声でなくといわれている伽陵頻伽。

 二つや三つじゃ、ないのですね。
 正倉院の鳥。

でも、古代日本の鳥は、これだけじゃないのです。

 どれだけ?

古代東アジアにおける首都内の官道名で、条坊制の都市において宮城や官衙の正面から南方にむかう道のことを、朱雀大路というです。
朱雀大路という名称は、南方の守護神である朱雀にちなむです。

 北の玄武、東の青龍、南の朱雀、西の白虎、でしょ。

この朱雀もまた、鳥なのは、ご存知でしょ。

 ええ。

藤原京に始まり、平城京、平安京へと受け継がれていったのです。

 宮城や官衙を都の北に置き、正面から南方にむかう道に朱雀と名づけたことの意味って、なに。

東西は方位なのはもちろん、南北も方位です。
 
南北には方位のほかに、南に下と地が、北には上と天が、配されるのです。

 都の北に置かれた宮城や官衙を天に、宮城や官衙に直接治められる都を地に、見立てたってことですか。

おそらく、そうです。

神の子孫である天皇に治められる都の、ほぼ真ん中を貫く朱雀大路。

これは、宮城を神殿に、都を鳥居に、それぞれ見立てているという想像をしてみても、面白いかも。

 天皇が居られる京(みやこ)そのものが、神社ってことかな。

京(みやこ)自体が神社であるとともに、天と地を結ぶ朱雀とみなしていたりして。

 朱雀大路って名前、気になっていたのですよ。
 どうしてこういう名前がつけられたのかと、不思議に思っていました。
 鳥との係わり合いですか・・・・・ 。

 鳳凰は鳳と凰とでつがいの中国伝説の鳥です。
 鳳凰は朱雀とも言われていますよね?

 鳳凰と言えば、フェニックスを思い出すのよね。
 フェニックスはエジプトがルーツでしょうか?
 東西の伝説の鳥です。
 関係があるのでしょうか?ないのでしょうか?

フェニックスは、エジプトがルーツか、ですか。

ええ、フェニックスは、エジプト神話の霊鳥ベンヌであるとされます。
数百年に一度、自ら香木を積み重ねて火をつけた中に飛び込んで焼死すると言われてます。
しかし、その灰の中から、再び幼鳥となって現れるというです。
ただ、この伝説はギリシア・ローマの著述家によってしか伝えられていないそうです。

古代のフェニキアの護国の鳥「フェニキアクス」が、フェニックスの元と言う説もあります。

東西の伝説の鳥。
関係があるのか、ないのか、ですか。

インドとペルシャは、民族的につながりがあって、神話や神々も共有しています。
東方の鳳凰が、西方のフェニックスと、まったく無関係と考える方が不自然かも。

鳳凰はその形態から、インド神話の神で、マレー半島、インドネシアの聖鳥ガルダ(迦楼羅)との類似が指摘されています。
ペルシャのカーラ、イラクのガルラ、などは正体とされる姿が違っても、名前が似ているのは気になるです。

けど、ガルダに人に似た胴の姿があり、ペルシャにも羽のある人の姿をした妖精のペリがいるのです。
ペリはペルシアの妖精で、ガルダのように男もいるが、多くは鳩のような白い翼をもつ美しい天女たちが現われるのです。
人間同様に子を生み育てるが、寿命が長くいつまでも若々しいとされます。
女も居るけど男も居るとされ、どこか雌雄があるとされる鳳凰を連想させられるです。

あ、そうそう。

ガルダには、鳥だけでなく、人に似た姿で描かれる場合もあるようです。

日本銀行から2004年から発行されている新一万円札の裏面を飾っている、鳳凰堂のモデルは鳳凰なのは知ってるでしょ。

日本では、宇治平等院鳳凰堂や京都鹿苑寺金閣の屋上にあるものが有名です。
古代から中世には、鳳凰の意匠が装飾に使用されることがよくあったです。

鳳凰は、羽ある生物の王であるとされ、鳳は雄、凰は雌を指すのです。

たしかに、鳳凰は、朱雀とも言われています。

鳳凰は、古くは風を司るとされたのです。
後には五行説の流行により、四神のひとつ朱雀と同一視されます。
例えば漢代の緯書には、鳳凰を火精としているものがあるというです。

鳳凰と言えば、フェニックスを思い出すのは当然でしょね。

鳳凰を、火精としているものがあるものです。
ただ、鳳凰は長い首、尾羽など孔雀に近い見た目をしており、そのルーツはインドにあるとされます。
それ以上に、鳳凰は雌雄の別があり卵も産むのに対してフェニックスは単性(雄)生殖をするとされているところに大きな違いがあります。

フェニックスは、永遠の時を生きるという伝説上の鳥ですね。
不死鳥、もしくは見た目または伝承から火の鳥とも言われてます。
世界各地の伝承では、その涙は、癒しを齎し、血を口にすると不老不死の命を授かると言われてますね。

フェニックスは各国語でこう呼ばれたです。
古典ギリシア語ではφοῖνιξ、ギリシア語ではphoenixと書いて古くは ポイニクス、近現代ではフィニクスと読まれ、英語ではphoenix(フィーニクス)ですね。

 人は鳥に憧れ、鳥を神聖化したのでしょうか。

人は鳥に憧れ、鳥を神聖化したのかについてですね。

ありえるかも。
鳥人伝承は、世界的な広がりがあるようなのです。

 やっぱり、空を翔る鳥ってねえ。
 人間にとって、特別な存在だったのかなあ。

特別だったのでしょうね。

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