感情に流された議論に気を付けたいものです。
捕鯨について、価値観でいろいろ議論があることは承知しています。
生態系に人も参加してきた以上、それをやめることはできないのですよ。
反捕鯨は、大半が感情論ですね。
反論してる捕鯨派にも感情的反論は多いから、あまり反捕鯨論のことばかりいえないでしょ。
そうですね。
乱獲はもちろんいけません。
欧米人は、自分たちが鯨油目当てに乱獲したものだから、他の人たちも乱獲していると思い込んでいる。
乱獲していたら、古代からの捕鯨を続けることなど不可能であることなど、考える意思もないのでしょうね。
自分たちの価値観を絶対視して、思考停止していますよね。
しかし参加してきた生態系から手を安易に引けない以上、実態を科学的に把握し、必要に応じて禁漁や禁猟も含めた規制は当然すべきです。
実際、減少が問題視された種類については、捕鯨の対象から外してきましたよね。
捕鯨をやめた間に、どれだけ増えたかを調査する必要があるのは、当たり前です。
そして、鯨の数量を適正に抑えるためには、一定量の間引きも必要になるでしょ。
自然界の間引きは、事故死、病死、そして捕食によってなされます。
人が生態系に参加する基本も、捕食です。
これは、誰が何と言おうが、普遍的真理ですよね。
オーストラリアのカンガルーは、政府が適正な頭数を維持するように管理されています。
どうするかと言えば、やり方はズバリ、猟です。
だが、ヨーロッパ人から可哀そうだからやめろという声は聞こえません。
なぜかと言えば、ヨーロッパに食肉として輸出されているからです。
そして、オーストラリアでは古代から先住民の蛋白源ですよね。
近年では、中国もオーストリアからカンガルー肉を輸入しているようですね。
ニューヨーク・タイムズ紙は、カンガルーの中国輸出計画についての興味深い記事を掲載していたそうですよ。
なるほど、アメリカ人もカンガルー食べているから可哀そうという気分にならないで、オーストラリアに文句言わないのね。
世の中、そんなもんですよ。
ほとんどの人は、無意識のうちに自分の価値観を絶対視したがるのです。
輸出促進を訴えるオーストラリア・カンガルー産業協会のジョン・ケリー事務局長は「中国には野生動物を料理に使う伝統がある」と同紙にコメントしているといいます。
「カンガルーはヨーロッパ市場で受け入れられたのと同じように、中国の伝統にもぴったりフィットするだろう」とまで言っているそうです。
カンガルーの狩猟枠を消化して、カンガルーの個体数を管理するためにせっせと輸出しているのです。
現に食の安全性に関するトラブルで、カンガルーの狩猟枠消化が危ぶまれる事態が起きたことがあります。
2007年7月、ロシアは食の安全性に懸念があるとしてカンガルー肉の禁輸をしました。
だが、同じころヨーロッパの輸入は止まっていなかったようです。
とはいえオーストラリアの農家は、ロシアのカンガルー肉輸入禁止によって、野生のカンガルーの数が急増することになり、生態系や牧畜産業に打撃を与えることになると懸念したと言います。
もし、捕鯨を全面的にやめるなら、シャチの捕食で間引きしきれない鯨類の魚食によって、世界の漁業は大打撃を受ける事態を覚悟する必要がありますね。
魚食は、今や世界食となりつつあり、水産資源は世界的な争奪戦の舞台となりつつあります。
当然国際ルールを作らないことには、乱獲のために枯渇する懸念があるのです。
そこに、増えた鯨類が参入すれば、どうなるでしょうね。
鯨を間引きしないと、水産資源が危ないという展開にならないと、反捕鯨の人たちは保証できるでしょうか。
森も、樹木を守るためには狼の代わりに漁師が鹿などを間引きしないといけない事態になっています。
狼を危ないからと滅ぼしたつけを、今深刻な形で払っているわけですね。
私は、ある特定の国や地域や時代の価値観に振り回されない、持続可能な地球環境に責任を持てる取り組みを科学的にすべきと、言いたいだけなのです。
生態系において、ある種が撤退するのは絶滅した時だけです。
捕鯨は、太古の昔から行われてきました。
つまり、人はシャチと並ぶ鯨類の捕食者として生態系に参加してきたのです。
もし人が手を引けば、鯨類の捕食者はシャチだけになります。
言い換えれば、鯨類の捕食者としての人は、海の生態系では滅んだのと同じことになる。
シャチの繁殖能力は低いので、人が手を引けばシャチだけで鯨類の数量を抑えることは不可能でしょう。
当然、鯨類によるオキアミや魚の捕食量が増え、生態系全体のバランスは崩れるでしょうね。
結果として多くの鯨の餓死による、調整が起こるでしょうね。
つまり、鯨の数量制御にとっては、餓死によるか、捕鯨によるかの差しかないのです。
ならば、古代から続く生態系を維持してダメージを減らすほうを選ぶべきではないでしょうか。
可愛いから殺すな、なんて感情論は環境保護にとって有害でしかないのですよ。
2011年3月、東日本で大震災が起きました。
多くの人は、自粛だと言って花火大会開催を見送りましたね。
結果、再起をしたいと頑張っている東北の花火業者は、収入の大半を占める夏の需要を失い絶望に叩き落されています。
雇用を守れない、廃業しかないのかと、肩を落としているようですね。
花見を自粛する人たちが大勢いたために、東北の酒造業者は再建の出鼻を挫かれる格好になったと言います。
ようやっと、支援しようとする人々が、東北の酒をはじめとする産品を購入する動きが出てきましたけどね。
でも、日常的に消費してこそ、本当の支援ですよね。
もっともらしい議論を感情的に展開する人々の主張があまり幅を利かすと、世の中ろくなことになりませんね。
もっと、理性的に判断して行動するように心がけたいですね。
理屈ばかりじゃ、味気ないし、窮屈なのも、確かですけどね。
追記
もちろん、花火大会を例年通り開催する場所も少なくありません。
日常を取り戻す、被災地を元気づける、などが理由なようです。
自粛の理由が感情なら、開催の理由も感情かも知れません。
だが、自粛をした方が良いという声を、速やかに復興したいという気持ちが上回ったのは、やはり、自粛を続けると復興が遠のくという冷静な判断が勝ったということでしょう。
経団連の集計によると2011年の賞与は、震災響き冬季減額も有り得るものの、夏は2年連続増だそうなので、自粛を続けると賞与減の予想が的中する可能性が高まります。
その点からも、開催決定は素晴らしい判断と思います。
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