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北海道犬や琉球犬もヨーロッパから来たか。

北海道犬は、北海道原産の日本犬種です。

性格としては、飼い主に忠実、勇敢、大胆、怖いもの知らず、野性味が強い、我慢強い、粗食に耐える、寒さに強いなどが言われます。

1902年(明治35年)の八甲田雪中行軍遭難事件では、陸軍歩兵第5連隊の遭難者の捜索に活躍します。

正式名称の「北海道犬」は、1937年(昭和12年)定められました。

あわせて、戦前の文部省によって天然記念物に指定されます。

翌年、管理者として北海道庁が指定され、戦後は北海道教育委員会に管理が委ねられました。

北海道犬は、アイヌ犬とも呼ばれるです。

アイヌ犬の呼び名は、1869年(明治2年)、イギリスの動物学者トーマス・W・ブラキストンにより命名されることに由来します。

アイヌはこの犬をセタあるいはシタと呼び、ヒグマやエゾシカの狩猟、これに付帯・関連する諸作業に用いられました。

縄文時代初期、縄文人が東北地方から北海道へ渡る際に同伴した山岳狩猟犬であるマタギ犬が、北海道犬のルーツだと考えられています。

 そして、縄文人をたどるとアメリカやヨーロッパを経由してきたと見る方が自然でしたね。

縄文遺跡から骨が出るオオヤマネコも、その見方を裏付けるようにヨーロッパやアメリカにいるけどアジアでは聞きません。

弥生時代に入ると、日本に移住した渡来人によってもたらされた犬といわゆる縄文犬である日本在来犬との間で混血が始まります。

しかし、地理上の理由から、北海道では渡来系の犬の遺伝的影響は最小限にとどまり、縄文犬の血統が維持されました。

中型犬である北海道犬の特徴は、次の通りです。

三角形の小さな「立ち耳」。

目尻が吊り上がった、三角形の小さな目。

背中の上に巻いた「巻き尾」、あるいは半円状の「差し尾」。

硬く長い毛と、柔らかく短い毛の二重構造の被毛(ダブルコート)で、色は赤、白、黒、虎、胡麻、狼灰のいずれか。

舌斑を持つ個体が多い。

体高は、オス48.5~51.5cm、メス45.5~48.5cm。

体重は、20.5~29.5kg。

寿命は、15年前後。

最近の研究で、北海道の北海道犬と琉球犬は遺伝子的に非常に近い関係にあることが証明されています。

「琉球犬保存会」は、1990年(平成2年)設立されました。

さらに琉球犬は、1995年(平成7年)、沖縄県の天然記念物に指定されています。

北海道犬同様中型犬である琉球犬の特徴としては、これらがあげられています。

体高は、オス49~55cm、メス46~52cm。

体重は、15~20kg。

耳は、逆八の字状の小さな立ち耳で左右の間隔が広い。

目は、瞳の色は茶色もしくは青色。

尾は、半円形の差し尾。

被毛は、硬く短い毛の二重構造(ダブルコート)で、密生しておらず耐暑性に優れ、色は赤、白、黒、虎、焦げ茶等。

性格は、人なつっこい、縄張り意識が強い、暑さに強いなどがあげられるです。

たんに琉球とも呼ばれる琉球犬は、沖縄県原産の日本犬の犬種のひとつです。

沖縄県では琉球犬をトゥラー(虎毛の琉球犬)あるいはアカイン(赤毛の琉球犬)と呼び、イノシシ猟や鳥猟の猟犬として使役されたです。

トゥラーの場合その毛の色に応じて赤トゥラー(赤虎毛)、黒トゥラー(黒虎毛)、白トゥラー(白虎毛)と呼ばれるです。

琉球犬のルーツは縄文時代初期に、九州地方から沖縄方面へ渡った人々に同伴した、マタギ犬(山岳狩猟犬)と同系統の犬とされます。

弥生時代に入ると、北海道と南西諸島を除く地域には、渡来人とともに北方系の犬が流入しました。

本州の日本犬には、それらの犬の血が多く混じっています。

その一方で、北海道と沖縄県では大陸系の犬の影響はわずかで縄文犬の血統が維持されました。

その琉球犬に、ヨーロッパ犬に近い生物学的調査結果が出ています。

当然、北海道犬にもヨーロッパ犬に近い生物学的調査結果が出ています。

「生きた文化遺産“琉球犬”ブログ」http://okinawa-dog.seesaa.net/に、興味深い記事があります。

長いので、ちょっとはしょって紹介します。

イヌ血球ヘモグロビンには、「A型」「B型」「AB型」の3型があります。

ヘモグロビンの型は、ヘモグロビン(Hb)座上の共優性遺伝子HbAとHbBによって支配されています。

このうち、HbB遺伝子は、「アジアの犬種にのみ見出される」といいます。

HbA遺伝子は朝鮮半島の犬(珍島犬、済州島犬)に濃厚に検出されています。

日本犬には朝鮮半島から入ったと見られるHbA遺伝子は、日本の南端の“琉球犬”、北端の“北海道(アイヌ)犬”には、ほとんど浸透しませんでした。

HbA遺伝子の濃厚なランキング
1.エスキモー犬(100%)
2.珍島犬(約90%)
3.済州島犬(約70%)
4.三河犬(約50%)
5.山陰柴犬(約20%)
6.対馬犬群(約20%)
7.壱岐犬群(約10%)

HbB遺伝子の濃厚なランキング
1.ヨーロッパ犬種(100%)
2.ロシア犬種(100%)
3.バングラディシュ在来犬群(100%)
4.中国原産犬種(100%)
5.台湾在来犬群(100%)
6.西表島犬群(100%)
7.琉球犬・八重山系(100%)
8.屋久島犬群(100%)
9.四国犬(100%)
10.琉球犬・山原系(約98%)
11.沖縄本島犬群(約98%)
12.奄美大島犬群(約98%)
13.秋田柴犬(約98%)
14.美濃柴犬(約97%)
15.種子島犬群(約96%)
16.三重・南島実猟犬(約96%)
17.甲斐犬(約96%)
18.信州柴犬(約96%)
19.北海道犬(約95%)
20.紀州犬(約95%)
21.秋田犬(約93%)
22.三重・志摩実猟犬(約92%)

イヌ血球ガングリオシドモノオキシゲナーゼg型遺伝子(Gmog)についても、「生きた文化遺産“琉球犬”ブログ」に、データが載っていました。

Gmog遺伝子は、アジアの犬種だけに見出されます。

おそらく、北または北西アジア起源の遺伝子であり、朝鮮半島から入ったイヌによって日本列島に導入されたのではないかと思われます。

 日本人に見られるバイカル湖畔からの遺伝子と合わせると、面白いね。

Gmog遺伝子は、イヌ血球ヘモグロビンA型遺伝子(HbA)と同様に、北海道(アイヌ)犬には全く浸透せず、琉球犬にはほとんど浸透していません。

Gmog遺伝子の少ない犬種順ランキング
1.ヨーロッパ犬種(0%)
2.ロシア犬種(0%)
3.北海道犬(0%)
4.琉球犬・山原系(約1%)
5.琉球犬・八重山系(約1%)
6.エスキモー犬(約1%)
7.秋田柴犬(約2%)
8.台湾在来犬群(約3%)
9.三重・南島実猟犬(約4%)
10.バングラディシュ在来犬群(約4%)
11.対馬犬群(約4%)
12.種子島犬群(約5%)
13.秋田犬(約5%)
14.沖縄本島犬群(約6%)
15.壱岐犬群(約6%)
16.屋久島犬群(約10%)
17.三河犬(約10%)
18.中国原産犬群(約12%)
19.山陰柴犬(約12%)
20.奄美大島犬群(約15%)
21.信州柴犬(約15%)
22.美濃柴犬(約20%)
23.西表島犬群(約22%)
24.紀州犬(約25%)
25.甲斐犬(約30%)
26.済州島犬(約33%)
27.三重・志摩実猟犬(約45%)
28.四国犬(約55%)
29.珍島犬(約60%)

いかが。

 北海道犬、琉球犬、そして秋田犬も、ヨーロッパに遡ると見ないと説明できない結果ね。

そして他の地域も、アジア由来の血が混ざっているものの、基本はヨーロッパ由来と見ないと説明が難しいでしょ。

 やはり、秋田美人の美白は、ヨーロッパ由来と見た方が良い訳ねえ。

そうなるでしょうね。

さらに、日本の犬は基本的にスピッツタイプとされます。

日本では、スピッツ系の品種の1つである日本スピッツを特に指してスピッツと呼ぶことが多いです。

スピッツは、犬の系統の1つで、複数の品種を含みます。

米国UKC(United Kennel Club)の分類法では北方犬種(Northern Breeds)とされています。

シュピッツとも発音されるスピッツ(Spitz)とはドイツ語で「鋭利な、尖った」という意味で、口のあたりや耳の尖った形からこのように呼ばれました。

口のあたりや耳の尖った犬の系統であるスピッツは、古い犬の特質を色濃く残す犬種なのですよ。

 そして、日本の在来犬種はすべてスピッツ系でしょ。

日本人に、古い時代の中東の遺伝子が残ることと合わせると、犬までが古代の生き残りってことなのでしょうか。

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