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ブラックホールに黒星がつくか。

日経サイエンス2010年2月号に、面白い記事が登場しました。

執筆したのは、スペイン・アンダルシア宇宙物理学研究所のC. バルセロ、イタリア・トリエステ国際高等研究所のS. リベラーティ、イタリア・ウディネ大学のS. ソネゴ、ニュージーランド・ビクトリア大学M. ヴィッサーたちです。

タイトルは、「相対論と量子論をつなぐ ブラックスター」です。

http://www.nikkei-science.com/page/magazine/1002/201002_024.html

 宇宙を思うと、いつもワクワクしますねえ。

日経サイエンスのサイトから、要約を紹介しましょう。

アインシュタインの一般相対性理論が予言する時空の構造「ブラックホール」は、今や誰もが知る存在となった。

ブラックホールに落ちたら最後、そこから脱出することはできず、こっぱみじんにされてしまう。

しかし、一般相対性理論はブラックホールを記述するには不完全であることがわかっている。

この理論に従うとブラックホールの中心に時空の曲がり具合が無限大の「特異点」が存在することになるが、特異点では理論が破綻してしまうからだ。

破綻の原因はミクロレベルで重要になる量子効果を考慮していないためと考えられている。

しかし、量子重力理論が完成していない現状では、量子効果を部分的に取り入れた半古典重力理論に頼るしかない。

1970年代、ブラックホールに対する量子効果を検討したホーキングは、ブラックホールが粒子を放射してゆっくり蒸発することを示した(ホーキング放射)。

今日では多くの物理学者が、ブラックホールは一般相対性理論で記述される通りに形成され、その後ホーキング放射によってゆっくり蒸発すると考えている。

だが、半古典重力理論が量子重力理論のよい近似といえるかどうかは不明だ。

ブラックホールの形成・蒸発シナリオを疑問視する研究者もいる。

著者らは、「真空偏極」と呼ばれる量子効果が十分に大きければ、ブラックホールの形成が止まり、代わりに「ブラックスター」が形成される可能性があることを示した。

ブラックスターは物質でできた殻が同心円状に重なったタマネギのような構造をした天体で、内側ほど温度が高い。

とはいえ、ブラックスターは非常に小さな高密度の天体なので、観測される多くの性質はブラックホールに似ている。

ブラックホールだと思われている天体のいくつかは、実はブラックスターである可能性もあるのだ。

量子効果を考慮してもやはりブラックホールは形成され、そして蒸発するのか。

あるいは、ブラックスターなどブラックホール以外の天体も存在しうるのか。

こうした問題への取り組みを通じて、まだ見ぬ量子重力に近づけるかもしれない。

現実はどうかといえば、さまざまな高精度の観測から、宇宙には一切光などを放射しない小さな天体が存在することがわかっています。

 こういった暗い天体の質量は、太陽の数倍から100万倍までさまざまでしょ。

直径は質量に応じて、数kmから100万kmまでですね。

一般相対性理論の予言したブラックホールに質量や直径がよく一致しているので、存在を疑う声はあまりでません。

しかし一方で、特異点という理論が破綻する存在も出てしまうので、相対性理論の不十分さの証拠とも指摘されてきました。

 不十分さの最大の理由が、ミクロの世界での量子の振る舞いを十分考慮していないからと言う声も多いでしょ。

でも、私に言わせてもらえば、古典力学も重力について不十分と思いますよ。

 古典力学は、現象学であったからでしょ。

その通りです。

力と力の関係を整理して、体系つけたのがガリレオやニュートンの業績でした。
しかし、力、すなわちエネルギーの関係はみてもエネルギー発生のメカニズムまで考えてないのですよ。

アインシュタインは、せっかく重力発生の謎に切り込みながら時代の制約にとらわれて、古典力学の基礎理論を徹底できないままに終わってしまったのです。

 その歴史的な制約に切り込まざるを得ないのが、量子論ですね。

その通りです。

ホーキングは、ブラックホールはゆっくり蒸発せざるを得ないという答えを出してしまいました。

 ところが、ブラックホール候補である天体は安定して存在して見える。

つまり、限界を超えて崩壊するでもなく、蒸発するでもない。
収縮と膨張が、均衡しないとならないでしょ。

 そこで、ブラックスターですか。

これで、問題解決に近づくでしょうか。

 表面で、重力は均衡している…。

 そうでないと、ブラックスターになれない。

重力波と電磁波の式は、構造がそっくりですよ。

発生のメカニズムが似ていると見ないと、ならないでしょ。

 そうでしょうねえ。

だったら、外見上も似ていても、おかしくないのでは。

 そうでしょうねえ。

光が出てこれないのは、天体から出るすべての重力が表面でUターンしているからだったりしたらどうでしょ。

 でも、これって、太陽の表面とどこか似てませんか。

ループ上になった重力に沿って電磁波もループになっているのが、太陽表面の無数にある光のループではないかと。

 電磁波も、重力に進路が沿って曲がるはずでしょ。

そうですねえ。

 光も出てこれないといいながら、表面に落ち込む光が直前に放射する光、すなわち電磁波なら観測できるとされるでしょ。

 実際は、天体自体が出していたりして。

ただ、こうみると実際に観測されている質量とされる数値が怪しくなりますね。

 重力に見合う、質量がないといけない。

その通りでしょうね。

 重力で測られた質量が重量なら、そうですねえ。

そうなると、軽い天体とされた恒星は、実は軽くないとなりませんか。

 もっといえば、ガス天体とされてきた星はもっと重くないといけない。

 ガス天体ではなく、氷天体とか、ガラス天体とか…。

ガラス状態とは、ガラス転移点より低温の非晶質状態をいいますよ。

ガラスは、剛性と粘度があり流動性がない、結晶並みに硬い低温の非晶質状態ですよ。

 そうでしたねえ。

 高圧化で液状から非晶質化、するようなことないですかねえ。

ガラス天体はともかく、氷天体ならありますけど。

 氷天体といっても氷なのは、宇宙空間で冷える表面に近い範囲だけですよね。

その下には、重力によって押し潰され加熱された熱水の層があるとされますよね。

 求めよされば与えられん。
 叩けよされば開かれん。

 さて、どんな展開になっていくでしょうねえ。

恒星の概念が揺らぐのは、間違えないと思いますよ。

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