もっと、素直に報告見なさいって。科学者の常識とは?その2
ニュートリノの超光速移動の可能性を、3年以上にわたり1万5000回実施して見つけたとする実験に、衛星による位置測定の精度に様々な議論を言う人がいます。
なかには、有名大学の研究者までが名を連ねてます。
たとえばこれは、コーネル大学です。
Cornell University
http://arxiv.org/abs/1110.2685
Time-of-flight between a Source and a Detector observed from a Satellite
Ronald A.J. van Elburg
(Submitted on 12 Oct 2011 (v1), last revised 17 Oct 2011 (this version, v3))
Michelson and Morley showed that an interference pattern is reference-frame independent.
However, the distance between a particle's production and detection site is reference-frame dependent due to Lorentz contraction and detector movement.
For the OPERA experiment detector movement in the satellite reference frame leads to corrections which can account for most of the $\pm 60$ ns discrepancy between expected and observed time of flight.
ここでは、ローレンツ収縮などの相対理論的事情を考慮していないのではないかという疑問が述べられています。
だが、当人たちがこの種の疑問を抱かずにこの実験を3年も続けたのでしょうか。
現象にすぎないとして説明できないのを、ごまかしていないでしょうか。
批判が事実なら、もっとばらつきが出るか、高い頻度で差が出て、これほどの回数調べずとも報告にあったのと似た結果がでるのではないでしょうか。
ニュートリノの超光速移動の可能性を確かめるのに、3年以上にわたり1万5000回の実験が必要だったのは、再現性に乏しかったからと反論されたら批判している人はどう言い返すつもりでしょうね。
言い換えれば偶然性に結果が左右されたと、言える。
にもかかわらず、似通った数値しかでなかったなら、有意の差の可能性を疑うのはごく自然な判断でしょう。
繰り返して言うが、多くの研究者はこの報告結果を文字通り、ニュートリノが超光速移動をした結果であると、受け取ってしまっているのですよ。
我々は、地上から東から昇り西に沈むように見える太陽と月を、何世紀にもわたってみてきました。
もしも、おかしな向きに天空を移動する星が観測されていなかったら、太陽中心説や地動説に気づくのははるかに遅れていたでしょう。
実際は、周転円などを考えないと地球中心説や天動説は説明不能に陥ったわけですよね。
太陽中心説や地動説に軸足を移して、はじめてすっきりと天体の動きは説明できたわけです。
現代の私たちも、現象に惑わされて地球中心説や天動説と同じ水準の勘違いに陥っていないと自信を持って言えるでしょうか。
素粒子研究のこれまでの知見は、言ってみれば、量子研究に現代版の周転円を生み出していないと言えるでしょうか。
これまで、多くの成功例を齎してきた立ち位置から軸足を移すのは、確かに決意がいるでしょう。
観測結果が何を語りかけているのか、もっと素直に見た方が良いと思いますね。
ニュートリノが光より60ナノ秒(1億分の6秒)速く進むようにみえる測定値がでたと言って、他の数値は言っていないのですよ。
そして、この数値にばらつきや間違えはないか、再現性があるか、確かめるために3年以上にわたり1万5000回も実験をしているのですよ。
3年以上にわたり1万5000回も実験しないと再現性のないという事実、そして、60ナノ秒(1億分の6秒)という差が測定にかかる事実を、報告に対する疑問と批判を言う人はどう説明するのでしょう。
この疑問に納得のいく実験結果否定派からの説明を聞かない限り、この報告結果を間違えだったと私は言い切ることはできません。
ニュートリノが超高速で移動するわけないと言いたいのは、私も同じです。
だが、こういう報告が出た以上、超高速で移動するわけがないのに、どうしてこういう結果が出るのか、なぜ、真正面から解釈や説明をしようと、報告結果を批判する人たちは試みないのでしょう。
追記
asahi.com2011年11月18日19時23分
http://www.asahi.com/science/update/1118/TKY201111180425.html
「光より速い」ニュートリノ、再実験でも超光速
素粒子のニュートリノが光より速いという実験結果を9月に発表した国際共同研究グループOPERAが17日、精度を高めた再度の実験でも、同じ結果が得られたと発表した。
実験は、スイス・ジュネーブ郊外にある欧州合同原子核研究機関(CERN)の加速器から人工的に作りだしたニュートリノを打ち出し、約730キロ離れたイタリアの研究所の検出器に到達するまでの時間と距離を測定している。
10月下旬から11月上旬にニュートリノが発生する時間をより厳密に測定したところ、同じ結果が得られたという。
ただ、場所や距離の測定に全地球測位システム(GPS)を利用している点は前回と変わらない。
このGPSの精度を疑問視する指摘もあることから、研究グループでは「実験方法に関する疑問の一つは排除できたが、最終的な結論に達したわけではない」としている。(ワシントン=行方史郎)
追記2
実験結果に依拠して異論は唱えているけど、これも、なぜ報告された現象が起きたかについての検討を避けている点では同じです。
さらにいえば、再現して報告された現象の原因を調べる気が本当にあるのって感じです。
Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111121-00000669-reu-int
「光速超えるニュートリノ」に異論、伊チームが論文発表
ロイター 11月21日(月)14時14分配信
写真
写真はグランサッソ研究所。提供写真(2011年 ロイター)
11月19日、イタリアのグランサッソ国立研究所の研究チームは、ニュートリノが光より速く移動することを示す観測結果が得られたとしていた国際実験チームの報告に異議を唱える論文を発表した。
[ジュネーブ 20日 ロイター] イタリアのグランサッソ国立研究所の研究チームは19日、素粒子の一種であるニュートリノが光より速く移動することを示す観測結果が得られたとしていた国際実験チームの報告に異議を唱える論文を発表した。
イタリア国立核物理学研究所(INFN)や名古屋大や神戸大なども参加する国際実験チーム(OPERA)は9月、スイスのジュネーブ郊外にある欧州合同原子核研究所(CERN)から発射したニュートリノが、約730キロ離れたグランサッソ国立研究所の検出器に到達するまでの時間と距離を測定した結果、ニュートリノが光より60ナノ秒(1億分の6秒)速く進むことを観測したと発表。
先週には、再実験でもそれを確認したとしていた。
これに対し、グランサッソで同様の研究を行う別の実験チーム(ICARUS)は、「OPERAの実験結果における超光速の説明に反証する」内容を確認したする論文をウェブサイトで発表。
2人の米著名物理学者が最近発表した研究内容に基づき、CERNから発射されたニュートリノは、ほんのわずかでも光速を上回るスピードで進んだとすれば到着時点でエネルギーのほとんどを失っているはずだが、ICARUSの測定では、光速で移動する素粒子とエネルギースペクトルが完全に一致したとしている。
アインシュタインが1905年に発表した特殊相対性理論では、質量を持つものは光よりも速く移動できないとされた。
OPERAの観測結果はこれに矛盾するもので、宇宙の成り立ちをめぐる定説を覆し、タイムマシンや異次元の存在も可能になるとして注目を浴びていた。
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コメント
I want to send you an award for most heplufl internet writer.
投稿: Seston | 2011年12月 6日 (火) 22時10分
Thank you.
投稿: cova | 2011年12月 6日 (火) 22時27分