弥生人はやはり神武東征と関係あり?
神武に率いられた天孫一族の東征のたどった道と、弥生人となった渡来人のたどった道は、面白いほど重なってくることが考古学によって明らかにされてきたようです。
しかも、東に向かおうとする弥生人となった渡来人と先住民であった縄文人の間で、争いがあったことを示す人骨も見つかっているといいます。
でも、争った後のある人骨はほとんどが西日本でしょ。
東日本には生い茂る森林にはばまれて、手前で止まらざるを得なかったと見られています。
東日本の縄文人たちは、今見ても優れた伐採能力を持つ石斧で木々を伐採していました。
硬い木の枝と幹の部分をたくみに生かし、石斧を木をくりぬいてソケット状にして取り付けていたのです。
しかも、わざとソケット状にくりぬいた一部を欠けた形にしたり、石斧との段差を極力なくす加工を施していたのです。
縄文人たちは、その優れた石斧と、大きな石を加工して作った石の鍬でどんどん木々の生い茂る土地を開墾していたのでしょ。
ええ、弥生人はそういう土地を切り開くための道具や技術を持ってなかったのです。
そこで、東日本への進出は現地の縄文人を味方につけざるを得なかったのです。
一方、東日本の縄文人たちも、水田の高い生産力に魅力を感じていたのでしょ。
弥生人たちの土地へと、東日本の縄文人たちは距離をものともせずに進出して、水田技術を身につけようとしていた痕跡は数多く見つかっているのですって。
その水田の技術は、長江の下流域で生まれたのでしょ。
そう考えられていますね。
そして、中国が春秋から戦国時代のころ、多くの人々は国外に脱出し、その一部が日本に来て弥生時代を開くことになる。
当然、森林を切り開く道具や技術を手にしてない人たちよね。
だから深い森に囲まれた東日本の縄文人たちの世界は、弥生人にとってまったくお手上げだったのかも。
長江下流域から朝鮮半島にかけて、海を越えてやってきた人たちの集合体から、弥生人は成立したようですから。
そうなると、徐福が不老不死の仙薬を求めて蓬莱山を目指して船出したころと、近くありませんか。
中国から徐福が神武になったと言う説が出ても、おかしくないのは事実かもね。
東日本縄文人たちの技術水準の高さを知って、弥生人たちは味方につけた方が得と判断したのかもしれませんね。
そういえば、縄文時代も末期になると、朝鮮半島南端の地域から水田技術を持ち帰った人たちがいたとか。
ええ、ごく一部にとどまったようですけどね。
稲作をしていた縄文人の多くは、熱帯ジャポニカを焼畑に直播きだったわけでしょ。
弥生人と西日本縄文人は、農地を巡って争ったのかも知れないですね。
焼畑と水田、農地の利用法はまったく違うわけですからね。
それに対して、東日本では 弥生人たちは西日本のときと異なり、ほとんど争おうとはしていなかったようなのです。
そこで、こういう疑問が起きます。
神武とは、弥生人の指導者であったのではないか。
縄文人と弥生人の和解こそ、ニギハヤヒと神武の和解の正体だったのではないか。
可能性はありますね。
さらに、『古事記』では倭建命と表記される日本武尊は、西日本ではさまざまに策を巡らして戦った記述があるのに、東日本では奇妙なほど戦いの記述が減るのです。
これも、弥生人の東日本進出が平和的に縄文人の協力を取り付けてなされていった考古学の情報と、面白いほど重なっていくのです。
縄文人は、野焼きしたあとに熱帯ジャポニカを直播きしていたと見られているね。
米を作った証拠はあるのに、水田は見つかっていないですからね。
東日本への温帯ジャポニカの進出は、熱帯ジャポニカとの雑種から生まれた早稲によって可能になったことが分かって来たといいます。
熱帯ジャポニカも水田で育てられ温帯ジャポニカとの雑種ができることは、実験で確かめられています。
熱帯ジャポニカの栽培に慣れた東日本縄文人の協力なくして、実行は難しかったかも。
記紀の記述に従えば、神武は弥生時代に遡ってしまうのだけれど、最新考古資料と照らし合わせると、神話と笑い飛ばせなくなってくるのです。
神武に始まる弥生王朝の存在は、事実と考えるべき方向に向かっていくのではないでしょうか。
じゃあ、神武王朝最後の天皇は、だれかしら。
仁徳以前に、神の付く名前の天皇が三人もいるのに、仁徳以降はいないのはなぜでしょうか。
そういえば、皇后にも、仁徳以降には神が付く名前は見えないかも…。
ここから想像できる弥生王朝最後の天皇は、応神であったのかもしれないですよ。
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