出雲の童歌「ネコにゃんにゃん」と「バステトの大祭」?
猫が踊るといえば、出雲の童歌「ネコにゃんにゃん」があります。
猫が神様の前で踊って、神様が大いに喜ぶという歌ですね。
そう思うと、「ネコにゃんにゃん」が、「バステトの大祭」に似て見えてきますね。
エジプトでは、おそらく紀元前4世紀にさかのぼれる、ブバスティスで豊饒の祭りとして催された、バステトの大祭というのがあります。
バステトの祭りの間は、ファラオ達の好んだスポーツである獅子狩りをするのは、不信心な事とされました。
バステトの祭りでは、女神にささげられた陽気な船の行列がくりだして、酒神祭のような儀式で祝われました。
バステト女神は、たいていはこんな姿です。
猫の頭部に太陽を表す円盤と王権を示す蛇、左手に四大元素を象徴する杖、右手にアンク十字という名の生命の象徴である輪のついた十字架を持っているのです。
ほかにも、両手に持つものについては、いろいろな説があります。
たとえば、シストルムという楽器とアイギスと呼ばれる盾を持つとか、ですね。
バステト女神は、古代エジプトのネコの頭部と、女性の身体をしたエジプト神話の、喜びと、豊穣、性愛、音楽とダンスを好む踊りの陽気な女神です。
バステトという名前そのものは、「軟膏壷の婦人」という意味だそうです。
人間を病気や邪悪な霊から守る、慈愛に満ちた女神でもあります。
となると、壷の軟膏は、薬であったと考えられます。
なんだか、薬師如来みたいですねえ。
またたびでも、持ってましたかね。
それは、ないでしょ。
猫と踊りと太陽と愛の神様でもあるので、ワインやビールを飲み交わし、飲んで歌って騒いで大騒ぎをします。
バステトはセクメト、テフヌトなどの女神と混同されることもありました。
雌ライオンの頭を持つセクメト女神は、攻撃的なイメージです。
女神テフヌトは、テフヌウト、テフェネトなどともいわれ、古代エジプト神話の湿気の女神で、雌ライオンもしくはライオンの頭を持った女神として描かれるです。
対照的に、どちらかといえばバステトは、守護神、母なる女神として親しまれ、普段は猫姿のやさしい表情の守護の女神で思い描かれました。
けれども、戦場で王を守るために、牝ライオンの頭をして現れることもありました。
バステトが、アペプに対してラーを守ったように、蛇にさえ戦いを挑む小さいとはいえ勇敢な猫は、その精力と力と敏捷さのゆえに賛美されました。
大蛇アペプは、オシリスの弟であり、大敵であるセトの化身であり、夜明けに向かう太陽の妨害者でありました。
バステトは、エジプト神話の太陽神の助力者としてアペプと戦う者で、太陽の帆船での役目は、太陽の帆船の出現と新しい日の夜明けを確かにする事でした。
ただし、彼女が守るのは猫と「自分を崇拝するもの」だけというのです。
猫のミイラを手厚く葬って、バステト女神にお願いすると、死後の幸福な生活が保障されると信じられていたと言います。
また、彼女は太陽神アトゥム、もしくはラーの妻・妹・娘でもあるといわれ、「妻であり、且つ娘」という表記もあります。
さずがのエジプト人も、そりゃ、ちょっとやばくないかって、考えたのか、おもに「娘」として扱われるようになり、後になってプタハの妻となったと言います。
太陽神の娘ということで、後には太陽の恵みも表すようになりました。
とくに猫は夜の闇の中でも光る目をもっているので、それが太陽を連想させたようです。
時には、月の化身であると言われました。
それにエジプトでは猫の事を“マウ”と呼び、マウとは“見る”という意味をもっています。
エジプシャン・マウっていう呼び名の猫が、いますよね。
彼らの細面のお顔の目は、確かにすごく印象的!
あの目で、何を見つめ何を考えているのかなあ…。
猫のしぐさの中で、見つめる行為ってよほど印象に残るのでしょうか。
それで、猫をあらわす“マウ”が“見る”の意味を持ったでしょうか。
ここから、“何でも見通すラー神の片目”であるバステトと関係があるようです。
セクメトの祭司が、バステトとセクメトを融合しようと試みたのは、同じ猫科であるばかりか、“ラーの片目”と言う共通点があるからでしょうか。
バステトの像には猫の四肢であったり、猫のしっぽを持っていたり、半神半猫であったり、もちろん猫自体であったりと様々な種類がありました。
エジプトの神殿の中で、こんなに変化に富んでいたのは、バステト像だけなのです。
そのエジプトと、太陽神を中心に動物をふくむ八百万の神々を崇拝することが似ている日本は、太陽神も元は男神だったから、さらにそっくりとなっちゃうのです。
女神である天照大神は、男神である天照国照彦天火明櫛甕玉饒速日尊が、古事記や日本書記の編纂されたときすりかえられたという説もあるようですね。
天皇は倭根子、あるいは、大和根子とされ、天照の子孫に位置づけられるから、天照も根子、出雲大社の大国主大神も天照の子孫ならやはり根子、でも間違えないでしょうねえ。
出雲の童歌「ネコにゃんにゃん」で、神様が大国主大神だったら、だけど。
てことは、ネコ神様の前で踊る、やっぱ似てるのでしょうか。
踊る事は、神様を喜ばせる事かな。
まあ、バステトって、素敵な神様だわ
猫以外に踊る話がある動物っているのかしら・・・。
そういえば、「吾輩は猫である」にもね。
猫が踊っている絵の葉書が、出てきたし。
猫と踊りは、切っても切れない縁なのね。
以前美術館で、猫のミイラを見た事があったけどね。
人と同じようにきちんと作られていて、感激した事がありました。
エジプト人は、猫が大好き!
猫神様は皆に親しまれたんですね!
もともと、芸能は奉納であったのではないでしょうか。
歌にしても踊りにしても、元々は神にささげる「祈り」だったのでしょうね。
現代でも、それを感じさせるような踊り手や歌い手がたまにいますよね。
感じ方は、人それぞれかもしれませんが。
日本では猫って年をとると、化け猫になり、尻尾が二股になって手ぬぐいを被って踊ると言うじゃないですか。
昔は10歳以上とか言ったようですが、最近は10歳になる猫ちゃんはザラですね。
私は、ウチの猫が踊るようになるのが今から楽しみなんですよ。
踊るようになったら、一緒に踊りたいですか。
伝承された振り付けや衣装には、むしろ猫以外の方が多いかもです。
でも、話としての踊る伝承となると、圧倒的に猫、かも。
その起源はエジプト、なのでしょうか…。
エジプトは、ほんと、猫好きって感じです。
スフィンクスの身体は、ライオンではなくて、猫なのかも。
ライオンはもともと、猫科ですし…ね。
あ、そうか!
猫は体つきもしぐさも、あまりに人っぽいから、振付けても、猫らしさがなかなかでないのかも。
つまり、猫は振り付けの題材よりも、振り付けを踊る側ってわけなのでしょうか。
そういえば、猫のしぐさは、踊りそのものって感じです。
だから、「ネコにゃんにゃん」なのね。
ライオンとしたら、王を守るメスライオンとしてのバステト、なのでしょうかね。
猫って、くつろいでいる時でさえ、絵になるというか。
何にも考えてないだろうに、意味深な動きをするというか。
呪術的なムードが、ありますからねぇ。
犬じゃ、こうはいかない。
いや、差別しているのではありませんが。
猫ってなにしてても、絵になりますね。
猫はその不思議のイメージで、神であがめられたり、魔物でおそれられたり、振り回されてますよね。
そうそう! 猫の動きってとってもしなやかで、どんなポーズでも絵になる感じがしますよね。
猫がえらい国・・すごく平和な気がします!
平和であって、ほしいですねえ。。。。
追記
出雲の童歌「ネコにゃんにゃん」の歌詞はここに収録しています。
この歌についての情報募集中です
http://cova-nekosuki.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_78ef.html
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