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原子と宇宙に相似形は見えるか。

液滴模型(Liquid drop model)とは、原子核の性質を記述するモデルの一つです。

液滴模型は、ニールス・ボーアとその共同研究者達によって1930年代に発展しました。

原子核の性質を、形に注目すると核構造ということになります。

 原子核は、単なる核子の寄せ集めではなく、何らかの構造を持っている。

 液滴模型が構造についてのモデルの一つということは、別のモデルもあるわけですね。

殻模型というのも、ありますよ。

でも、まず液滴模型から話をしますね。

原子核が安定で唯一な自己束縛系であることは、結合エネルギーと密度の飽和性に由来するものです。

すなわち、核物質を一種の液体と見なすことができるのです。

 それは古典的なものではなくフェルミ液体とも、量子液体とも呼ばれる状態ですね。

原子核を液滴と考えると、表面振動の結果として励起状態を解釈することができます。

液滴模型では、殻模型での一粒子運動では説明できない集団的な励起振動状態を、うまく説明することに成功しました。

変形核や核分裂現象が、陽子・中性子からなる液体の表面張力とクーロン反発力のバランス、という観点から研究されたのです。

そして、当時の原子核の実験的データをそれなりに説明し、成功を収めました。

ところが液滴模型は、1940年代に原子核が安定に存在する為の「魔法数」の存在が知られる様になると、説明する事が出来なかったのです。

魔法数はその後、量子力学を考慮した殻模型によって説明されました。

 量子力学を考慮ということは、波動性を考えに入れるということでしょうか。

単純には言い切れないけど、そういうこともあるかもしれません。

原子核の周りの電子の運動は、「殻」という概念を通して理解できるが、原子核の性質も、この「殻」を通して理解することができるのです。

原子核の性質を「殻」を通して理解することができるのは、核子がポテンシャルの中で一粒子運動をしているという描像が成立することを意味しています。

核子間にはたらく核力は強い相互作用であるため、核子の運動が一粒子運動で記述できることは矛盾しているようにみえます。

核子がパウリ原理がはたらくフェルミ粒子であることと、核力が核子の平均自由行程にくらべ短距離力であることからこの矛盾を克服することができます。

パウリ原理は、パウリの排他原理ともよばれ、2つ以上の粒子が全く同一の量子状態を持つことはできないということです。

このパウリ原理が働くフェルミ粒子は、物質の構造にかかわるものがほとんどです。

パウリ原理が働かない粒子はボース粒子といい、1つの体系内であっても同一の量子状態をいくつもの粒子がとることができ、エネルギーにかんするものが多いです。

核子が他の核子が作る平均的なポテンシャル、つまり平均場の中を一粒子運動をしているという立場から1949年、ゲッパート=マイヤーとイェンセンによってスピン・軌道力を導入したポテンシャルにおける一粒子運動を通して原子核の魔法数を説明することに成功しました。

 魔法数は、電子の「殻」を通して現れる希ガスの存在に対応するのでしょ。

希ガスは、原子における最外殻電子が閉殻となっているため化学的に非常に不活性であるガスです。

魔法数とは、原子核が特に安定となる陽子と中性子の個数のことです。

 魔法数も希ガスもどちらも、一定の法則で現れるわけですね。

ちなみに、陽子数または、中性子数が魔法数である原子核を魔法核と呼びます。

この殻模型の成功を機に、核構造物理学という新しい分野を開くことになるのです。

この平均場近似の概念を発展させたものが、集団運動模型です。

平均場近似と集団運動模型は、ほぼ同義です。

だが、殻模型は表面振動など原子核の集団運動の効果を取り入れる事は困難でした。

それで、液滴模型を主に、殻模型の効果を補正として取り入れる殻補正法が核分裂などを研究する為に用いられることになります。

 液滴模型を主に、殻模型の効果を補正として取り入れる殻補正法ですか。

 一粒子運動というところは、どうも気になりますね。

 一粒子、つまり一塊となって運動するということでしょう。

どことなく、地殻天体の構造を連想できそうですね。

現在、シェルモデル(shell model)計算と言えば配位混合による計算を指し、平均場近似とシェルモデルとは物理の内容が異なると言います。

シェルモデルだと平均場近似では無視した多体相関が入っているため、新しい実験値等をよく説明することができるとも言っています。

おそらく平均場近似では内部まで硬いとみなすことになるが、現実には配位混合だの多体相関だのと言いますからね。

液滴模型を主に殻模型の効果を補正として取り入れる、つまり外はある程度硬いが中は液状ということでしょうね。

 そうなると、原子核と天体、原子と太陽系あるいは衛星を伴う天体、という相似形が見て取れそうですね。

数学でいうフラクタル、弁証法哲学でいう世界の階層性、ということになるでしょうね。

電磁力と重力の式は形式が似通っていることと、磁気で重力制御が可能であることも、世界の階層性で説明出来るかもしれません。

やはり、プラズマ宇宙論の方に分があるようにみえますね。

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