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E=mc²は何を意味するか?

量子は、古典力学では考えられなかった不連続な量です。

物理量は、この量子という最小単位の整数倍をとることになります。

量子を扱う自然科学の理論を、量子論と総称します。

量子は、粒子と波動の二つの側面を持つと今では見られています。

ところが、最初は波動の持つ粒子性として発見された存在でした。

量子(quantum)は、1900年にマックス・プランクが発見・提唱した物理量の最小単位です。

量子の概念は、アルベルト・アインシュタインやニールス・ボーアらによって発展を続け、量子力学の建設へとつながりました。

量子の発見は、20世紀の物理学・諸科学に革命を起こしました。

アインシュタインが提唱した光量子は、次の式で表されます。

E = hν

ここで、Eはエネルギー、hはプランク定数、νは振動数です。

量子力学は、プランクがプランク定数を提唱したことから生まれることになった学問の一分野です。

プランクは、黒体輻射という問題に取り組んでいました。

炉の中の温度は、光の色で見分けられます。

今でも瞬時の判断で温度管理をする必要のある職人たちの世界では、光で温度を判断する能力を磨くことは大事なことの一つになっているようです。

プランクもまた、工業の現場から提示された光の色による温度管理の課題に向き合っていた科学者の1人だったのでしょう。

プランクの提出した式はプランクの公式と呼ばれるようになるが、黒体輻射の分布式としては、レイリー・ジーンズの公式とヴィーンの公式が考案されていました。

ヴィーンの公式はヴィルヘルム・ヴィーンが1896年に発表した公式であり、短波長(高周波数)領域においては実験データと一致するものの、長波長(低周波数)では一致しませんでした。

一方、1900年に不完全な形でレイリーが発表しジーンズが手直したレイリー・ジーンズの公式は、反対に長波長(低周波数)領域で実験結果とよい一致を示すものの、短波長(高周波数)領域では合わなかったのです。

マックス・プランクは1900年10月に、短波長(高周波数)領域においては実験データと一致するヴィーンの公式より良い公式を得ようとする過程でプランクの公式を考案しました。

なお、論文発行は翌年の1901年でした。

プランクは自らの見つけた定数を便宜的なものと見なしたが、アルベルト・アインシュタインは実在と見て議論を展開することになります。

1905年、光電効果はアインシュタインが導入した光量子仮説によって、説明付けられました。

アインシュタインは、光電効果を説明した業績によって、1921年にノーベル物理学賞を受賞しています。

 量子の波動性は、数式上とか確率論的の存在ではないわけですね。

量子の考え方は、もともと光に関する問題を解決する中で生まれてきましたからね。

光の粒子性と波動性の問題は、長年にわたって科学者を悩ませてきた問題なのです。

波動としての光を光波と呼び、反射・屈折・回折などの現象を起こす事はよく知られています。

ヤングの実験により光の波動説として証明され、その後マクスウェルらにより光波は電磁波であることが示されました。

厳密にはマクスウェルの方程式で記述されるベクトル波であり偏光を持つが、波動光学では簡略化のためにスカラー波として扱うことが多いです。

光の粒子性は、ニュートンによって唱えられました。

粒子つまり量子としての光を、光子あるいは光量子といいます。

光子は電磁場の量子化によって現れる量子の1つで、電磁相互作用を媒介します。

現在の光子の概念は、アインシュタインによって提唱されました。

この量子の考え方は、物質の側にも延長されていくことになります。

1924年には、ルイ・ド・ブロイにより電子のような粒子にも波としての性質があるという物質波の概念が提唱されました。

1927年になると、クリントン・デイヴィソンやジョージ・パジェット・トムソンにより実証されました。

1928年には日本の菊池正士も雲母の薄膜による電子線の干渉現象を観察して、電子が波動性をもっていることを示しています。

この粒子としての性質と波としての性質をもった何かという概念は量子力学成立以前の物理学では、全く考えられていなかったものでした。

 つまり、波動が粒子性を持つなら、粒子も波動性を持っていい。

ド・ブロイは発想を逆転させたわけですね。

皆は形式論理的思考のために、波動の粒子性と粒子の波動性を対照的な関係や性質としか、見ていません。

ところが弁証法では、一変します。

波動の粒子性と粒子の波動性を、弁証法的にとらえ、本質的に同質であると見ます。

波動性が小さければ粒子になり、波動性が大きければ波動となると、見ることが可能になるのです。

波動性を波長に置き換えれば、光電効果の説明そのものになります。

 波長が短ければ粒子として振る舞い、波長が長ければ波動として振る舞う。

つまり、波長が十分に短ければ短いほど、波動は粒子としての性質を強めることになります。

極端に言えば、限りなく静止に近づけば近づくほど、波動は粒子化することになります。

波動が限りなく静止に近づくとは、波長は極端に短くなり莫大なエネルギーがありながらほとんど前進しない状態と言って良いでしょう。

これは、弁証法でいえば、量から質への転化に当たります。

古代思想の陰陽でいえば、陰極まりて陽に当たると言って良いでしょう。

逆に粒子化状態からエネルギーを解き放てば、膨大な量になってしまいます。

これが有名なアインシュタインの式です。

E=mc²

もっとも、この式が実現したとされる核融合や核分裂でも、エネルギー化した質量はほんのわずかですけどね。

質量からエネルギーが解き放たれることは、弁証法でいえば、質から量への転化に当たります。

古代思想の陰陽でいえば、陽極まりて陰に当たると言って良いでしょう。

なお、このすべての過程を否定の否定と見ることも可能です。

 形式論理では、元の状態に戻りますよね。

 この場合でも、エネルギーの総量は不変だから、形式論理でも構わないのでは。

エネルギーだけ見ればそうなるけれど、途中の粒子化がうまく位置付けられないでしょう。

弁証法では、エネルギーの変態過程と見るのです。

即ち、波動性が否定されて粒子化する過程と、粒子性が否定されて波動化する過程とみます。

 ポテンシャルエネルギーと運動エネルギーの、相互転化と似ている。

ポテンシャルエネルギーと粒子化、運動エネルギーと波動化、という対応でしょうね。

 光の波動性と粒子性で、光電効果は説明できる。

 ニュートリノの超光速現象も、波動性と粒子性で説明できる。

そうですね。

 粒子性が基本的には全面にでているニュートリノも、たまには波動性が顔を出す。

超光速現象は、この時折見せる波動性を観測したと言えるでしょうね。

だから、他の基本的に粒子とされる量子でも、似た現象は起こり得るでしょうね。

 超弦理論などは。

波動による振動をオシロスコープで見ているような、感じですね。

量子の姿というよりも、量子を形作っている場の中の振動を数学的に表しているのでしょうね。

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