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太陽がどうやって光っているか、見直す時は近いかも。太陽を見直す。その1

National GeographicのHPに、こんな記事がありました。

太陽のジェット現象、“スピキュール”

National Geographic News
January 17, 2011

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2011011705&expand#title

 太陽表面から噴き出るガスのジェット現象「スピキュール」。

その高さは地球の直径(約1万2700キロ)ほどにまで達することがある。

NASAの太陽観測衛星ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー(SDO)が撮影し、1月6日に公開された。

 最新の研究によると、太陽表面に常時数万個存在するスピキュールは、従来の観測結果よりもはるかに高温のガスを身にまとっていることが判明したという。

以前から外層大気コロナとの関係が検討されており、太陽最大の謎「コロナ加熱問題」を解明する手掛かりになると期待されている。

コロナは摂氏100万度を超え、内側の表面温度よりはるかに高温だ。

低温側から高温側へ熱エネルギーを運ぶプロセスは未だ解明されていない。

スピキュールは、太陽物理学において、太陽に現れる直径500kmほどのジェット状現象です。

太陽表面の彩層に広く遍在し、光球から約20km/sの速さで上昇する。光球とコロナを繋ぐ基本構造とされます。

1877年にバチカン天文台のアンジェロ・セッキによって発見されました。

スピキュールは、常に太陽上に約6万から7万個が発生しています。

それぞれのスピキュールは光球から3,000 - 1万kmの高さに達します。

スピキュールは、5分間から10分間に渡って存在し、終焉部では細長く見えます。

通常、強い磁束を伴い、その質量流束は太陽風の約100倍に達します。

人工衛星による観測などによって、微細な部分まで観測できるようになりました。

ちなみに、太陽の表面温度は約6000度と見られています。

物質は、その表面の温度によって放射する電磁波が変化します。

いわゆる光は、ある帯域の電磁波のことです。

光の色で、温度は測定できます。

赤い光は、低温。

白い光は、高温。

赤い光は波長が長く、白い光は波長が短い、これは振動のエネルギーの大きさに対応します。

温度が高いほど、粒子の振動エネルギーは大きくなります。

電磁波の測定でも、基本は同じです。

そこで太陽の表面から放射されている電磁波を測定することによって、その表面温度を算出することができるというのが算定の論拠です。

太陽から到達するニュートリノが、核融合理論から予測される値よりも小さいという現象と重ね合わせると、核融合以外の説明がなおさら必要になるでしょう。

日経サイエンス2003年7月号に、こんな論文が出ていました。

HPから概要を紹介しましょう。

ついに解けた太陽ニュートリノの謎

A. B. マクドナルド/J. R. クライン/D. L. ウォーク

 太陽の内部では核融合によって大量のニュートリノが作られる。

しかし地球で観測される数は理論に基づいて予測した量より大幅に少ない。

研究者を30年以上も悩ませてきた「太陽ニュートリノ問題」に,ついに決着がついた。

カナダのサドベリーニュートリノ観測所(SNO)の共同研究グループが太陽ニュートリノが別のタイプに変身している証拠をつかんだ。

 ニュートリノには,電子・ミュー・タウの3種類がある。

太陽内部では電子ニュートリノが大量にできる。

ニュートリノは物質とほとんど相互作用しないため,地球にそのまま降り注いでくる。

ところが,1960年代以降行われたさまざまな実験で測定された値は太陽モデルに基づいた予測値の1/3~3/5しかなかった。

 太陽モデルが間違っているのか,それとも誤差や精度など観測技術の問題なのか。

長い間議論になってきた。

しかし,ニュートリノ振動によって別の種類に変身している説が支持されるようになった。

SNOは重水の中で発生するチェレンコフ光を観測して統計処理した結果,太陽ニュートリノが振動を起こしている証拠をつかんだ。

さらに,日本のカムランドが行った反電子ニュートリノの観測によって確証が得られた。

 すでに,日本のスーパーカミオカンデが大気上層で発生する大気ニュートリノの観測でニュートリノ振動が起きていることをつかんでいる。

標準理論の予言と異なり,ニュートリノには質量があることが確実になった。

スーパーカミオカンデやSNOの観測結果に基づいて,標準理論を見直す必要がある。

さらに,ニュートリノ観測実験は将来,なぜ宇宙は反物質ではなく物質で構成されているのかという理由も解明できるかもしれない。

著者  Arthur B. McDonald/Joshua R. Klein/David L. Wark

3人は130人が参加しているサドベリー・ニュートリノ観測所(SNO)の共同研究グループに所属している。

マクドナルドは1989年の発足時からSNOの所長を務めており,カナダのオンタリオ州キングストンにあるクイーンズ大学の物理学の教授でもある。

クラインは1994年にプリンストン大学で博士号を得た後,ペンシルベニア大学でSNOの研究を始めた。

テキサス大学オースティン校の物理学の助教授を務める。

ウォークはこの13年間を英国で過ごし,オックスフォード大学やサセックス大学,ラザフォードアップルトン研究所に在籍した。

SNO以外にも多くのニュートリノ実験に携わった。

こんな内容の論文です。

 本当に太陽ニュートリノの数が予想より少ない問題は、解けたのでしょうか。

定性的な現象を捉えて、可能性を提起したに過ぎない論文ではないでしょうか。

この論文の議論で確かなのは、「スーパーカミオカンデやSNOの観測結果に基づいて,標準理論を見直す必要がある」ことだけと見えます。

 観測データを除いて、でしょ。

もちろんですよ。

定量的に試してみた結果やはり数が合わないとなったら、標準理論を見直した結果は理論そのものの破棄と理論の総取り替えかも知れないのですよ。

「低温側から高温側へ熱エネルギーを運ぶプロセスは未だ解明されていない」以上、この現象の説明との辻褄が合わない理論は論外といえるでしょうから。

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