筑波山と魔女?
魔法使いは、カエルから採った毒で強心剤を作ります。
また、カエルは魔法使いのペットでもありました。
魔法使いの傍らには、猫がいるのは定番だけど。
カエルも、傍にいたの。
魔法使いは、古代の薬剤師でもありました。
そうなると気になるのは、筑波山ね。
筑波山は、山全体を見ると、石岡市および桜川市にもまたがっています。
独立峰と誤解されがちだが、実際には八溝山地最南端の筑波山塊に位置しています。
美しい姿から富士山とも対比され、「西の富士、東の筑波」と並び称されます。
茨城県の県西地方からの眺めが美しいとされます。
古くは『万葉集』にも詠まれ、日本百名山、日本百景の一つに挙げられています。
百名山のなかでは877mと最も標高が低く、標高924mの開聞岳とともに1000m未満の山です。
猫耳に見えるこの山は、七味唐辛子の原型とされる七色唐辛子を五行に基づいて作り続けている地域でもあります。
蝦蟇の油であまりにも有名よね。
蝦蟇の油売りの口上は、今でも人気のある大道芸です。
男体山及び女体山山頂には筑波山神社本殿があり、山腹に筑波山神社拝殿があります。
隣接して、坂東三十三箇所25番札所の筑波山大御堂中禅寺もあります。
この山の姿から、陰陽に結びつけて見られたのかもしれません。
古くからの信仰の場であり、『常陸国風土記』には筑波山の神が登場します。
筑波には、巫女の薬師がいたのかしら。
この薬師の歴史から、七色唐辛子も作られたのではないでしょうか。
筑波山は、古来より農閑期の行事として大規模な歌垣が行われる場所でした。
近隣から多数の男女が集まって歌を交わし、舞い、踊り、性交を楽しむ習慣がありました。
この歌垣の舞台となったのも、男体山と女体山の一体となった山体によるのでしょうね。
筑波山の姿は猫耳に見えるので、バステトの大祭のような位置付けの行事だった可能性もあります。
バステトの名は、「軟膏壺の婦人」を意味します。
軟膏とは、まさに薬よね。
人としてのバステトは、医師や薬師としての魔女だったのかもしれないですね。
医師や薬師の神としてのバステトが、薬師如来の原型だったのではないでしょうか。
薬師如来の左手には薬壺(やっこ)があるのが一般的と思われているが、飛鳥時代など平安時代より前には、持っていない場合もあるといいます。
薬師如来の薬壺が一般化したのは、平安時代以降の日本なのね。
これは、薬師如来に軟膏壺を持つバステトを重ねたのではないでしょうか。
もしも薬師如来の原型がバステトであったなら、忘れられていた元の姿に日本人が戻したのかもしれません。
利き手の右で使いやすいよう左で薬壺を持つのは自然かも知れないが、左は女と共に陰に配されます。
本来は女神バステトであったと、暗示しているとみても不自然ではない。
日本の神界は、古代エジプトにあまりに似た構造なのです。
太陽神を中心とした、動物神を含む三神構造の八百万の神を崇める姿は古代エジプトにそっくりなのです。
そもそも女神とされる太陽神の天照大神は、もともとは男神の天照国照彦天火明櫛甕玉饒速日命であったと指摘されます。
ナイルの西を死者東を生者にわけるのは、太陽神崇拝だけでなく、陰陽をも思い起こさせますね。
歌垣は今年の豊穣を喜び祝い、誰かれなく言い寄り自由に性交することで、さらに来る年の豊穣を祈る意味がありました。
『万葉集』第9巻の1759番に収められている高橋虫麻呂作の歌には、これから行われる歌垣への期待で興奮する気持ちが素直にのびのびと表現されています。
なお、歌にある目串(めぐし)とは、不信の思いで他人を突き刺すように見ることを意味します。
鷲の棲む 筑波の山の 裳羽服津(もはきつ)の その津の上に
率(あども)ひて 未通女(をとめ)壮士(をとこ)の 行き集ひ
かがふかがひに
人妻に 吾(あ)も交はらむ わが妻に 人も言問へ
この山を 領(うしは)く神の 昔より 禁(いさ)めぬわざぞ
今日のみは めぐしもな見そ 言(こと)も咎むな
(現代語訳)
鷲の棲む筑波山の裳羽服津の津のほとりに、
男女が誘い合い集まって、舞い踊るこの歌垣(かがい)では、
人妻に、私も性交しよう。我が妻に、人も言い寄ってこい。
この山の神が昔から許していることなのだ。
今日だけは目串はよせよ、 咎めるなよ
アジアには、今でも歌垣の風習が残る地域があります。
もっとも、その後に性交にまで至ることは現代では流石にないようですね。
歌垣が残る地域と、日本人が辿ったであろう地域の関係は、注目していいのでは。
歌垣の背景に、古代エジプト人の隣人であったかも知れない日本人が伝えたバステトの大祭があったと見るのも面白いのではないでしょうか。
人としてのバステトが魔法使いだったなら、ちょっと愉快ね。
どうなのかしら。
疑ってみても、いいかもです。
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