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赤ちゃんで生む恐竜の仲間がいた。どこへ向かうか、恐竜研究。その8

朝日新聞に、この記事がありました。

首長竜の「クー」、赤ちゃん産み子育て? 米チーム研究
http://www.asahi.com/science/update/0812/TKY201108110642.html

プレシオサウルスの母親と胎児の化石=米ロサンゼルス自然史博物館提供

プレシオサウルスが赤ちゃんを産む様子の想像図=米科学誌サイエンス提供

(C)1993Coo製作委員会

 プレシオサウルスという首長竜の仲間は、卵ではなく赤ちゃんを産み、群れで暮らしながら子育てをしていたかもしれない。

化石になった身重の母親を調べた米国の研究チームがそんな論文をまとめ、12日の米科学誌サイエンスに発表する。

 プレシオサウルスは恐竜のいた時代に海で暮らしていた爬虫(はちゅう)類。

景山民夫さんの直木賞作品で、現代に生き残ったプレシオサウルスの子「クー」を少年が育てる物語「遠い海から来たCOO(クー)」に登場。

アニメ映画にもなった。

 チームが、米カンザス州の7800万年前の地層から掘り出された化石を調べたところ、母親の腹の部分から胎児とみられる骨も見つかった。

胎児は1頭。

母親の体長は4.7メートル。胎児は少なくとも1.5メートルで、比較的大きかった。

 海で暮らす古代の爬虫類には、卵でなく赤ちゃんを産んでいたとわかっている仲間もいるが、産むのは1度に複数。

大きな赤ちゃんを1頭だけ産むという特徴は、むしろシャチや小型のクジラなど、群れを作って子育てをする現代の生き物に近く、チームは「同じような暮らしぶりだったかもしれない」と推測している。

(小宮山亮磨)

恐竜の仲間にも、子育てをする話があります。

だが、卵生がほとんどです。

子育てをして、しかも、赤ちゃんを産む話はこれがはじめてです。

 体毛があると見られる恐竜は、すでにかなりいる。

さらに、赤ちゃんで産むとなれば、恐竜を爬虫類に分類し続けるのは、相当無理があります。

 赤ちゃんで産む鳥、聞いたことない。

 恐竜と鳥の比較で、収まる話じゃないよね。

以前、この記事に注目しました。

ニワトリの指に恐竜の名残 鳥類・獣脚類説を裏付け
http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011021001000591.html

 ニワトリの翼に存在する3本の指の骨は、ヒトの場合の親指と人さし指、中指に相当し、祖先とされる恐竜の獣脚類の前脚と同じ形態だとする研究成果を、田村宏治東北大教授(発生生物学)らのチームがまとめ、11日付の米科学誌サイエンスに発表した。

 従来、鳥類の指は人さし指と中指、薬指の3本と考えられており、獣脚類から進化したとする説では説明がつかない矛盾点として残っている。

 今回の発見は、この矛盾を解消する成果。

チームは「鳥類の恐竜起源説の正しさを支持する決定打ともいえる」と強調。

田村教授は「150年間の論争に終止符を打つ」としている。

 鳥類は四肢動物に属し、翼が前脚に相当、指の骨が3本ある。

一方、獣脚類は前脚に5本の指があったが、進化の過程で薬指と小指が退化。

3本の指となったことが化石から分かっていた。

 チームは、卵の中でニワトリの指が形成される過程を、3本のうち最も外側の指に着目して詳しく調べた。

指のもととなる軟骨が、初期には薬指の位置にあるが、発達とともに次第にずれ、どの指になるかが決定する段階では中指の位置に移動することを発見した。

 さらにこの指は、マウスの中指の作られ方と一致することも判明。

3本は中指と、人さし指、親指と判断した。

 約150年前に見つかり最古の鳥とされる始祖鳥の場合も、恐竜と指が似ていることから、現存する鳥類と指の形態が異なるのかどうか議論が続いていた。

2011/02/11 04:02   【共同通信】

こういう内容です。

この記事の、「さらにこの指は、マウスの中指の作られ方と一致することも判明。」の一文は、多くのメディアは無視しました。

 これ、無視したらまずいって、話題にしましたね。

 マウスは、哺乳類でしょ。

こんなに早く、予想が当たるとは。

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コメント

首長竜は恐竜ではないので、恐竜は卵を産みませんね。
あと、鳥類は爬虫類だという説もあれば、恐竜は爬虫類じゃなく恐竜類だとする説もあるらしいです。

投稿: | 2016年2月19日 (金) 16時50分

翼竜や魚竜・首長竜は通俗的に恐竜に分類されるが、厳密には区別されていることは知っています。

とは言え今回の議論には本質的なところで影響しないと判断して、あえてこう言う展開にしました。

それと、恐竜と鳥類と爬虫類の境目が実はかなりあいまいなことも知っていますし、ミルクに注目すると哺乳類と鳥類も境目が揺らぐこともわかっています。

投稿: cova | 2016年2月20日 (土) 12時48分

最初のコメの者です。鳥類のミルクはそのう乳といわれるものですね。鳥類と哺乳類は進化論(が正しいとすれば)上は繋がっていないので、結びつけて考えるのは難しいかもしれません。ですがどちらも恒温動物だという点では共通しています。
恐竜も恒温動物とされます。なので、恐竜は爬虫類から進化したものの、爬虫類とは別物になると思います。また首長竜も温血または半温血だといわれています。

投稿: 1 | 2016年2月21日 (日) 13時58分

鳥類と哺乳類は、ともに爬虫類から進化と見られていますね。

とはいえ、単弓類については哺乳類型爬虫類とも爬虫類型哺乳類とも呼ばれ、爬虫類と哺乳類の境目を揺るがしています。

鳥と恐竜、爬虫類と哺乳類、さらに、ミルクによって哺乳類と鳥類の境目さえも揺らいでいるわけです。

カモノハシは卵生で嘴と水かきがありながら授乳によって哺乳類に分類されました。

鳥もそのうミルクなどだすとなれば、ほとんどの鳥類はそのうを持ってますし、恐竜にも確認されているのでミルクを出してなかったと見る方が不自然です。

今後の展開が、さらに面白くなると思いますよ。

投稿: cova | 2016年2月22日 (月) 09時31分

単弓類から進化したのが哺乳類、恐竜から進化したのが鳥類と考えるとよいと思います。
恐竜のミルクに関しては、仰る通り十分ありえると思います。
また、カモノハシは驚くべきことに鳥類と哺乳類と爬虫類の遺伝子を持っているそうです。鳥類は性染色体の遺伝子がカモノハシと共通したものを持っているらしいです。

投稿: 1 | 2016年2月22日 (月) 20時38分

生物の世界は、まだまだ、奥が深いですね。

カモノハシ竜として知られるハドロサウルス科がいます。

彼等も、カモノハシみたいになにか面白い事が見つかるんでしょうかね(笑)

投稿: cova | 2016年2月24日 (水) 10時16分

新種の、恐竜なのにムササビと共通の部分もコウモリと共通の部分もある翼を持つ、イーチーも不思議な存在ですね。

投稿: 1 | 2016年4月 5日 (火) 17時23分

鳥と恐竜と哺乳類、ますます面白くなってきましたね。

投稿: cova | 2016年4月10日 (日) 17時52分

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