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七色唐辛子

饂飩や蕎麦などの麺類や、牛丼などの薬味として使われることが多い七味唐辛子。
しばしば、「七味」と略されます。
 
 なないろとんがらし、ときに略してなないろ、とも言われますよね。

七味唐辛子は別名を、薬研堀(やげんぼり)とも呼ばれます。
薬研堀の名は、漢方薬からヒントを得て、江戸時代に両国薬研堀で作られ江戸名物になったからだそうです。

一方、七味唐辛子というのは、上方風の名前。
江戸では七種唐辛子、七色唐辛子(なないろとうがらし)と呼ばれていたのです。

 ずっと、七味唐辛子だと思ってた・・・ 。
 七色唐辛子っていう言い方も、あったんですね。

筑波山は、西側に位置する男体山(標高871m)と東側に位置する女体山(標高877m)からなるです。

筑波では、七色唐辛子と言うそうです。
筑波山の麓では、七色唐辛子は光誉上人が大坂の陣で使用した福来みかんの皮で作った陳皮を主剤とした漢方内服薬が起源であると主張します。
この七色唐辛子から、七味唐辛子が出たと言いたいわけですね。

なぜ、七色かと言うと、色にこだわって配合したから。
勘違いあれば教えて欲しいけど、家によって多少違いはあっても、材料はこれらのものだったと思うです。

 ゴマ、赤唐辛子、青じそ、みかんの皮、菜種、麻の実、ケシの実。

ゴマだけでも白黒金の三色、みかんは、福来(ふくれ)みかんの皮だそうで。

陰陽の五色は、青赤黄白黒。
青は緑、赤は紅に置き換えることもあるです。
筑波の七色唐辛子も、材料をこの五色に並べてから混ぜていったと記憶しています。

さすがは男体山と女体山からなる筑波山の麓、明らかに、陰陽を意識してるです。

福来みかんは筑波山の特産で、背の高い木に、ゴルフボールほどの小粒の黄色い実がなるです。
実は少し酸っぱく、種も多く、皮は柔らかく、ゆずのような芳香がするそうです。

そのまま食べたり、乾かした皮を七色唐辛子に入れたりして、地元で親しまれてきたというです。
けれど、すっぱい実は捨てられ皮だけが唐辛子に使われるだけとなり、だんだんと温州みかんに押され栽培量は激減したというです。
今では、地元のみかん園でも数本あればいい方で、老木ばかりが目立つのですと。

筑波の七色唐辛子が知られるようになれば、少しは福来みかんも栽培が増えるかもです。

五色なのに七色と呼ぶのは、七が神に関わる色と考えていたからかも。

 それはそうでしょ。
 七福神とか言うし。

江戸で七色と呼ばれたのは、この筑波の七色唐辛子から来たのかも。

今のような七味になった起源の一つが、薬研堀だったのかも知れないです。

筑波などの唐辛子が七色と言いながら実際は五色なので、せめて味だけでも七にしたかったのかも。

唐辛子を主原料とし、七種類の原料から作られることからその名があるです。
各種の副材料で風味をつけるとともに、辛味をほどよく抑えています。

唐辛子以外では、これらがよく使用されます。

芥子(けし、ケシの実)
陳皮(ちんぴ、ミカンの皮)
胡麻(ごま)
山椒(さんしょう)
麻の実(おのみ、あさのみ)
紫蘇(しそ)
海苔(のり)
青海苔(あおのり)
生姜(しょうが)

唐辛子など全部足すと七種類以上になるのは、内容は生産者や生産地によって異なるから。

東京・浅草寺門前「やげん堀」、京都・清水寺門前「七味家」、長野・善光寺門前「八幡屋礒五郎」の三者は、日本三大七味唐辛子と称されています。

 京都清水寺門前の七味は、有名ですよね。
 って、私は一味唐辛子が好みですが。

やげん堀・七味家・八幡屋磯五郎のような一般的なものの他に、新潟・上越のかんずりなど七味から発展した調味料も存在するです。

 日本三大七味唐辛子、どれも大きなお寺の門前の老舗なのね。
 京都の七味は、よくお義母さんがくれるのですが。
 ダンナしか使わないんです。。。
 わたくしは辛いの苦手で。

ま、苦手はしょうがないですね。

七色唐辛子は、五色の材料で混ぜられています。

つまり間に、六が隠されています。

仏教で六と言えば、六根清浄(ろっこんしょうじょう)ですね。

六根清浄とは、人間に具わった六根を清らかにすることです。

六根とは、五感と、それに加え第六感とも言える意識の根幹です。

 眼根(視覚)
 耳根(聴覚)
 鼻根(嗅覚)
 舌根(味覚)
 身根(触覚)
 意根(意識)

それが我欲などの執着にまみれていては、正しい道である八正道を往くことはかなわないです。
そのため執着を断ち、魂を清らかな状態にすることを六根清浄と言うです。

八正道(はっしょうどう)は、釈迦が最初の説法において説いたとされます。
涅槃に至る修行の基本となる、正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念および正定の、8種の徳。「八聖道」とも「八支正道」とも言います。
仏教哲学の基本的問題を整理した倶舎論では、「八聖道支」としています。

 倶舎論は略称。
 正式には、『阿毘達磨倶舎論』でしょ。

よく知ってますね。

八正道は聖者の「道」であるから、聖道とされますね。

あるいは、七色唐辛子が七色と言って五色だけなのは、八雲といって七しかない出雲大社の雲の絵や、東照宮の逆さ柱に通じる、あえて未完のままでおく、持続を願う呪術かも。

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