出羽三山を考えてみる。
月読(つくよみの)尊が祀られる月山は、出羽三山の一つです。
出羽三山と聞けば、三つの山があると思っている向きもあるようね。
月山は、その眺めからまたの名を臥牛山と呼びます。
出羽三山とは、臥した牛の北に向けて垂れた首を羽黒山、その背にあたる頂を特に月山、尻に至って太もも腹の間の陰所とみられるあたりを湯殿山といい、その三山を指すのです。
もっとも秘奥な奥の院とされる湯殿山のごときは、頂に近い大渓谷で山ではないのです。
遠く望む山があるかに、思ってしまいがちね。
ようするに、お尻を山にみたてたくらいのものでしょ。
月山を死者の行くあの世の山として、それらをそれぞれ弥陀三尊の座になぞらえたのです。
三山といっても、月山ただ一つの山の名称なのです。
魂が入って、再び力を得て、復活する場と言うことね。
そうですね。
ところで、山といえば女性神を祀る印象があるけど。
つくよみの尊といえば、月読のほか月夜見とも記す男性神ですよね。
女性神の祠を祀る山もあるので、一貫性がないと思われても仕方ないでしょ。
牛は、古代インド人にとって、仏教世界を指し示すためにこの世に派遣された仏の使者、もしくは仏そのものと神聖視されていたのです。
牛に見立てられた月山の場合は、仏を象徴するとして男性神の祠があるのかも。
その一方で、山に祀られるのは女性神なので同じ陰に配される月の神の祠としたと見ても良いのでは。
さらに、月は満ち欠けを繰り返す、滅びと再生の象徴でもありますね。
御仏の化身とされる牛の姿の月山は、魂を救ってこの世に返してくださる存在として崇拝された。
そこで、滅びと再生の象徴である月の神を祀る山とされた可能性はありえます。
月読尊として祀られたことは、再生のときを管理する神でもあるのでしょうかね。
そうかも。
ところで、ギゼーの三大ピラミッドで気になることがあるのよ。
内部構造は、真ん中の大ピラミッドばかりが話題になりませんか。
中に入れる盗掘穴が、ここにしかないからでしょうか。
ほかの二つも、考察する人はいますね。
あまり、知られていないだけ。
でしょうね。
何が、気になるのですか。
月山は、魂が入って、再び力を得て、復活する場と言うことね。
三大ピラミッドにも、魂が入って、再び力を得て、復活する場と言う説があるでしょ。
オリオン座の三ツ星を意図して配されたとみる、三基一組説もあります。
しかも、三という数字もあっている。
オリオン座は男性ですねえ。
でも、大ピラミッドについては左右対称の内部構造が指摘されます。
しかも、滅びと再生の場という議論もある。
母胎に見立てられている可能性は、考えて良いかも知れないですねえ。
そうなると、外見の差にもかかわらず、三大ピラミッドと出羽三山の名がある月山、思想はそっくりとなりますよ。
魂が入って、再び力を得て、復活する場という説があるのは九州のトンカラリンもそう。
トンカラリンの滅びと再生の場という説は、ピラミッドとの比較から出たでしょ。
そうですね。
つまり、日本には東西に、ピラミッドと同じ思想で作られた滅びと再生の場があることになりませんか。
またしても、古代日本と古代エジプトは繋がってしまいますね。
月山って、そんなに奥深いものだったんですか。
古代文明のつながりって、現代人の想像を超えるものがありますからねえ・・・。
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コメント
月山といえば森敦ですよね。
先日宮本輝の二十歳の火影というエッセイをよんでいたら
若かりし頃、月山に登りたいと思ったっと
書いてありました。
月山の意味、また新たに深いなって思いました。
登りたくなってきますね。
投稿: アモリン | 2010年3月12日 (金) 23時38分
山には、いろんな想いが昔から込められているようですね。
投稿: cova | 2010年3月15日 (月) 15時56分