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星の重さで、どんな風になるか決まらない?

天文学も、転換期を迎えているようです。

ちょっと前の記事ですが、紹介させてくださいね。

惑星程度の質量を持つ、ひじょうに若い天体の発見
【2010年4月15日 HUBBLESITE】

http://www.astroarts.co.jp/news/2010/04/15small_companion/index-j.shtml

おうし座の星形成領域にある褐色矮星のまわりに、なぞの天体が発見された。

この天体の質量は木星の5~10倍ほどだが、理論から予測される惑星の年齢よりはるかに若い。

どうやら普通の惑星とは異なり、太陽のような星と同じようなプロセスで形成された可能性が高いと考えられている。

近年、望遠鏡の性能は飛躍的に上がっており、従来の考え方を覆すような発見が続いている。

そのうちのひとつは、ある褐色矮星のまわりを回る、惑星のような天体の発見である。

褐色矮星とは、質量が木星の数十倍ほどしかないため、太陽のように核融合反応を起こして自ら光り輝くことができない天体だ。

1枚目の画像は、米・ペンシルバニア州立大学のKamen Todorov氏がハッブル宇宙望遠鏡(HST)とジェミニ北望遠鏡を使って、おうし座にある星形成領域にある褐色矮星2M J044144とそのまわりに発見された天体を撮影したものである。

発見された天体は、質量が木星の5倍から10倍で、褐色矮星2M J044144から36億kmの距離に位置している。

太陽系でいうと、その公転軌道は土星と天王星の軌道の中間くらいに相当する。

だが、形成されてからまだ100万年も経っていないとみられており、惑星形成に関する理論の予測よりもはるかに早く形成されてしまったことになる。

この天体を惑星と呼べるのだろうか。

その答えは、天体が形成されたメカニズムに深く関係している。

形成プロセスとしては、3つのシナリオが考えられる。

1つ目は、中心星を取り巻いていた円盤内でちりが集まり、地球の10倍以上の大きさの岩石惑星が形成され、その後で天体にガスが降り積もったというもの。

2つ目は、中心星を取り巻く円盤内でガスが収縮することで、木星のようなガス惑星サイズの天体ができたというもの。

そして3つ目は、円盤内で形成されたのではなく、恒星が形成されるときと同様に巨大なガスやちりの雲の収縮によって形成されたというものである。

最後のシナリオが正しければ、恒星と同じプロセスで形成された惑星質量の天体が発見されたことになる。

実際、わずか100万年も経たないうちに形成されたとみられることから、このシナリオが一番もっともらしいと考えられている。

1つ目のシナリオでは、惑星の形成はゆっくりと進むため時間を要するのだ。

また、2つ目のシナリオでは、形成は急速に進むものの、褐色矮星を取り巻く円盤には木星質量の5倍から10倍程度の天体を形成するほどの材料はないと考えられている。

とはいえ、中心星の円盤内で作られたものでなければ、それは惑星とは呼べないだろう。

今回発見された天体のすぐ近くに、小さな赤い星と褐色矮星の連星も発見されており、これら4つの天体はすべて同じところで誕生した四重天体系だと考えられているようだ。

冥王星が惑星の定義から外れたときに「どれだけ小さい天体まで惑星と呼べるのか」ということが話題になったが、今回の天体は「どれだけ大きい天体まで惑星で、どこからが褐色矮星なのか」という問題を、その形成プロセスを含めて話題として提供してくれそうである。

褐色矮星2M J044144と、惑星質量を持つ天体(8時の方向に見える光)。

上段はHST、下段はジェミニ望遠鏡が撮影。それぞれ右の画像は、褐色矮星の光を取り除いて惑星質量の天体を見やすくしたもの。

Browndwarfcompanion

クリックで拡大(提供:NASA, ESA, and K. Todorov and K. Luman (Penn State University))

褐色矮星2M J044144(左)と惑星質量を持つ天体(右)の想像図。

Illustration

クリックで拡大(提供:Gemini Observatory/AURA artwork by Lynette Cook)

恒星と惑星の境目も、どこの大きさで分けて良いかあいまいになり、従来の天体モデルが崩れてきたようです。

今度は、どれだけ大きい天体まで惑星で、どこからが褐色矮星なのかわからなくなったことで、惑星の従来モデルも崩れたということです。

またしても、恒星が本当にガス天体なのか、疑った方が良くなったということです。

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