何を誰に求めますか。
日本航空の再建に、さまざまな問題が議論されてきましたよね。
再建が必要になった、大きな理由は何。
日本航空は、もともと日本を代表する航空会社として作られたでしょ。
大雑把な説明ねえ。
今回、日本航空の歴史を振り返るつもりはないからです。
要は日本政府によって、国際線を主な仕事とする会社とされていたのですよ。
それが、全日本空輸などの国際線就航と引き換えに国内線に進出となる。
国内線大手の全日本空輸と対抗しながらの、国内線増強は大変だったでしょうねえ。
国際線増強分に割り込む、全日本空輸に対して…。
さらに、自由民主党と公明党の連立政権の下で地方空港が増やされてきましたよね。
日本航空にとっては、増便の機会だったのでは。
黒字が十分期待できる空港なら、日本航空もうれしいでしょうけど。
収支見通しが、甘すぎた空港が多い。
それが、問題なのです。
赤字空港に飛んで、日本航空も赤字は膨らんだ。
でも、全日本空輸は。
日本の空で、採算の取れる路線の大半をすでに押さえているから影響は少ないわけです。
赤字空港路線に飛ばされせられ、世界情勢に振り回され、日本航空も大変…。
空港を生かした地域づくり戦略が、ほとんどない中で空港ばかりが増えていったのですよ。
日本国有鉄道の、赤字累積とあまりに似た構図ね。
路線を生かした地域づくり戦略が、ほとんどない中で路線ばかりが増えていったからですね。
民間企業なら、経営責任が問われます。
退陣した後まで、あの人のせいだって…。
場合によっちゃ、賠償までさせられる。
政治家って、気楽で良いなあ。
落選で責任が済む。
賠償責任もない。
赤字空港にしても、赤字路線にしても、地域で旗振りをした首長や選出議員も責任をとるのは落選で済むわけでしょ。
さらにいえば、民間企業なら失敗した責任者の任命責任だって問われかねないでしょ。
投票した人は、何も問われない。
それでいて、失敗のつけは対立候補に投票した人にまで来る。
政治も有権者一人一人が、責任意識を持たないとだめになっちゃう。
日本航空の再建策も、あれこれ文句がつけられているでしょ。
でも、日本航空からしたら国策に振り回された結果の赤字に、なんでわれわれが責任を問われるかと言いたいでしょうね。
これも、日本国有鉄道の赤字累積と似てる。
愚かな政治家の失敗のつけを我々に押し付けるなんてずるいと、労働者は反発するでしょ。
でも、一般企業の労働者も、経営失敗のつけを押し付けられて泣きを見ているので、あまり同情は得られてないようですね。
でも、これって、日本で起きてきたことの縮図じゃないの。
国民も、住民も、為政者の失敗のつけで泣いてますからねえ。
景気が良いときも悪いときも、かまわず国債を出して財政支出を膨らませてきた。
結果として、無駄な空港や港なんかは、あっちこっちにできているのに、本当に切望される道路や鉄道の整備も、医療や保育所の充実も後回し。
挙句の果てに、借金大国でしょ。
政権交代可能な、政治勢力を育てるのも、遅すぎたと言いたいのでしょうか。
今は、政権交代、しないよりはましという状態でしょ。
政権交代して良かったと言えるかどうかは、私たち次第なのか…。
日本航空問題から、国政にまで話がいっちゃいました。
日本航空自体の、経営責任はまったくないというつもりはないですけどね。
でも、それ以上に政治の責任は大きいと思うのですよ。
日本、住みにくいなあ。
求めよ、さらば与えられん。
尋ねよ、さらば見出さん。
門を叩け、さらば開かれん。
すべて求むる者は得、尋ねる者は見いだし、門をたたく者は開かれるなり。
マタイによる福音書の、7章7節から8節にある言葉です。
すべての人は、自分の選択と行為の報いを受けるということのようです。
正しく神に救いを求めた者は救いを得、偶像にすがった者は滅びを得ると、聖書もコーランも繰り返し説きますよね。
今回の例で言えば、どうすれば自分の国や自分の町を暮らしやすくできるか、本気で答えを求める有権者だけが先に進めるということでしょうね。
ヨーロッパにはさまざまな模索によって、暮らしやすい国になるための試みの前例があるようですね。
日本も、試行錯誤を恐れない決意なしに国情に合った暮らしやすい国つくりはできないということ、かもしれないですね。
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