パスタこそ麺文化の原点?
イタリア料理の主要な要素のひとつであるパスタ(pasta)は日本語の「麺」にほぼ相似イタリア語で、スパゲッティ、ペンネ、ラザニアなどを含むのです。
イタリア語のpasta は、俗ラテン語の生地、練りものを意味する pastaに由来するのです。
中国語や日本語の麺は、俗ラテン語のpastaから転化したのかしら。
古代中国の発音と、比べたら面白いかも。
俗ラテン語の生地、練りものを意味するpastaから、イタリア語 pasticceria(パスティッチェーリア)のほか、英語のpaste(ペースト)や英語のpastry(ペーストリー)、フランス語のpâté(パテ)やpâtisserie(パティスリー)、などの語がうまれたのです。
イタリアのパスタは、豊富な種類をもつ中国の麺に比べても実に多彩です。
この事実は、パスタや麺の起源が地中海世界にあることを物語っているように見えるのです。
イタリア料理の主食の一つであるパスタは、小麦粉などを主体とした練り物である生パスタ、およびそれを乾燥した製品である乾燥パスタを指す言葉です。
「食用の pasta 」を意味するパスタ・アリメンターレ(pasta alimentare)と呼ぶこともあるのです。
日本語の「麺」に近い用法だが、細長い形状にこだわらない点が異なるのです。
饂飩や蕎麦、ラーメン、餃子とその皮やそばがきも、「日本の pasta 」ということになるからです。
そばがきはイタリア人から見れば、生地、練りものを意味する俗ラテン語のpastaそのものですもの。
そういえば、日本には顔立ちや体格・体型がイタリア人に近い人が多いように感じます。
イタリアと日本は、食文化の好みも近いし、国土の姿や気候風土も似てますね。
日本は、饂飩に加えて蕎麦の文化も作り上げたのです。
蕎麦は、穀物のソバの実を原料として加工した日本の麺類の一種で、それを用いた料理を含めた呼び名でもあるのね。
蕎麦切り、日本蕎麦とも呼ばれ、歴史は古く、うどんや寿司、天麩羅と並ぶ代表的な日本料理ですね。
ソバの実を原料としたパスタは、そういえばあまり聞きませんね。
少数だが、ソバの実を用いたパスタもあるのですよ。
多彩なパスタの世界を見てみたいです。
ロングパスタ
スパゲッティ Spaghetti - 断面は円、太さは様々だが、2.0mm弱。
スパゲッティーニ Spaghettini - 細長い、日本では一般的なパスタ、断面は円、1.6mm~1.7mmと太さの種類がある。
名称はスパゲッティの指小形で、「より細いスパゲッティ」という意味。
フェデリーニ fedelini - 細めのスパゲッティで1.4mm~1.5mm。
ヴェルミチェッリ Vermicelli - 名称はミミズやヒルのような長い虫という意味の「ヴェルメ」(verme)の指小形で「小さいヴェルメ」の意。
極細のスパゲッティで、1.2mm未満。ナポリでは、スパゲッティやスパゲッティーニはヴェルミチェッリと呼ばれることの方が多い。
英語読みの「ヴァーミセリ」としても知られ、主にスープに使われる。
リングイネ Linguine - スパゲッティよりやや太く、断面は楕円形。
スパゲッティやスパゲッティーニ、フェデリーニ 、ヴェルミチェッリ、リングイネは、どことなく日本の饂飩に通じる食感があるのです。
そういえば、饂飩に焼き饂飩があり、スパゲティで焼きそば風の料理作った人いるのね。
饂飩にも、蕎麦に近い細さのものがあるし。
カペッリーニ Capellini - 最も細いスパゲッティで、「天使の髪の毛」を意味するカペッリーニ・ダンジェロ(Capellini d'Angelo)の別名がある。
スープや冷製に用いる。
スープや冷製に用いるカペッリーニの食べ方は、細さから言っても素麺に近いですね。
タリアテッレ Tagliatelle - 卵を入れた練り粉をのばして、幅7~8mmに細長く切り分けたパスタ。
地域によりフェットゥッチーネ(Fettuccine)ともいい、乾燥パスタもある。
タリアテッレは、食べ方や製法を除けば主に冷製に用いる冷麦が連想できます。
ピッツォッケリ Pizzoccheri - 蕎麦を主体とした練り粉を薄く伸ばし、きしめん状に切り分けた手打ちパスタ。
パッパルデッレ Pappardelle - 薄い板状にのばした手打ちパスタを20~30mmの幅に切り分けたリボン状のパスタ。
パッパルデッレなどは、見た目も食感もきしめんそっくりかもです。
ブカティーニ Bucatini - スパゲッティとマカロニの中間の太さの孔の開いているパスタ。
キタッラ - 断面の四角いアブルッツォ州の郷土料理、琴のような道具キタッラで作る。
ビーゴリ Bigoli - 独特の歯ごたえがある、形、色ともに日本の蕎麦に似たヴェネト地方のパスタ。
パッサテッリ Passatelli - パン粉とチーズ、ナツメグを混ぜ合わせて生地にし、専用の押し出す道具で太い短めのスパゲッティ状に成形したもの。
ストロンカテッリ Stroncatelli - スパゲッティ状のマルケ州アンコーナ地方の手打ち生パスタ。
タリオリーニ Tagliolini - 卵入りの練り粉をのばして、幅1~2mmに細長く切り分けた蕎麦状のパスタ。
ピエモンテ州で人気のパスタで、同州ではピエモンテ語のタヤリン(Tajarin)として知られる。
タヤリンは一般的なタリオリーニよりほんの少し細めの場合が多い。
トレネッテ Trenette - 幅3~4mm、厚さ1~2mmの断面が長方形のリグーリア州のパスタ。
ショートパスタ
マッケローネ Maccherone - マカロニ。
ペンネ Penne - ペン先のように斜めに切られた筒状のパスタ。
表面に波状の筋が入ったものはペンネ・リガーテ Penne rigateとなる。
ペンネッテ Pennette - 小型のペンネ。
リガトーニ Rigatoni - 外側に波状の筋が入った、太めのショートパスタ。
ファルファッレ Farfalle - イタリア語で「蝶」の意味、蝶の形をしたパスタ。
コンキリエ Conchiglie - イタリア語で「貝」の意味、貝殻のように小さく巻いたパスタ。
コンキリエッテ Conchigliette - 小型のコンキリエ。
エリーケ(フジッリ)Fusilli -螺旋(らせん)状のショートパスタ。
ルオーテ Ruote -車輪のような形をしたパスタで、中国では、この変型として、内側を「福」や「壽」などの漢字に変えた物が作られている。
日本では、ハローキティなどのキャラクターマカロニとして市販されている。
オレッキエッテ Orecchiette - 「小さな耳」を意味し、プッリャ州で作られる。
ガルガネッリ Garganelli - ロマーニャ地方産の手打ちマカロニ
ガッセ Gasse - 十文字に結んで結び目を作り、両端を密着させたリグーリア地方のパスタ。
ステッリーネ Stelline - 星形をしたパスタ。
ツィーテ Zite - マカロニより太い管状のパスタ。
その他
ラビオリ Ravioli - 詰め物入りのパスタで2枚で閉じている。
ピエモンテ地方には、デル・プリン(Del Plin)と呼ばれる、独特の食感のラビオリもある。
トルテッリ Tortelli - 詰め物入りのパスタ。
トルテッリーニ Tortellini - 小型のトルテッリで、正方形の生地で詰め物を包み、三角形になるように二つに折り、両端を合わせて指輪状にして留める。
詰め物は挽肉やリコッタチーズであることが多い。
アノリーニ Anolini - イタリア北部エミリア=ロマーニャ州の詰め物入り小形パスタ
カルツォニッキ Calzonicchi - 炒めた脳と卵のペーストを詰め、三角形にかたどったローマ地方のパスタ。
カソンセイ Casonsei - 方形状の詰め物入りパスタ。
チャルツォンス Cialzons - イタリア北部、山岳地方のホウレンソウ、干しブドウ、卵のペーストを詰めたパスタ。
ラピオリ、トルッテリ、トルテッリーニ、カルツォニッキ、カソンセイ、チャルツォンスは、どことなくワンタンや餃子などを連想させられます。
日本では焼くのが一般的な餃子も、本来中国では水餃子です。
パンツェロッティ Panzerotti - 詰め物をした半月状のパスタで、揚げて食す。
パンツェロッティは、揚げ餃子を連想できます。
餃子を揚げたり焼いたりする起源は、パンツェロッティかも知れないです。
カンネッローニ Cannelloni - 詰め物を筒型に巻いたパスタ。
カンネッローニ は、春巻きの原型のように見えるのです。
ニョッキ Gnocchi - 潰したジャガイモ、法蓮草、リコッタチーズ、南瓜などを混ぜて作られるダンプリング(団子)状のパスタ。
ラザーニェ Lasagne - 縁が波打った板状のパスタ。
クスクス Couscous/イタリア語: Cuscus - デュラムセモリナ粉に水をふりかけて粟粒大に丸めたもの。
米国以外では、パスタとして扱わない。
起源は北アフリカで、ベルベル人の伝統料理とされ、モロッコ料理などで用いられる。
イタリアではシチリア、サルデーニャ、リヴォルノで作られる。
リゾーニ Risoni - 米粒状のパスタ
クリンジョネス Culingiones - サルデーニャ地方のラビオリ。
マルタリアーティ Maltagliati - 変則の梯形状に切った細長い手打ちパスタ。
パスタ・ミスタ pasta mista - 「混ぜたパスタ」の意で、「パスタ・ミスキアータ」 (pasta mischiata) とも呼ばれる、形や大きさの異なるパスタを取り混ぜたもの。
主な用途は、パスタを使ったスープの一種のミネストラ( minestra)である。
少量残ったパスタは、欠けたり折れたりしたパスタと混ぜて「ミヌッツァリア」 (minuzzaglia) または「ムンネッツァリア」 (munnezzaglia) と呼び、安い値段で売った。
パスタは食料品店で量り売りされ、包装されたパスタが広く市販されるのは第一次世界大戦後のこと。
現在では、パスタ・ミスタという名称で、箱入りや袋入りの混合パスタが市販されている。
詳しく触れきらなかったけれど、中国はもちろん日本でも地域に入っていけば、このパスタによく似ていると言う麺は、まだまだあるかも。
パスタや麺の文化は、ヨーロッパよりむしろアジアで多彩に展開していきますね。
パスタや麺を周辺の文化とともに、地中海世界からアジアを横断し日本に向かって運んできた人々の存在を考える必要があるかも。
追記
「小さな耳」を意味するオレッキエッテという ショートパスタで、後から気づいたことです。
よく似た中華料理に使われる麺類の一種に、猫耳(マオアール)があります。
中国では猫耳朶あるいは猫耳朵と書き、古くは圪坨儿とも呼んだそうです。
麺の各片が猫の耳に似た形をしているので、この名がついたのです。
発祥の地は、晋語圏といわれる山西省をはじめとした中国の北方地区です。
圪坨儿の名は、山西省をはじめとした中国の北方地区の地域で呼ばれていたといいます。
猫耳朵と呼ぶようになったの近年だとか。
浙江省杭州の浙江料理でも、猫耳朶同じような麺が用いられるようです。
作り方は、小麦粉を水で練った生地を、小さく切り、一個ずつ手の親指でつぶして成形する。
指でつぶす時に、ただ垂直に押すのではなく、指を横に滑らせ生地を転がすようにして押すことで、猫の耳のように丸まった独特の形状に仕上がる。
一片の麺の大きさは、名前とは異なって親指の先程度の小さいものである。
出来上がった麺は、茹でてから、野菜と炒め合わせたり、スープの具にしたりする。
面白いのは、みみと呼ばれる小麦粉を原料とした郷土食が、日本の山梨県鰍沢町にあることです。
名前が「耳」に由来すると言う説があります。
地中海から中国、日本の麺の道は、こんなところからも見えるのですね。
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コメント
パスタの文化 歴史 ありがとうございます3
参考になり嬉しいです
ポチッと応援させていただきます、
今後もよろしくお願いいたします、
投稿: ryuji_s1 | 2010年12月 4日 (土) 09時47分
コメント、ありがとうございます。
パスタも、奥が深いですね。
投稿: cova | 2010年12月 4日 (土) 10時27分