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生ハムといぶりがっこ?

生肉を、濃いめの塩水に漬け込みます。

冷気にさらすほうが良いので、冷蔵庫に入れるのが一般的です。

この生ハムなどの燻製食品を漬け込む液を、ソミュール液というのです。

この際のポイントは、塩分濃度と塩です。

いわゆる食塩ではなく、自然塩を使う方がおいしく漬かるのは言うまでもないのです。

この段階での塩分濃度や時間で、味に大きな違いが生まれるのです。

ソミュール液が染みやすいように、アイスピックで穴をあけるのがコツというアドバイスもあるようです。

この段階の漬け込む液に、工夫を凝らす人もいます。

例えば、こんな風です。

ソミュール液の材料は、セロリ、玉葱、人参、パセリの茎、ロリエ、塩、砂糖、というのが多いようです。

作り方講座をしようってわけではないので、割合は自分で調べてです。

胡椒、コリアンダー、 タイム、クローブなど、お気に入りの香辛料をさらに加えたりすることもあります。

ソミュール液の材料を鍋に入れ沸騰させ、そのまま数分煮てから自然に冷ましておくのです。

もちろん、十分冷めてから濾し取った液の方を用いるのです。

要するにミネラルたっぷりの自然塩が持っている奥深い味わいを、別の食材で代用しつつも自分好みにアレンジしようというわけでしょう。

ソミュール液は、生ハムなど燻製にする食品を塩漬けにする時使うものです。

ソミュール液の名は、フランスのロワール河岸にあるメーヌ=エ=ロワール県の都市ソミュール(Saumur)に由来する可能性があります。

メーヌ=エ=ロワール県は、塩業で知られた地域です。

ソミュールの名に対して、ナトリウムを指すソディウム(sodium)が語源ではないかという説に出会ったのです。

塩の代表といえば塩化ナトリウムなので、英語では、単に塩のことをソディウムということもあるようです。

この、ソディウム(sodium)もソミュール(Saumur)も、塩を指すラテン語のサル(sal)から派生したサラリウム(salarium)から転化したと見ても良いのではないでしょうか。

ちなみに、メーヌ=エ=ロワール県の名は、県下を流れる支流メーヌ川(Maine)と大河ロワール川(Loire)にちなんでいます。

支流メーヌ川と大河ロワール川は、県内で合流しているのです。

メーヌ=エ=ロワール県の、県庁所在地はアンジェ(Angers)で、県下の地域は、アンジュー伯やアンジュー公が統治していたかつてのアンジュー州(Anjou)の地域です。

この県を統治した貴族であるアンジュー家は西洋諸国の王となっていて、プランタジネット家の血統からはイングランド王国(アンジュー帝国)、フランス王家であるカペー家の血統からはナポリ王国(シチリア王国)・ハンガリー王国・ポーランド王国の国王が出ています。

燻製を漬け込む液をソミュール液と呼ぶのは、塩の産地であるメーヌ=エ=ロワール県の地名であるソミュールに起源があるのかも。

約2週間漬け込むことにより、塩分もゆっくりとしみこみ、生肉も熟成されます。

熟成とは、魚肉・獣肉などが酵素の作用により分解され、特殊な風味・うまみが出ることです。

発酵を終えたあとそのままにし、さらに味をならすこともあるのです。

この漬け込む期間も、一週間から10日間くらいで済ます人もいるようで、好みの問題でしょう。

生肉を取り出し、表面の脂,筋皮膜を、すべて取り除き、ケ-シングに入れ,綿糸で巻き、形を整えます。

この段階が重要で、不必要な脂肪分などを手作業で一本一本根気よく削っていくのです。

燻製にした際の燻煙の通りを良くするなどの意味もあるのです。

手作り生ハムなどでは、燻製をしないで十分塩抜きをしてから、直射日光や雨が当たらない風通しの良い場所にぶら下げることもあります。

本格的な生ハムは寒冷地で1年以上も熟成させて作るそうだが、1か月も干しておけば自家用手作り生ハムとして楽しむなら十分おいしいらしいです。

出来上がったものを、燻製室に入れるのです。

徐々にに温度を下げていき、65℃~60℃ぐらいの間でじっくりと、燻製を仕上げます。

出来上がりは、燻製の度合いを、見計らい、8~12時間ぐらい行うのです。

最近では自家用燻製機などの小型の燻製室も発売されているが、チップをよく選び、火種と肉までの距離を程よくとってmじっくりと時間をかけるのがポイントだそうです。

特に生ハムでは熱を加えすぎれば生ではなくなるので、程よい距離で最適な燻煙と熱のバランスを測る必要があるのだとか。

ここで、思い出されるのは、秋田のいぶりがっこです。

「がっこ」とは秋田の言葉で漬物のことでしたね。

この漬物をいぶして作ったのが、「いぶりがっこ」です。

囲炉裏の焚き火で暖をとっていた頃、上の火柵に大根を並べておくと大根は煙に包まれ、いぶされて水分が蒸発したのです。

これだけでも十分燻製として保存食になるのです。

でも、秋田ではさらにこの自然燻煙大根を米糠と塩で漬け込んだのです。

これが、いぶりがっこの始まりです。

 いぶした後発酵させる製造工程は、面白いことに鰹節と良く似ているでしょ。

ここで興味深いのは、いぶすのがハムやチーズと順番が逆なことです。

 似ているだけなら、気が付く人は多いのね。

秋田といえば、東北6県の美人を代表する、秋田美人が有名です。

 秋田美人を考えていくと、ヨーロッパにたどり着きましたね。

 間にアメリカを挟むと、見事に繋がっていきました。

 ケネウィック人などの、アメリカから見つかった古代人骨でしたね。

 フランスやスペインの様式の鏃と一緒、だったりした。

秋田犬の血液型はヨーロッパに似たパターンを示すので、ヨーロッパから連れてこられたとみる方が自然ですね。

東北弁は発音がフランス語に似ているし、フランス人やイタリア人に日本人と似た人がいます。

 面白かったのは、縄文遺跡のオオヤマネコの骨の話よ。

オオヤマネコは、ヨーロッパやアメリカ大陸に分布しているけれど、縄文時代の貝塚からも出ているからです。

 縄文人とヨーロッパを繋ぐ中継点としてのアメリカ、もっと注目していいかも。

そうですね。

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