キップリングは長崎でバスク人に会ったか?
作家ジョゼフ・ラドヤード・キップリングは、日本からインドの新聞社に寄稿するための手紙を何通も書いているのです。
キップリングが送った長崎からの手紙に、不思議な内容があるのです。
バスク(Basque)人に似た青年のひく人力車に、乗ったというのです。
バスク人て言ったら、スペインのピレネー山脈に近いバスク地域に住んでる、あのバスク人でしょ。
はい。
バスク地方は、フランスとスペインにまたがるピレネー山脈西部一帯の地方です。
古来より、バスク語を話すバスク人が居住する歴史的な地域です。
バスク人が、バスク地方の住民の大半です。
ついでにふれておくと、バスク人の大半を占めるバスク国は、スペインの自治州の一つです。
バスク国は、スペイン語の“País Vasco”による呼び名です。
バスク語では、“Euskadi”だそうです。
州都の名前、ビトリア=ガステイスは、スペイン語のVitoriaとバスク語のGasteizを合わせた名前です。
バスク人の住んでいる地域全体を指して、「バスク国」と言う言い方がされることもあるのです。
その場合、スペイン内ではバスク国だけでなく、近隣のナバラ州の一部や、フランスのピレネー=アトランティック県が含まれるのですよ。
スペイン領のビルバオとフランス領のバイヨンヌが、広い意味でのバスク国、つまりバスク地方の中心都市です。
ビルバオ(Bilbao)はスペイン語で、バスク語ではBilbo。
ビルバオは、スペイン北部の都市でバスク国ビスカヤ県の県都です。
人口は約35万4千人で、スペイン第10位、スペイン北部屈指の港湾都市で、鉄鋼業が盛んです。
バイヨンヌ(Bayonne)はフランス語、ガスコーニュ語およびバスク語ではBaionaです。
バイヨンヌはフランス南西部、アキテーヌ地域圏、ピレネー=アトランティック県の郡庁所在地で、フレンチ・バスクの中心都市です。
バスク人は、人類学・言語学上独自な固有の文化をもつことまではわかっていても、出自は謎とか。
バスク語は、バスク地方で話される言語です。
周囲ではインド‐ヨーロッパ語族に属する言語が話されているが、これらとは異なるそうです。
数十万の話し手をもつのに、バスク語の系統は不明なの。
語源が注目されるバスク語の単語として、「ナイフ」「天井」等があると言うのです。
イベリア半島では、正体不明の非印欧語族があったと思われるそうです。
それでバスク語は、インド・ヨーロッパ語族言語を話す民族がヨーロッパに入ってくる以前から話されていた、先住民族の言語の可能性を指摘する声もあるのです。
日本語との親族関係も、指摘された事があるそうです。
え?
じゃあ、キプリングが乗った人力車の青年はバスクに遠縁の親戚が居るとか?
バスクと日本、距離も時間も離れすぎでです。
それに、とっぴ過ぎる説として支持されては、いないらしいですよ。
血液型を決定する因子の一つのRh因子には、D抗原の有無で陽性・陰性で表すRh+(プラス)型とRh-(マイナス)型があるのです。
バスク人は、85%がRh-型です。
3人に一人、多いですね。
このことから、バスク人はヨーロッパで最も古い種族ではないかと推測されているのです。
欧米の白人系では、Rh-がかなり多いからです。
イギリスでは16.4%、フランスでは18.2%、ス ウェーデンでは15.5%、アメリカ白人では17.6%も存在するのですと。
日本人では、全体で見るとRh-の人は約0.5%と言われているのです。
血液型で差があり、A型は0.2%(500人に1人)、B型は0.1%(1000人に1人)、O型は0.15%(666人に1人)、AB型は0.05%(2000人に1人)だと言われているのです。
200人に1人の割合ですね。
なるほど、そんな違いもあるのですか。
日本人でも、アイ ヌ系には比較的多く、5%前後存在するとのこと。
沖縄でも、1%以下存在しているようです。
ちなみに、アイヌと琉球は、ともに縄文系と見られているのです。
でも、桁違いですね。
時代がたっているので、薄まってしまった可能性もあるのです。
日本以外にも、中国人、韓国人、そしてネイティブアメリカンなどには極めて少なく、1%以下しかいないと言うからです。
どの民族も、日本と関わりが深いですよね。
沖縄の1%以下と、日本、中国人、韓国人、そしてネイティブアメリカンなどの1%以下は、同じ1%以下といっても数値が違うのでしょうねえ。
そうですねぇ。
文法的特徴として能格の存在があげられるので、カルトヴェリ語族に分類されることもあったです。
現在は比較言語学上、孤立した言語に分類されるのですって。
能格って?
後で触れるですよ。
ちょっと、わかりにくいから、そんな文法用語があるくらいに思ってです。
バスクのことわざに、こういうのがあるのですって。
山は山を求めないが、人は人を求める。
こういう文は、能格の例だそうですよ。
カルトヴェリ語族は南コーカサス語族とも言わるです。
グルジア国内で話されているグルジア語、メグレル語、スヴァン語、主にトルコ国内で話されているラズ語の4つの言語から成るです。
トルコって言えば、どういうわけか日本人に親近感を持ってるそうね。
バスク語が、日本語との親戚関係を疑われることを思うと、やはりなにかあるのかなあ。
私も、気になっているけど、情報が、なかなか見つからないのですよ。
バスク語と日本語に、もし関わりがあるとすれば縄文時代、アイヌと琉球なんでしょうけどね。
もし、そうなら面白いですけど。
キプリングを乗せたバスク似の青年は、縄文に来た人々の子孫だったりして。
能格 とは、複数の意味で用いられる文法用語です。
動詞は、主に動作や状態を表し、項として主語や目的語などの名詞句をとる語を言うのです。
自動詞は、主語のみをとる動詞です。
他動詞は、主語および目的語をとる動詞です。
例えば、「立つ」「落ちる」「笑う」は自動詞で、「読む」「壊す」「落とす」は他動詞、でしょ。
その一つは、言語の類型としての能格言語です。
他動詞の目的語と自動詞の主語が共通の格で示され、他動詞の主語が別の格で示されるです。
ほかにも、能格言語において他動詞の主語を示す格を、能格と言うのです。
他の言語でも能格性といって、能格言語と同じように、他動詞の目的語と自動詞の主語が共通の格で示される性質が部分的にあるのです。
特に、この性質を示す動詞を能格動詞と言うのです。
バスク語は、能格構文を構成しているのです。
周りの言語の殆どが、主格構文であるのに対照的ですね。
言語学的に、バスク語のほかに、グルジア語なども能格構文の言語として知られるので、カルトヴェリ語族との関連がありそうって見られたわけですね。
バスクって言えば、石かつぎ競技が有名ですよね。
有名すぎて、他がかすんでるですね。
もとは、自然石を用いたそうです。
いまでは、石の形4種類だそうです。
立方体、直方体、円筒形、球形。
球形以外は、手をかける場所が設けられているのですって。
そういえば、日本でも石を持ち上げる占いみたいなのあるし。
江戸時代から明治時代にかけては力石(ちからいし)を用いた力試しが、日本全国の村や町でごく普通に行われていたそうね。
石の占いと、石の力試し、文化的なつながりは確認できないそうですね。
主に、個人が体を鍛えるために行ったり、集団で互いの力を競いあったりしたそうです。
神社の祭りで出し物の一つとして、力試しがなされることもあった、というのは少々気になりますけど。
私はむしろ、神社に奉納される「独り相撲」と比べてみたいですね。
でも、石は?
聖書には、ヤコブと神の使いの相撲が記されているのです。
さらに、神や神との契約の象徴として石が出てくるです。
聖書の最初の方でしょう。
ええ。
日本の「独り相撲」と、ヤコブの相撲を似てるという説があるのです。
バスクの石かつぎの石を神の象徴と見れば、ヤコブの相撲や日本の「独り相撲」と似てるのでは?
そう言われれば、そうかも。
でも、ちょっと強引かも。
強引は、承知です。
バスクと日本、何があるのでしょうか。
バスク地方、独立運動で一部が過激化してますねえ・・・。
なんか、テロの印象しかないけど。
でも、文化として興味ありますね。
まあ、どこにでも困り者の過激なのは居ますけど。
もっと、詳しく紹介されていい民族かも。
ビルバオにはいったことがありますよ。
いってみるととても豊かな国でした。
独立運動も、実はバスク地方は独立しても全然困らないくらいお金持ちで自国でやっていけるくにのようです。
シエスタが一時から五時というのが、桁外れでびっくりだったです。
逆に言えば、独立されたら困るスペインが邪魔していると言うことでしょうか。
そうみたいです。
しかも、外資に頼らなくていいほどらしいですよ。
バスク人、やるものですね。
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