シュリーヤントラと吉祥と。
シュリーヤントラは、ヒンドゥー教で用いられる神聖な図形です。
シュリーは、吉祥のことね。
ええ、シュリーは吉祥天、ヤントラは図形、目に見えるものと言うことです。
ヤントラは、仏教のマンダラに相当するものなのね。
シュリーヤントラのスタイルは、男性神シヴァを象徴する上向き三角形と、妃のカーリー女神を象徴する下向き三角形の合成からなるのです。
シヴァって、破壊と創造の神でしょ。
カーリー女神は、「黒き者」とも呼ばれる血と酒と殺戮を好む戦いの女神ね。
吉祥天の持ち物の中で本来一番重要なのは、蓮の葉なのです。
日本の吉祥天像では、左手に如意宝珠を持ち右手は施無畏印を結ぶことが多いようです。
吉祥天は一説には、インドの女神マハーデービィであって、三大主神の一人シヴァの妃であるとされています。
ただシヴァの妃の名は普通は、パールヴァティーと呼ばれているのです。
パールヴァティーはシヴァにつくし、優しく恵み深い女神として信仰を集めるのです。
パールヴァティーもまた「山の娘」という名の由来の通り、ヒマラヤを神格化した女神であったとも言われています。
破壊神としてカーリーやドゥルガー、救済・再生主としてはウマーやガウリーなどに姿を変えるとされるのです。
このカリーに化身したパールヴァティーが、ヤントラに描かれているのです。
しかし、こんな説もあるのです。
シヴァ自身が「吉祥」という意味だというのです。
そういえばシュリーヤントラといいながら、吉祥天に当たる女神がでてこない。
それで、シヴァが吉祥か。
不思議でしょ。
吉祥天の正体とも、関係を持つのかもしれませんね。
シヴァも四臂で三叉戟・斧を持ち、恩恵を与える印と恐怖を取り除く印を結んでいます。
シヴァの姿で特徴的なものは、額の第三眼です。
シヴァの目は元は、2つしかなかったのです。
ある時妃のパールヴァティがいたづらして後ろから手を回して両目を隠してしまったところ、世界が真っ暗になって、神々は困ってしまいました。
その時額にもうひとつ目が現れて、そこからまばゆい光が放たれたといわれます。
まるで、アマテラスの岩戸隠れみたいね。
民衆に人気の高い神には一般にそういう傾向があるが、ジヴァの異名は一説では1000以上あるともいわれます。
マヘーシュヴァラ(大自在天)、マハーデーヴァ(大天)、イシャーナ(伊舎那天)、マハーカーラ(大黒天)、などは有名です。
マハーデーヴァと、マハーデービィって似てますね。
マハーデーヴァとは、マハーデービィの男性形ではないのかなあ。
さあ、ヒンズー語に詳しい人に伺って見ないとなんともいえないです。
一般的には、ありがちな変化ですけどね。
仏様や神様にはあまり性別がないのに、吉祥天は女神とハッキリ決まっているよ。
マハーデーヴァの妃が、マハーデービィというのはなぜでしょ。
シヴァ自身も、吉祥とされる点と無関係ではないね。
シヴァ自身が吉祥と言う説があるばかりか、女神と一体の姿でも表現されるのよ。
女神との和合と言う意味ばかりではなく、女神と一つの体と言う意味でも、一体。
ええ、シヴァは、女神と一体で表現されるのですね。
タントラでは、女性原理(ヨーニ)の影に、男性原理(リンガ)が隠れるとされるのです。
それでシヴァは、ヨーニに包まれたリンガの姿としても祀られていますね。
シヴァの象徴はリンガなので、正に定式通りね。
アマテラス(女性神)アマテル(男性神)、イザナミ(女性神)イザナギ(男性神)を、思わず連想してしまったなあ。
吉祥天の正体については、いろいろ説があります。
その中でも最も有力なのは、吉祥天は実はマハーシュリーで、三大主神の別の一人ヴィシュヌの妃であるラクシュミーと言う説です。
ラクシュミーは元々幸福の神であり、不幸の神であるアラクシュミーの妹です。
富と豊饒の神、そして家庭の神でもあります。
ただしラクシュミーとアラクシュミーは、同じ神の別の面という説もあります
ラクシュミーについては、仏教の中では、毘沙門天(クペーラ)の妹あるいは妻との説や、鬼子母神の娘という説などもあります。
カーリー女神と不幸の神であるアラクシュミーって、黒暗天に似てますね。
黒暗天そのものかも。
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コメント
こんにちは、初めてコメントします。
いつも造詣深い意見に感心しております。
シヴァ神といわれているのにもこんなに色々変わったお名前とか、日本の神との関連、興味深く読まさせていただきました。又お邪魔します。
投稿: お昼寝大好き | 2009年7月14日 (火) 17時37分
疑問のおもむくまま調べ、感じたまま話しているだけですよ。
楽しんでもらえましたか。
投稿: cova | 2009年7月14日 (火) 20時44分