輪のある土星と輪のない木星を比べてみる。重力と電磁力?その5
最近の望遠鏡や性能のよい双眼鏡を使えば、土星の環は容易に観測することができます。
環は土星の赤道から 6,630 km の距離から 120,700 km の距離まで広がっています。
土星の環は内側から順にD環、C環、B環、A環、F環、G環、E環があり、F環、G環はよじれた構造をしています。
環の厚さはその大きさに比べて非常に薄く、特に内側ほど薄いです。
各環の中央部の厚さは、不明です。
端部では、C環が約5m、B環が5~20m、A環が10~30mです。
仮に土星本体の直径を10mとして模型を作ったとすると、環の厚さは数μm程度となります。
薄いですね。
ところが、G環の厚さは100km、E環は1万kmと推定されています。
まるで、遠心力で回したみたいですね。
土星の輪は、シリカや酸化鉄、氷の粒子などで構成されています。
水が主要な成分で93%を占めるが少量の複雑な有機物で濁っている、シリカや酸化鉄などは残りの7%に過ぎません。
粒子は細かい塵状のものから、小さな自動車程度の物まで様々です。
地球から観察した場合、環の間隙は最も大きなカッシーニの間隙とエンケの間隙のみ見ることができます。
ボイジャーは、土星の環に何千もの空白区間があることを発見したのです。
この構造は、土星にある多くの衛星の副産物と考えられます。
また、衛星の運動以外では粒子同士の重力的共鳴現象によって環を形作っていると考えられます。
F環は、羊飼い衛星のパンドラとプロメテウスの二つの衛星によって形を維持していると考えられています。
物質密度の高いコアという部分と淡いストランドという部分で構成され、形状は常に変化しています。
2005年9月のカッシーニの観測により、F環のストランドが螺旋(らせん) 状であることが発見されたのです。
螺旋構造の成因は、F環とS/2004 S 6の衝突によると推測されています。
2006年3月、カッシーニによってエンケラドゥス南極付近に噴出孔が発見され、E環はここから放出された物質によって形成されたと考えられています。
1980年まで、土星の環の構造は土星の重力のみによって形作られると説明されてきたのです。
しかし、ボイジャーはB環のなかに暗い放射状の構造を発見したのです。
これはスポークと呼ばれ、重力による環の軌道運動だけでは説明できない物だったのです。
この現象は土星の環がほぼ土星の磁気圏内を運動しているため、環を構成している粒子の電磁相互作用によって生じていると考えられています。
スポークが形成される原因は、はっきりと分ってはいません。
カッシーニは2004年7月の土星到着以来、ボイジャーと同等以上の精度で環を撮影したが、しばらくの間スポークは認められなかったのです。
2005年9月に、スポークの写真が得られ、四半世紀を経てその存在があらためて確認されたのです。
スポークは、環の平面が太陽と大きな角度をなす土星の夏・冬には消失し、環の平面が公転面と重なる土星の春・秋に姿を現わすと考えられています。
土星にあるのは、一対の極を持つ簡単な対称形状の磁場です。
地球に、磁場の形は似ている。
そのようですね。
地磁気に相当する磁場の惑星赤道上での値は、土星は20×10-6テスラであるというのです。
木星が400×10-6テスラなので、20分の1という小ささなのが大きな謎です。
奇妙なことに、輪を持つ天体である天王星も30×10-6テスラとの報告があります。
同じように、重力の小ささから質量も小さいと見られている天体でも、随分違いますね。
海王星も、輪を持つところから磁場の惑星赤道上での値は、天王星と似た値と思われるけど手元に資料がないので断定はできないですけど。
輪を持つ天体がどれも、木星より磁場が小さく測定されるのは、奇妙ですね。
回転を記述するには、回転速度、角速度、角運動量のほか、角加速度を用います。
注目したいのが、角加速度です。
そういえば、加速度と重力は区別できないというのが相対性理論ですね。
つまり、角加速度も重力と区別できないはずなのです。
重力と電磁気力は、形式が似た式で記述ができるというのが、最新の研究でしたね。
複素空間で、重力と電磁気力は変換可能になるといいます。
輪を持つ天体の磁場が小さく測定される原因が、輪の回転にあるとしたらどうでしょう。
仮に輪がないとしたら、磁場は木星、土星、天王星、海王星、どれも似たような値になる可能性がある。
そう見るのが、自然に思えるです。
もちろん、天体によって差は出るでしょうけど。
じゃあ、木星同様、土星、天王星、海王星も、磁気を曲げ疲れた重力を測定しているかもしれない。
磁場で乱された重力の大きさを、測定している言う方が科学的ですけど。
小さく見積もられた重力に相当する質量が、仮に地殻天体と見なした場合との差に近いと出れば、天文学の定説はひっくり返るかもしれないですね。
追記
実は、木星にも輪があります。
しかし、木星の輪は氷ではなく微粒子でこの議論に影響しない事が理論的にわかったため、話を単純化するため輪がないとして扱いました。
この点については、改めて取り上げます。
木星の輪はレンツの法則が適応できるか。
http://cova-nekosuki.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-8d33.html
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