最中を食べるとフランスが見える?
最中とは、餅から作った皮で餡を包んだ和菓子の一種です。
最中の皮種は、いろいろと使われますね。
ウエハースの代わりとして、アイスクリームなどを包む。
懐中汁粉も、入ってる。
皮種の片側をタルト生地の代わりにして、アーモンドなどを詰めた洋菓子風の菓子になっていたりする。
機械等でも、2枚の外装を左右あるいは上下に貼り合わせた構造を、外装を皮に、内部機構を餡に見立てて「モナカ構造」といいますね。
台湾でも、最中ってあるでしょ。
20世紀の初頭、日本による統治が50年間続いた台湾には、和菓子の製造技術も伝えられたため、現在も地元の菓子店で草餅、最中、羊羹などの製造が行われています。
台湾で最中は最中(ツイチョン)とか、最中餅(ツイチョンピン)と呼ばれていますね。
台湾の最中は、小豆餡の外に、蓮の実餡のものも一般的ですね。
台湾には、黒糖を使った餡や、コーヒー餡を使った最中もあるそうですね。
台湾の最中は、皮種の形状は、伝統的な円盤型のものが多いが、店によっては貝殻型などの個性的なものを作っている場合もありますね。
日本でも、電車とかいろいろな形の皮種がありますよ。
路面電車を模った東京都の「都電もなか」、神奈川県湘南地域の「江ノ電もなか」、大阪府堺市の「ちんちん電車もなか」などですね。
乗り物を模ったものでは、富士重工業の自動車を模った、群馬県太田市の「スバル最中」、二輪レースで有名なモリワキのモリワキ最中など、いろいろありますね。
モリワキ最中は、モナカ管を模した受注生産の最中だそうですね。
なぜ、円盤型が伝統的かというと、名前の由来と関係があります。
拾遺和歌集の巻3、秋171にある源順の句から、最中の名前が出ているのです。
池の面に照る月なみを数うれば今宵ぞ秋のもなかなりける
この歌を知っていた公家たちが、宮中で行われた月見の宴において白くて丸い餅菓子が出されたのを見て、会話の中で「もなかの月」という言葉が出たことから、そのまま菓子の名前として定着したといいます。
江戸時代に考案された最中の原型も、この話に基づいて生み出したといわれます。
菓子の名前も話そのままに「最中の月」と命名されたが、後に円形でないものが出回り始めた後は、単に「最中」と称されるようになりました。
餡に栗、求肥や餅などを入れた変わり最中もあります。
皮の部分は、元が菓子だったことから特別に「皮種」と称されています。
最中の原型は、もち米の粉に水を入れてこねたものを蒸し、薄く延ばして円形に切りそろえたものを焼き、仕上げに砂糖をかけた、干菓子といわれています。
干菓子は乾菓子とも書かれ、水分の少ない乾燥した和菓子の総称です。
それにたいして、生菓子とは、水分の多い、主として餡とあん類を用いた菓子で、餅菓子、饅頭まんじゆう、羊羹など、和生菓子と洋生菓子のことです。
干菓子は、定義に従えば、落雁や雲平、有平糖、煎餅、八ツ橋などが含まれます。
ほかにも、金平糖、金華糖、生姜糖、和三盆、おこし、甘納豆、五色豆、などがあります。
干菓子という用語から、煎餅や八ツ橋などが想起されることは少ないですね。
特に、八ツ橋は生八ツ橋があったりしますからね。
干菓子は、落雁や和三盆など、砂糖や麦粉など粉状の材料を成型して作る和菓子を総称することもあります。
干菓子は、供物や茶の湯、冠婚葬祭用として発達し、打物菓子や雲平細工、有平細工など、さまざまな技巧が施されるようになりました。
普段は懐中に入れ、口寂しい時に食べる菓子としても親しまれてきました。
干菓子が水分20パーセント以下なのに対し、水分30~35パーセントのものは半生菓子として区別します。
最中、州浜、石衣、干琥珀などは、半生菓子です。
最中は、もともと、もち米の粉に水を入れてこねたものを蒸し、薄く延ばして円形に切りそろえたものを焼き、仕上げに砂糖をかけた干菓子だった。
「もなかの月」と呼ばれた干菓子に餡を挟んだ菓子が江戸時代に考案されたが、その後も餡を挟む方法に改良が加えられ、明治期以降に現在の形の皮が完成しました。
この皮種で餡を挟んだ最中が、やがて全国的に広められていき、現在では各地で色々な種類の最中が銘菓として売り出されています。
現在の製法は、皮種については生地を薄く延ばすところまでは原型と同じです.
現在は生地をローラーにかけて薄さ数ミリまでに延ばし、一定の形に切りそろえた後、皮種専用の焼き型で両面同時に焼いていくと、 餅の澱粉が膨らんで焼き型からはみ出る程まで広がり、軽くて歯触りの良い皮種ができあがります。
もち米の粉に水を入れて熱し、それを練ったものを管に通して焼き型にそそぎ込み、直接加熱プレスして皮種を作っていく製法もあり、これにより多彩な形の皮種を作ることも可能になったでしょ。
皮種は一般的に種屋と呼ばれる和菓子材料の専門業者が製造しており、和菓子店へ提供しています。
ごく一部の和菓子店では、最中皮の製造も行っているようですね。
餡については、アズキなど色々な種類があります。
最中の餡は、皮種が湿気を帯びるのを避けるべく水分の含有率を下げており、その分、砂糖の量が多めとなっていることから、照りや粘りが強いです。
この餡を2枚の皮を合わせた状態で隙間がなくなる程度に1枚の皮種へ盛り付けていき、最後に餡を封じる皮種を揃えかぶせて完成となります。
形状もさまざまで、中には皮種がとじ切れないほどの餡を盛り込む横浜市の「喜最中」のように、常識的な最中の形から外れるものもあります。
宮城県では、仙台市に本店のある「白松がモナカ」「寿の三色最中」の2ブランドが名物ですね。
テレビCMだけでなく屋外広告なども盛んに行っているほど宣伝に力を入れています。
ところで、なんで最中の話題ですか。
出来立ての最中は、皮種がパリッとしてしっとりした餡との食感の対比がはっきりしてます。
皮種が湿気るのを避けるために、販売時には餡と別にしておき、食べる時に消費者が餡を詰められるようにした商品もあります。
皮がパリッとして、中がしっとり。
皮付の肉料理は、まさに、そうでしょ。
鶏のクリスティアンは、グリルした鶏のカリカリした食感を味わうわけですね。
フランス人は、鶏のクリスティアンを取り合いするほど好きだそうです。
鮭の皮付の切り身も、皮が多少カリッと仕上がっている方が、美味しいですね。
餅も、肉の食感に似ているから、外をパリッとして中がしっとりもちっと焼きあがると美味しいです。
汁粉や善哉に上手に焼きあがった餅が入っていると、嬉しい。
最中の皮種は、上手に焼けた餅に似てるわけですね。
カリッと焼けた皮を楽しむといえば、北京ダックもそうでした。
カリッと焼けたと言えば、煎餅もそうですね。
煎餅とは、穀物の粉を使って作る食べ物の一つで、多くは薄い形状をしています。
日本では焼き菓子の一種で、平たい形状のものをいう場合が多いですね。
中国では、小麦粉、粟、緑豆などの粉を水で溶いて、鉄板上に広げて焼いた一銭洋食に似た食品をいいます。
一銭洋食は、水に溶いた小麦粉を鉄板で焼き、ネギなど乗せて焼いた鉄板焼き料理です。
「一銭定食」、「壱銭焼き」、「キャベツ焼き」とも呼ばれるでしょ。
煎餅の煎とは鉄板で焼くことで、薬などを煎じるのとは違うので間違えないでください。
餅の原料には、小麦粉、粟、緑豆、米、芋などがあります。
中のしっとりさを残して焼くと、肉でいえばレアやミディアム。
カリッと焼くと、北京ダック。
餅の焼き方は、まさに、肉を連想できますね。
餡を詰めた最中は、餅や肉の食感を再現した菓子といえる。
そうなるでしょうね。
江戸時代登場した最中の原型は、北京ダックより、鶏のクリスティアンに似ている。
そして、鶏のクリスティアンのカリカリした食感はフランス人の好物ですよ。
アメリカで見つかったアイヌに似た古代人骨から、フランスやスペインの様式の鏃が出てる。
縄文人の特徴を再現したら、フランス人にそっくりな人がいるタレントに似てしまった。
東北弁の響きは、フランス弁に似ている。
そして、縄文人は日本の先住民ですよ。
日本の食文化、フランスとの類似も探せばまだまだ、ありそうですね。
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