エストニア
エストニア語でEesti Vabariikと名乗るエストニア共和国の略称は、Eestiです。
ちなみにエストニアの公式の英語表記はRepublic of Estoniaで、略称Estoniaですね。
通称をエストニアといい、ヨーロッパ北東部の共和制国家で、バルト海東岸に南北に並ぶバルト三国の一つです。
南にラトビア、東にロシアと国境を接し、西はバルト海、フィンランド湾に面しています。
エストニア・ソビエト社会主義共和国だったが、ソ連からの独立後、国内に残ったロシア人の問題と国境問題を抱えています。
エストニアの首都は、タリンです。
タリンとは、エストニア語で「デンマーク人の都市」という意味です。
タリンの名は、エストニアの歴史を反映しています。
現在のエストニアにあたる土地には、紀元前500年頃にはウラル語族のエストニア族と呼ばれる民族集団が居住していました。
東方から到来したスラヴ人と混血し、さらにはヴァイキングの襲来によってノルマン人とも混血が進み、10世紀までにはいまのエストニア民族が形成されていきました。
13世紀に入るとドイツ騎士団がバルト海沿岸に進出し、デンマーク王国の協力を得てこの地を征服し、エストニア人をキリスト教化しました。
デンマークの支配のもとタリンはハンザ同盟に加盟し、海上交易で栄えました。
エストニア語で「デンマーク人の都市」を意味するタリンとなった経緯はこうです。
1050年に、トームペアに最初の要塞が建設されます。
13世紀初頭には、ドイツ騎士団とデンマーク王らによる北方十字軍により、ロシアとスカンジナビア結ぶ軍事戦略地点として大いに着目され、ノヴゴロドと西欧を結ぶ中継貿易で繁栄を築きます。
1219年、デンマーク王バルデマー2世が十字軍を率いて侵攻し、ここにトームペア城を築きます。
これにより、タリンというエストニア語で「デンマーク人の都市」を指す名前で呼ばれることになるのです。
タリンは、1285年にはハンザ同盟に加わりました。
ハンザ同盟都市としては、最北に位置します。
1346年デンマークは、タリンなどバルト海東海岸地域の植民地を銀貨13,000マルクでドイツ騎士団に売却し引き上げます。
そして、タリンの名前だけが残った。
20世紀になるまでドイツ人の影響が残るが、1561年、ドイツ騎士団は解体されます。
1583年、エストラントに営まれるエストニアはスウェーデンに割譲され、その後、現エストニアのリヴォニア北部も支配下に入ります。
1710年、大北方戦争によりロシア帝国の支配下に入ります。
その後はバルト海の要衝としてポーランド王国の支配を受け、さらにスウェーデンがこれを退け、新たな支配者となります。
1560年代から1711年までを「バルト帝国」時代と後年呼ばれるけど、1561年にはエストニア公国が建国、1721年のニスタット条約で解体するのです。
大北方戦争の結果、1712年にはロシア帝国がこのエストニアを獲得し、「南下政策」を標榜するロシアにとっては重要な「バルト海の窓」となっていきます。
19世紀には、アレクサンドル3世のもと「ロシア化」が推し進められました。
独立をレーニンのロシア革命で手にするも、スターリンによって再びソ連邦編入と言う形で失いました。
現在は独立を取り戻しているけど、今回はエストニア人とは何かを考える心算なのでこれ以上深入りしません。
「シア」「シャ」のある地域から始まって、“ia”“iya”の音が入る国名や地域名、民族名や部族名と日本との奇妙な繋がりを注目してきました。
エストニアもエストニア語でEesti Vabariikだけれど、公式の英語表記はRepublic of Estoniaなので気になっていました。
現在のエストニアにあたる土地には、紀元前500年頃にはウラル語族のエストニア族と呼ばれる民族集団が居住しています。
ウラル語族の多くの言語の特徴として、これらがあげられます。
母音調和を行うこと。
膠着語であること。
後置詞言語である。
双数がある。
語順は東部は主にSOV型、西部は主にSVO型。
双数形は両数形とも呼ばれる、印欧語またその他の言語において、語形の変化によってとりうる名詞の諸種の形のうち、名詞が二つのものを表す場合にとる形です。
その二つのものを表す名詞が主語である場合に、その名詞に呼応してとる動詞の形でもあります。
印欧語では、一般に名詞は性、数、格の三つの属性を持ち、数と格によって形を変えます。
そのとき数について、言語によっては名詞が1つのものを表す単数形、名詞が2つのものを表す双数形、単数・双数以上つまり3つ以上のものを表す複数形という3つのパターンがあります。
また双数形のない言語もあります。
ウラル語族の中にはサーミ語、およびサモイェード語派の言語では、人称代名詞、所有接辞、動詞の活用に双数形があり、ウラル祖語にも同様の双数形があったとみられています。
この双数が見つかる言語とそれを話す民族については、改めて考える必要がありそうです。
気になる民族が、あるわけですね。
そういうことです。
ウラル語と言えば、日本語も分類されるのではと言う議論が出たことがあります。
フィン・ウゴル語派に属するバルト・フィン諸語であるフィンランド語を話すフィンランド人は、日本人と遠縁の可能性が見つかりますね。
エストニアには、エストニア人から始まり、デンマーク人、ドイツ人、スエーデン人、ポーランド人、ロシア人と様々な国や民族が関わってきました。
そのため、エストニアの文化を日本と比べるにはかなり注意が要ります。
食文化は生活の木本なのでどういう好みなのか、比べると面白いでしょうね。
バルト沿岸諸国としてドイツ料理の影響を強く受けているが、後の支配者であるスウェーデン料理の影響も強く、長くスウェーデンの支配下にあった同じフィン・ウゴル語派の隣国フィンランドと似通った食文化を共有しているといいます。
フィンランド料理との相違点としては、ドイツの影響を受けてビールを使った料理が好まれることがあげられています。
料理の嗜好にとどまらず、フィンランド人に比べてエストニア人は酒好きと考えられています。
エストニアと他のバルト沿岸の国家との違いは、魚類を好んで料理に使うことで、特に、イワシは主要な食材の一つだそうです。
魚好きですか。
バルト海に面しているため、ニシンやウナギ、カレイ、ヒラメなどの魚の料理も食べられているそうです。
そして酒好き、これは、気になりますね。
日本全国酒飲み音頭なんて流行ったこと、あったでしょ。
煮込む料理が多く、牛乳とジャガイモは欠かせないというのも、面白いですね。
エストニアは、冬が長く寒い、北ヨーロッパのバルト三国のひとつなので、ロシアなど周辺の国と同じように、シチューや、ローストした肉など、比較的こってりとした食べ物が多いそうです。
ローストと言うと洋風に聞こえるけど、炙り焼きや蒸し焼きのことです。
炙り焼きや蒸し焼きは、日本でも歴史が古い調理法ですよ。
炙り焼きと言えば、日本では七輪だけど、原型は古代にまで遡ります。
土間や野外などに直接置いて火床を囲う程度の持ち運び可能な土師製の炉は古代よりあったものと考えられるが、高床式木造建築の内部に持ち込み、屋内での使用に堪えうる「置き炉」としては平安時代のものが確認できるようです。
元は香炉や祭壇など宗教的祭具として屋内に持ち込まれたものが、手あぶりなど採暖用途として、そして屋内での簡単な炊事や酒燗などに利用転用されたものと考えられるといいます。
蒸し焼きも、土鍋のような器があれば基本的に可能だし、いざとなれば地面を多少掘り下げて葉などで覆っても出来ます。
そうそう、きのこも好きな食材だそうです。
お菓子では、カマという、日本のきなこのような粉を使った"カマ・チョコレート"、アーモンドで作る"マジパン"などもあるといいます。
カマは、夏場に、ケーフィルに溶かして飲んだりするそうです。
ケーフィルとは、サワーミルクの一種です。
乳製品としては、ほかにも、コテージチーズの一種コフピーム、サワークリームハプコールなどがあります。
ハプコールは、ロシアのスメタナのように、あらゆるエストニア料理の添え物として活躍しているそうです。
スメタナはロシアのサワークリームで、ボルシチをはじめ、様々なロシア料理に使われます。
スメタナは乳脂肪分の高いクリームを乳酸きんで発酵させたものを言います。
このクリームは、日本で言う生クリームに近いそうです。
昔は、酸化して固まった牛乳の上にできる「うわずみ」で作られていました。
日本でいえば、味噌や醤油。
そう思えば、エストニア料理は日本人の、日本料理はエストニア人の好みにけっこう合いそうですね。
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