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キジムナー。

キジムナーは沖縄の代表的な妖怪で、沖縄の喜如嘉(きじむか)に多いともされ、観光旅行地である琉球村のマスコットキャラにもなっているのです。

 ウスクまたはガジュマルの、古木の妖精でしょ。
 
海辺とか川辺に現れ、南方の妖怪らしく、牛や馬に悪戯して飛び跳ねさせるなど、たわいのない悪戯をするのです。

 まるで、河童ね。

夜、提灯の火を取って逃げることがあるが、出かける前に提灯をまたいでおけばこれを防げるのです。

ガジュマルはガジマルとも言い、桑科の常緑高木。
熱帯アジアに分布する熱帯を象徴するような木で、多数に分かれた幹から更に気根を生じて繁殖するのです。

ウスクはウシクともよばれる桑科の木で、海岸地帯の岩場に多く見られ大きく成長するのです。

 和名を、アコウと言うのでしょ。
 幹や実に傷をつけると、白いミルクみたいな樹液がでる。

大きさは子供か赤ん坊くらいで、全身が毛でおおわれ、大抵子供の姿で、ぼさぼさの赤毛の少年だけど、顔には老人のように皺があるのです。
袖無しの短い着物を着ているのです。「キジムン」、「セーマ」、「セーマグ」、「ブナガイ」、「ミチバタ」、「ブナガヤー」等、呼び名は多様。

木の下でたき火などをすると、木のうえから、子供の声か、サルの声かわからないような、「きゃっ きゃっ」という声がするのです。
そして、人が木の上をみあげていると、人の前に現れます。
その姿形はとてもかわいらしいが、捕まえようとしようものなら、すぐに消えてしまうのです。
顔が赤くおかっぱ頭とも言われます。

夜は火をともなっており、その火は水中でも消えず、触っても熱くないのです。
好物は魚や蟹。大変に魚釣りがうまく、魚は片目だけ食べるともう飽きてしまい、うまくおだてればその漁獲を人間にわけてくれる事もあるのです。
とても強い神通力の持ち主で、世界中を飛び回ることもできるようで、人なつっこく、キジムナーと友達になった人もいるそうです。

 キジムナーは、舐めてはいけないのでしょ。

キジムナーの宿る木に芋を置くと、一週間ほどで友達になれるとも、一度住居とする樹を定めると、それが切り倒されるまでそこから動かないとも言うのです。
だが、キジムナーの嫌いな蛸、屁、熱い鍋蓋を出したり、宿っている木を焼いたり、古木のまたに釘を打っておけば、キジムナーは現れなくなるのです。

12月8日にふかす餅であるムーチーの汁をキジムナーが棲む樹のまたにかけたら、そこから去ったという話もあるのです。
旧暦八月十日は「妖怪日」といって、全ての妖怪が出る日だが、この日にキジムナーはよく火を出すので、「キジムナーの火」を見物に来る人が多いと言うのです。
原因不明の火も「キジムナーの火」と呼ばれ、この火が家の屋根からあがることは死の予兆です。
キジムナーが魚や蟹を捕るときも盛んに火を発して海上を往来すると言うのです。

こう言う話もあるそうです。
「昔、ある男がキジムナーと親しくなった。はじめは毎晩キジムナーが魚を持ってきた。男はいい気になっていたが、キジムナーがあまりに人なつっこかったので男はいやになってきた。そこで、ある夜キジムナーの嫌いなタコを、屋根の上にくくりつけた。それをみたキジムナーは猛烈に怒って、男をたたり殺したと言うことだ。」

男のキジムナーは人間の女を、女のキジムナーは人間の男を襲うとも、キジムナー自身の十二支と一致する人間を襲うとも言われます。
生まれ年がある妖怪というのも、珍しいです。
襲うとはいっても人をとって喰うような凶悪な事はしないで、悪戯程度の事が多いです。
たとえば、夜、熱気とともに入ってきて人の体をおさえつけたりするのです。
但し、何かの拍子に人の魂を奪う事もあるのですので、用心は必要です。

その住居や正体を確かめようとしたり、穿鑿したりしなければ、キジムナーは幸運をもたらしてくれる存在でもあるのです。

 どんなに人なつっこい妖怪でも、なめてかかると痛い目にあうのね。

キジムナーのキジは“木児”、ムナーは“ん”と“あ”かも知れないですね。
 
 でも、それって想像に過ぎないでしょ。

ええ、そうですよ。

陰が“ん”陽が“あ”で、ムナーは亜熱帯的気候の元でなまったのかもと想像しました。

河童には全身毛に覆われたものと、滑っとした肌のものが居るが、キジムナーはこの毛のあるタイプの元かも知れないです。
ただ、毛のある河童の生物的起源はカワウソとも思えるです。

 「セーマ」、「セーマグ」と言うのは、あるいは安倍清明なのでしょうかねえ?

女も男も居て、十二支に関係しているから、陰陽五行説との係わりは深そうですね。
嘴は八咫烏からかも、と言うのは間違ってなかったようです。

 おそらく、このような妖怪が河童の原型の一つでしょうね。

木の精霊と言うことからして、木の人形の天児(あまがつ)や仏教の象徴の沙良双樹が絡んだ、と前にもお話したのは、的外れではなかったようですね。

木のまたに釘というのは、河童が金気を嫌うと言うのに通じる気がするのですね。

 金気が木気を剋すると言う、五行相剋に起源を持つものかしら。

ちなみに、水を司るスッポンが習合したのは、水辺の妖怪と言うこともあります。
金気は水気を生じるとの、五行相生が絡んでくるのかも知れませんね。

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コメント

もう見ました、面白いですね

投稿: 超~可愛い猫鍋 | 2010年10月22日 (金) 16時16分

“超~可愛い猫鍋”につられて、猫好きなので思わずクリックしてしまいました。

面白い猫写真ですね。

でも、来ていきなりこういう親しげな誘い方では、怪しげなサイトではないかと警戒されますよ。

記事なり、サイトなりの感想を多少なりとも内容に即して言ってからの方が良いと思いますよ。

投稿: cova | 2010年10月22日 (金) 20時31分

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