鬼と悪魔(akuma)鬼 その2。
鬼畜というが、鬼は理由もなく残酷・残忍になったりしないです。
鬼は、怒りや悲しみの化身に見えますね。
畜は畜生の略だが、動物たちの方が親子の情が深いことが多いです。
残忍と言われる肉食獣も、犠牲になるのは彼らの傍に不用意に立ち寄ったり、怒らせたり、した場合がほとんどです。
彼らも体力を無駄にしたくないからむやみに襲わないです。
草食獣も、家畜として飼いならされたものはおとなしいが、野生は違うことも多いです。
身を守るために、神経質になっているからね。
満腹のライオンの方が、よっぽどおとなしいです。
草食獣は消化の悪い草を食べてるので、簡単には満腹にならないです。
草食獣に近づくには、敵ではないと信頼されることが必要です。
民俗では、日本でいう鬼と訳すのが適切な場合が多いのが悪魔(akuma)です。
悪魔(akuma)もまた、恐ろしいとか、残忍とかいうのは一面的な理解です。
科学の世界でも悪魔(akuma)が大勢登場するが、小鬼とか悪戯な妖精に近いです。
「マクスウェルの悪魔(akuma)」「ラプラスの悪魔(akuma)」が有名ね。
いずれもパラドックスに関わっていますね。
鬼は怒りの化身として、時に残忍だが、優しい力持ちでもあります。
鬼は、恐れられた存在だが、不思議なことに嫌われていません。
権力からは押さえつけるべき存在だが、民衆は、むしろ親しんでさえいます。
鬼は超人的力を持ち、呪術の担い手でさえあるようです。
この鬼こそ、卑弥呼の鬼道の鬼なのでしょうね。
鬼道の鬼は、神武によって封印され、なだめすかされながら、良いように利用されたのかもしれないです。
卑弥呼の後、また乱れた邪馬台国を纏めるために女王に即位したとされる壹與ね。
即位後、消息が不明なのは謎です。
神武の力を借りたつもりが、名ばかりの女王に祭り上げられた可能性はありますね。
もともと、カリスマ巫女として君臨し、実務は男王が握っていたからです。
そして、縄文の鬼道も祭り上げられ封印された可能性はあり得ると思っています。
鬼の封印は、弥生時代から今日まで続いているように見えますね。
だから、鬼は時としていい加減にしろと怒り、罰しに来るのでしょうね。
桃太郎の原型の一つとされる岡山の伝承では朝廷の命令による、吉備津彦の対抗勢力である温羅征伐とされます。
人身御供を行っている非道な輩だから征伐するというのが、朝廷の言い分です。
温羅は朝鮮由来とされるので、西方即ち陰で鬼となるのかもしれないですね。
もっともわたしは、温羅はもっと西方に遡るとみます。
キリスト教圏の悪魔(akuma)もまた、恐れられた存在だが、不思議なことに嫌われていません。
権力からは押さえつけるべき存在だが、民衆は、むしろ親しんでさえいます。
悪魔(akuma)は超人的力を持ち、呪術の担い手でさえあるようです。
この悪魔(akuma)こそ、先住民の信仰した神なのでしょうね。
悪魔(akuma)=鬼の構図が見えますね。
縄文の鬼と、ヨーロッパ古代の悪魔(akuma)は、不思議なほど似てみえます。
秋田美人の白さがヨーロッパと関係がある可能性と重ねると、興味深いね。
ストーンサークルは、古代の鬼や悪魔(akuma)を神と崇めた文化の遺物なのでしょうね。
悪魔(akuma)と鬼の類似は、民衆や権力との関係ばかりか、高度な知恵や知識の担い手でさえあるように見える点です。
鬼と桃太郎をこのようにみると、十字軍はある種、鬼ヶ島から宝を持ち帰った桃太郎に重なって感じられます。
十字軍も、イスラムから古代の優れた知識を得て帰ったのです。
桃太郎の鬼の原型の一つとされる温羅は、大陸から進んだ技術や文物をもたらしたとして、地元の人々は今も慕っているといいます。
そういえば桃太郎でも、鬼が何か悪いことをした話は語られないです。
一方的に悪者扱いです。
十字軍のイスラムも、一方的に悪者扱いで攻め込まれました。
イスラムも、多くの信者を持つ宗教です。
もっとも、イスラムは羊を捧げ物にするが、人身御供などはしていません。
イスラムから言えば、一部のキリスト教勢力は悪魔(akuma)に見えているのかも。
皮肉なことだけど、イスラムの中には、そう思っている人もいそうですね。
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