ブロード
ブロード(brodo)をイタリア料理用語辞典でひくと、‘(スープを作る為の)煮出 し汁'と訳してあります。
料理の基本となる‘だし'のことですね。
ごく自然に、塊の肉だけでなく残りものまで余すところなく利用してブロードがとられるのです。
ラーメンのだしみたい。
そうですね。
料理人達はいつでもこのおいしいブロードをレードルにすくっては、煮込みやパスタ、リゾットにと使い回していくのです。
パスタって、ラーメンの原点かしら。
そうかも、しれないですね。
材料によって、肉のブロード(brodo di carne)、魚介のブロード(brodo di pesce)野菜のブロード(brodo di verdure)の3つに大別され、さらに肉のブロードは牛と子牛肉を使ったものと、鶏肉だけのものなどに分かれるのです。
鶏肉や骨付きの子牛肉などさばいて、最後に残った骨はもちろんブロード用。
魚を三枚におろして残った骨も、ブロード用。
人参など野菜のくずも、ブロード用。
パスタって、アルデンテっていって、独特の歯ごたえがあるのね。
スパゲティなどの、パスタなのですね。
そうそう。
この前、テレビで面白いものを見たのです。
ラーメン用の麺は、鹸水(かんすい)を入れるのが特徴です。
礆水・鹻水・堿水・梘水・碱水とも書くのです。
鹸水は、中華麺やワンタンの皮などに食品添加物として加えるアルカリ塩水溶液です。
本来、天然成分としての鹸水は炭酸ナトリウムなのです。
しかし、食品添加物として販売されるものについては、炭酸カリウムやポリリン酸カリウムなど、他のアルカリ成分であっても、鹸水と表示することが認められています。
鹸とあるけれど、塩辛い義の「鹹」とは別です。
本草綱目に、「咸の音に二有り、音咸は、下を潤おすの味なり。音減は、塩土の名なり。後人?に作り?に作る是れなり」と記されています。
モンゴル、今でいう内蒙古で偶然、鹸水と呼ばれる塩湖のアルカリ塩水を使った製麺技法が発見され、麺類の伝播とともに日本にも広がったそうです。
日本に麺食を伝えた中国では現在、西北部の中心都市である甘粛省蘭州の名を冠した蘭州拉麺の名で知られる手打ち麺がよく知られています。
蘭州拉麺は全国的に食されているほか、鹸水の他にアヒルの卵などをも練りこみ、香港やマカオなど広東を中心に食べられている生麺など、鹸水は広く用いられています。
麺のコシを高めるために用いられるが、副次的要素として黄色みを帯びるなど麺の色調が向上する効果もあります。
このため、日本で製麺される中華麺には欠かせない成分です。
忌避される副次効果として、鹸水独特の臭気と苦味の発生がありますけどね。
またスルメのような乾物を、ほぼ生に近い状態に戻す時などにも使用されるのです。
実は鹸水には、麺のコシや色調以外の役割がありました。
麺を打つとき、グルテンができるのです。
鹸水には、ゆでる時に絡まったグルテンをほぐす効果があるというのです。
そのためにラーメンの麺には、汁が染み込みやすくなるのです。
しかもそれだけではなく、程よいところまでゆでると中ほどにグルテンの芯が残ります。
アルデンテも、程よくゆでると中ほどに心地よい歯応えが残る、似てますね。
パスタとソースには、相性があります。
例えばナポリではヴェルミチェッリと呼ばれるスパゲッティはトマトソースやミートソースと、リングィーニは魚介類と合わせることが多いそうです。
日本ではたらこ、納豆、梅、きのこなどを使った和風のソースも数多くありますね。
軽食として供されてきたナポリタンも、実は、日本生まれです。
ナポリタンって、日本生まれのイタリア風焼きそばだったの。
そうそう、ラーメンなんだけど。
パスタにも、スープパスタという方法がありますよ。
パスタを使ったミネストラ、つまりスープなのです。
カンパーニア地方では、いんげん豆、レンズ豆、ひよこ豆、グリーンピースなどの豆、じゃがいも、かぼちゃなどをパスタと煮たスープがよく作られるのです。
スープに入れたパスタは柔らかくなるまで煮込むのが普通で、アルデンテの状態で食べることはまずないです。
アルデンテの状態で食べることはまずない、ちょっと茹ですぎたラーメンみたい…。
まあ、そういわずに…。
スープに入れるパスタの形状は管状のパスタ、幅広のパスタ、パスタ・ミスタ、折ったヴァーミチェリまたはカペッリーニなど様々です。
具によって、好まれるパスタの種類が異なるのです。
例えば豆の入ったスープでは、豆が中に入るような管状のパスタが特に好まれるが、スープに入れるパスタの種類は地域によっても異なるのです。
パスタを使ったミネストラは、イタリアの他の地域にもあるでしょ。
いんげん豆とパスタのミネストラであるパスタ・エ・ファジョーリ(pasta e fagioli)はその最も一般的なものですね。
トスカーナ州ルッカ県では折ったラザーニェ、じゃがいも、トマトを煮込んだミネストラが作られているそうですよ。
スープ状のソースも、あるのでしょ。
ヴォンゴレは、 アサリの入ったものです。
白ワインベースのヴォンゴレ・ビアンコが一般的だが、トマトソースをベースにしたヴォンゴレ・ロッソもあります。
ペスカトーレ、マリナータに近いが、貝以外の魚介類は入らないですね。
マリナータという、白ワインベースの魚介類のパスタもあります。
スープ状のソースのパスタが、ラーメンの原点に近いのかしら。
でも、スープと一緒になったパスタがあるって、面白いね。
最近は、インスタントでもいろいろ出ています。
パスタソースには、他にも、いろいろありますよね。
オイルソースは、アーリオ・オリオ・ペペロンチーノ - ニンニク、オリーブオイル、赤唐辛子を使った最も基本的な料理法です。
そういえば、油そばってある。
油そばは、スープのないラーメンの一種で、日本で生まれた食べ方のようですね。
調味料を和えるラーメンであり、どんぶりの底にわずかに入った醤油やラードの入った濃いタレに、ラー油、酢などの調味料を好みでかけ、茹で上げた麺全体に絡めて食べるです。
具はメンマ、チャーシューなど少量で、店によっては油そばではなく、「もんじゃそば」、「まぜそば」、「手抜きそば」、「あぶらーめん」などと呼んでいます。
トマトソースは、おなじみのソース、ですよね。
アラビアータ - 怒りん坊風という意味で、トマトソースに唐辛子を混ぜたもの、カッカと熱くなることから。
アマトリチャーナ - アマトリーチェ風ということで、トマトソースに、玉葱、パンチェッタ、仕上げにペコリーノ・ロマーノを用いる。
プッタネスカ - 娼婦風だそうで、トマトに、オリーブとアンチョビとケッパーのパスタ。
ペスカトーレ - 漁師風の魚介類のパスタ、トマト風味の事が多いが白ワイン風味もある。
マリナーラ - 船乗り風の、トマト、ニンニク、オリーブオイル、オレガノが入ったマリナーラソースを使用したあっさり味のパスタだが、ナポリではプッタネスカのことをマリナーラと呼ぶことがある。
ミートソースといえば、ボロネーゼで、ボローニャ風の意味、いわゆるミートソースのパスタ。
クリームソースも、知ってるでしょ。
アルフレード - クリーム、バター、パルミジャーノ・レッジャーノから成るソース。
カルボナーラ - 炭焼き風と呼ばれ、卵黄、コショウを用いたソースと、油を出すように炒めたグアンチャーレまたはパンチェッタを使うけど、北イタリアでは生クリームは使われないことが多い。
バジルソースは、バジリコのソースってこと。
ジェノヴェーゼ - ジェノヴァ風で、普通は生のバジリコと松の実を主材料とするジェノヴァソースを使ったパスタをさすが、ナポリでは肉、玉葱、ニンジン、セロリで作ったソースをからめたパスタのこと。
ペスト・トラパネーゼ - トラーパニ風、トラパーニはシチリアの地方、松の実の代わりにアーモンドが入り、トマトが入っている。
その他にも、こんなソースがあります。
ケーゼ・シュペッツェレ-小麦粉・卵・塩バ・ター・ナツメグを入れたパスタ生地をすりおろし器で細分化し茹で冷水に浸し、コンソメスープ・チーズを焼きかき混ぜ完成となるドイツ料理。
ボスカイオラ - きこり風。キノコなど山の幸のパスタ。
ネーロ - 「黒」という意味の、新鮮なイカ墨入りのパスタ。
和風ソースは、さっき触れたから、良いでしょ。
え、まあ…。
こうしてみると、パスタ料理は餡掛け蕎麦のルーツみたいなところがあると思うけど、どうでしょ。
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