出雲と関東
伊豆の方言では、終わりに「だじゃ」「ずら」などがつきます。
伊豆市八幡という、八幡がつく地名があります。
出雲の方言では、終わりに「だが」がつきます。
出雲市佐田町八幡原、松江市八幡町などという八幡のつく地名があります。
果たして、偶然でしょうか。
松本清張の長編小説に、『砂の器』があります。
『砂の器』は、映画にもなったよね。
高校生だった私は、らい病問題のことをこの時知ったの。
1960年5月17日から1961年4月20日にかけて、『読売新聞』夕刊に掲載されたのです。
1961年には、光文社からカッパ・ノベルスの一冊として刊行されたのです。
駅の操車場で起きた殺人事件を、東北訛りと「カメダ」という言葉を手がかりに追った社会派推理小説で、特に傑作として高く評価されているのです。
当初は、秋田県に「カメダ」に似た地名があるなどの理由で、東北の方面を調べたのです。
調べていく中で、出雲地方にも似た方言があることがわかったのですよ。
方言で繋がる東北と、出雲?
言葉や地名、とくに方言の相似は興味深いね。
『砂の器』は、方言を調べた本から次のことを抜書きしているのです。
出雲の音韻が東北方言のものに類似していることは古来有名である。
たとえば「ハ」行唇音の存在すること、「イエ」「シス」「チッ」の音の曖昧なること、「クゥ」音の存在すること、「シェ」音の優勢なることなどを数えることができる。
作品では、岡山の一部で東北弁と似た発音をする「出雲弁」が使われていることが事件に結びつくという形で、触れられているのです。
出雲弁って、島根だけじゃないの。
『砂の器』は、方言を調べた本から次のことも抜書きしているのです。
中国方言とは、山陽・山陰両道のうち岡山・広島・山口・鳥取・島根の五県の方言を総称するものである。
この方言をさらに二区に分ける。
一は出雲・隠岐と伯耆(ほうき)との三国の方言で、これを雲伯方言と名づけ、その他の地方に行われる方言を、かりに中国本部方言と名づけたい。
伯耆は、伯州と呼ぶこともあり、現在の鳥取県中部及び西部にあたります。
さらに、島根にも「カメダ」に似た地名があることがわかり、捜査に向かうのです。
捜査では地名違いは、致命的な間違いになりますよね。
で、どうなるの?
後は、自分で読んでくださいね。
内容の紹介では、ないようで…。
残念だったですか。
出雲地方には、ほかにも面白いことがあります。
東日本の蕎麦好きに対し、西日本の饂飩好きと言いたいところだけれど、例外があります。
出雲地方なのです。
小麦粉食文化が圧倒的な西日本で、なぜ出雲そばなのかね。
前から気になっていたのです。
東日本と、出雲。
畿内の大和勢に分断された。
畿内の大和勢を迂回した。
どちらでしょ。
どうなのかです。
出雲と関東には、興味深いことがあります。
埼玉県さいたま市大宮区高鼻町一丁目にある氷川神社は、足立郡を中心に武蔵国、つまり東京都・埼玉県各地にある氷川神社の総本社です。
須佐之男命・奇稲田姫命・大己貴命を、主祭神としてるです。
神社名は、地名に由来?
ええ。
社名の「氷川」も、出雲の「簸川」に由来するという説があるのですよ。
出雲から、分霊を勧請し鎮祭したのが氷川神社の名の由来でしょうか。
おそらく、そうですね。
島根県出雲市大社町杵築東の出雲大社は、茨城県鹿嶋市宮中の鹿島神宮と、日本を貫く東西の線がもっとも長く取れる位置に営まれる一対の神社と言う指摘もあります。
出雲大社の御神座のある御内殿の西向き、鹿島神宮の神座は東向き、それぞれは西と東を向いているのでしたね。
吉野裕子は、出雲大社は海を西に見るところに建てられ、鹿島神宮は海を東に見るところに建てられたともいっているのです。
古代の関東には、日本と名乗る国があったそうですね。
関東地方の国である古代「日本」と、中国地方の国である古代「出雲」、なにかありそうです。
関東も、秦氏の一大拠点でしたよ。
出雲は特殊な場所として、他地方のつながりを考えれば、納得できるのですね。
出雲もまた、秦氏にかかわる土地でしょうかね。
出雲と関東にそんな関連があるとは・・・・。
秦氏って興味が尽きないですね。
調べたら色々でてきそうだな。
以前、鹿島神宮に行ったことがあります。
あの荘厳の雰囲気、出雲大社と似ている感じがしました。
やはりつながりがあるんですね・・・。
そういえば、秦氏ゆかりの神社の名ですね。
八幡と言う名は。
| 固定リンク
« 三徳山三仏寺投入堂 | トップページ | 麻雀 »
「歴史」カテゴリの記事
- 争いを減らすには、まず自分のして欲しくないことは誰に対してもしないことです。(2024.12.09)
- 科学や技術はそろそろ神の領域にどう臨むのか考えた方が良い。(2024.12.08)
- 超巨大ブラックホールの生成する状況を考える。(2024.12.07)
- 日本は古代中東の引っ越し先なのか。(2024.12.06)
- コロンブスの卵をじっくり見てみた。(2024.12.05)
コメント
雲伯地域では日本刀を創始した刀匠、安綱がいたと島根県安来市の方に聞いたことがある。出雲の鋼の歴史は奥深いものがありますね。
投稿: 山陰酵素 | 2010年10月18日 (月) 22時04分
もっと、いろいろ面白い話題がありそうですね。
投稿: cova | 2010年10月19日 (火) 08時00分