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進化論はどこへ向かう?

宇宙の創成、地球の誕生、化学物質の進化、生命の誕生と進化を経て、自立した知的生命体として自然を認識できるのです。

これが、現在の公式見解ですね。

 進化というけど、非ダーウィンの立場でいう進化と、ダーウィンの立場で言う進化と、ありますねえ。

研究者でダーウインの主張通りに、進化論を展開している人は最早少数でしょうね。

ダーウイン派は、今日ではネオ・ダーウィン派を指すといって良いでしょうね。

非ダーウインの人も含めて、ダーウィンの論理を修正する必要性は大半の人が感じているはずですよ。

 そうですか。

ええ。

化学反応に伴い、反応の時間的振動や空間的パターンがひとりでに形成されるそうです。

 これが、化学反応についての最新の思想ですね。

現在、科学者は、生命現象に現れる形態形成すなわち時間・空間的な構造の発生や自己組織化現象を、自然科学の法則に反する特殊なものとはみなしていないです。

生命が負のエントロピーを消費する、エントロピー増大の法則に従わないシステムであるのは特殊なことではないのです。

チューリング(A.Turing)は、現代の計算機科学の基礎とも言える“チューリング・マシン”を考案した人として知られています。
そのチューリングは、1952年に“形態形成の化学的基礎”と題する論文を出しています。
論文の中で、周期的な空間構造が自発的に発生する可能性を、ヒドラの形態形成のモデルとして示しているといいます。

 自己組織化する量子宇宙という、最新研究と対応するでしょうね。

まさに、フラクタルでしょうね。

 これは、大きなパラダイムシフトですね。

ええ、考え方の大きな転換ですね。

シュレディンガーは1944年の著書“生命とは何か”で、生命が負のエントロピーを消費する、エントロピー増大の法則に従わない特殊なシステムであることを強調しているそうです。

 “生命とは何か”は、岡、鎮目訳で、岩波新書から1951年に日本でも出ましたね。

 シュレディンガーは、量子力学で物質波の波動方程式を提案した人でしょ。

そうです。

シュレディンガーが議論した、負のエントロピーは開放系で部分的に実現可能です。

 負のエントロピーでは混沌とした乱れた系から、秩序が形成されるのでしょ。

平衡系の熱力学が、エントロピー最大の状態への“死の行進”であるのとは大きく異なります。

 正のエントロピーでは秩序の形成された系から、混沌とした乱れに移行するのでしょ。

そうですね。

それに対して、非平衡の開放系には、生命が誕生できるのです。

 これら全てのダイナミックスを支えているのは、壮大なエネルギー源としての太陽の存在ですか。

最新科学では、そうですね。

 クリスチャンは、義の太陽であるイエスが御父の導きによってこの秩序をお作りになったというでしょうねえ。

 壮大なエネルギー源としての太陽、すなわち、神の御声がこれら全てのダイナミックスを支えていると。

太陽の栄光、すなわち、御父の御膝元であると。

 そうかも。

霊魂や魂の不滅や輪廻を解く宗教的、神秘的な不可知の存在としての生命像から、物理・化学あるいは情報という科学の言葉による物理システムとしての生命像への転換です。

 現代は生命が単なる物質であるとする誤解が、浸透しすぎているのかも知れませんね。

マルクスやエンゲルスは、19世紀に生命は蛋白質の存在形式だと指摘していました。

 やっと、時代が二人に追いついてきたのですね。
 アミノ酸の振る舞いで、生命現象が解けるというのが最新研究の方向でしょ。

そうですねえ。
まさに、生命現象の舞台が蛋白質ですよ。

 あなたは、唯物弁証法は古代思想であるカッバーラやタントラや陰陽道の時代から、その正しさは神に由来するとされてきたと言ってるでしょ。

神、すなわち、世界を作り動かす根源的力の論理の反映が、カッバーラやタントラや陰陽道など古来から続く唯物弁証法ですよ。

 神は、神秘的な不可知の存在ではない。

神といえども、物理的世界に基礎をおかない限り、現実には手も足も出ません。

唯物弁証法の正しさは、神が神秘的な不可知の存在などではなく、世界を作り動かす根源的力であり物理的存在の仲間であることの証明でもあるでしょうね。
 
 認識は、限りなく神の領域に迫り得る。

気の遠くなるほど、長い期間は必要ですが。

 原理的には、神の段階まで知恵や知識は到達可能。

ええ。
それが、唯物弁証法の見解です。

 おっと、話が脱線しましたね。

元に戻しましょ。

古代から正しいとされてきた唯物弁証法の主張は、認められるべくして認められたわけですよ。

 さらに、これらの全過程に負のエントロピー、つまり、混沌とした乱れた系から、秩序が形成されるシステムが働く。

人類の出現に至る壮大なドラマの中で、輪廻や永遠の生命の本質とも言える遺伝子のしたたかな戦略と造形の芸術性の荘厳さは、生命への畏敬を喚起させるに十分のはずです。

チューリングが生物の形態形成のモデルとして提案した周期的な空間構造が自発的に発生するというパターンは、最近、化学反応系や生体系で確認されつつあるといえるでしょう。

周期的な空間構造が自発的に発生するという方向は、世界の階層性を研究するフラクタル理論と一致し、唯物弁証法からみても基本的に支持できるものです。

 そうですか。

ロスアラモス国立研究所の物理学者であったアンソニー・ペラットは、集合したプラズマが合体して銀河と同じ螺旋(らせん) 構造を形成するのを発見したといいます。

 まさに、リマ=デ=ファリアの説く「選択なしの進化論=自律進化説」の、素粒子、鉱物、生命体からヒト社会に至るあらゆる「形態と機能」は、素粒子など基本的な水準の「形態と機能」に基礎があるという主張に繋がりますね。

 そういえば宇宙自体にも、壮大なDNAのような螺旋構造が見つかったという報告もありましたね。

ええ。

 そうなると、進化論は展開論など別の看板を架け替える必要が出ませんか。

ありえますねえ。

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コメント

私も進化論の妥当性を信じる者です。
進化論での人間社会学的な発展性を考察してみました。
人間が進化の過程で、社会構造も適者生存的な選択を
歴史的に追及していると捉える事が出来ます。
それで社会構成の中で、殺人者や犯罪者も人口密度に合わせ、
最小の確率的分布で必要構成要因であることが認められます。
人類歴史がそれを証明しています。
進化の過程で殺人者や犯罪者の社会構造の必要構成員としての
意味合いは、人口の間引き作用として必要性を担っていると
考察できます。人口増加の抑制作用を担う社会的要請が犯罪者で
あり、殺人者です。
我々の倫理観の範疇の外で、遺伝的進化の淘汰性は全く別の手法で
社会構造を追求していると捉える事が出来ます。
進化論の正当性が増すごとに、犯罪者の存在の正当性も妥当なもの
になります。

投稿: Blue blossom | 2010年3月11日 (木) 02時22分

わたしは、非ダーウィン派の主張に進化論の主流は接近していると思えます。

ダーウィン派は、歴史を解釈してきただけではないでしょうか。

非ダーウィン派は、最新科学の成果を踏まえて多彩な発展を遂げているように見えます。
今回は触れなかったけど、臨床医学への独自な進化論の適用などに踏み切っている西原実験進化学も、典型的な非ダーウィン派ですよ。

投稿: cova | 2010年3月11日 (木) 14時55分

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