ベテルギウスの瘤はガスの塊で説明できるか。
ペテルギウスは、超新星爆発をこれからするとも、あるいはまだ光が届いていないので、すでに超新星爆発をしているかもしれないとも、話題になっている恒星です。
オリオン座α星であるベテルギウス(Betelgeuse)は、地球から640光年離れている恒星です。
光が640年かかって到達する距離を、640光年というのですよね。
ベテルギウスは、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンと冬の大三角を形作る事でも知られています。
M型の赤色超巨星で、現在-6.05程度の平均絶対等級で、全天で9番目に明るい恒星とも、8番目に明るい恒星とも呼ばれます。
M型と言ったけれども、これはスペクトル分類(spectral classification)という、恒星の分類法によるものです。
スペクトル分類は、恒星の分類法の一つです。
スペクトル分類によって細分された星のタイプをスペクトル型(spectal type)と呼びます。
恒星から放射された電磁波を捉え、スペクトルを観察することによって分類します。
恒星のスペクトルは、その表面温度や化学組成により変わってきます。
表面温度により分類するハーバード型とも呼ばれる狭義のスペクトル型と、星の本来の明るさを示す光度階級(luminosity class)があります。
表面温度により分類するハーバード型と星の本来の明るさを示す光度階級を合わせ、2次元的に分類するMKスペクトル分類が広く使われます。
恒星の色は表面温度によって左右され、高温度星は青白く、低温度星は赤みを帯びて見えます。
温度の違いは、スペクトルの吸収線に影響を及ぼします。
高温の天体では水素の吸収線が、低温の天体ではその他の重元素による吸収線が強く現れる傾向にあります。
また特に低温の星では、原子に加えて分子の吸収線も見られるようになります。
そこでスペクトル型を、数万ケルビンの高温度星から3千ケルビンの低温度星まで温度系列として並べる恒星の分類法が作られました。
型 表面温度 K 色
O 29,000-60,000 青
B 10,000-29,000 青~青白
A 7,500-10,000 白
F 6,000-7,500 黄白
G 5,300-6,000 黄
K 3,900-5,300 橙
M 2,500-3,900 赤
ベテルギウスは赤色巨星なので、M型というわけです。
なぜ全天での明るさの順番が一定しないかというと、ベテルギウスは変光星なのです。
ベテルギウスの変光は、1836年にジョン・ハーシェルによって発見されました。
脈動変光星のSRC型半規則変光星の代表星であり、5.8年周期で0.0等 - 1.3等の間を変光します。
ベテルギウスは、肉眼で観測できる数少ない変光星の一つです。
冬の脈動型半規則変光星の中では、最もはっきりとした変光を示します。
バイエル符号αが付けられているが、極大期を除いてβ星のリゲルより暗いのです。
冬に見える半規則変光星には、他にオリオン座W星やうさぎ座RX星などがあります。
オリオン座W星やうさぎ座RX星のどちらも、ベテルギウスほどはっきりした光度変化は見られないといいます。
地球からの見かけの大きさを、視直径といいます。
ベテルギウスは、視直径が2番目に大きい恒星です。
ちなみに、1位は太陽です。
1920年にアルバート・マイケルソンとフランシス・ピーズはウィルソン山天文台の2.5m反射望遠鏡に干渉計を取り付け、その視直径が約0.047秒であることを見出しました。
視直径の大きさを約0.047秒というのは、角度で直径を表しているからです。
秒もあれば、分もある。
時計に準えているのでしょ。
約0.047秒というのは、400km離れた所に置いた野球ボールと同程度です。
変光星は、大きさが変わることが知られています。
ベテルギウスを太陽系の中心に置いたとすると、小さい時でも水星、金星、地球と火星を巻き込み、大きい時には木星軌道の近くまで達すると見られています。
これらは、干渉パターンから得られる間接的な情報です。
恒星からくる電磁波を複数の望遠鏡で受けると、重ね合わせによって干渉パターンが得られます。
この干渉パターンが見られなくなるまでの範囲が、恒星の見かけ上の大きさを示していると見なしているわけです。
1970年代にアントニー・ラベイリはスペックル干渉法によって、ベテルギウスの実際の星像を得ることに成功しています。
また、1995年にはハッブル宇宙望遠鏡により、干渉法を用いないという意味で、太陽以外の恒星では初めて直接その姿が撮影されました。
2009年時点のベテルギウスは、15年前の測定時と比べると15%も小さくなっており、しかも加速的に収縮しているらしいことがわかったといいます。
また、2010年1月にはNASAが、ベテルギウスが変型している事を示す観測写真を公開しました。
その観測写真には、ガスが流出し表面温度が不均一になるなど、恒星が不安定な状態にあることが示されたのです。
近年の観測や研究により、その形状は球形ではなく、大きな瘤状のものをもった形状であるとされています。
その瘤でさえ、太陽より大きいのです。
大きな瘤は、ガスの塊とされているのでしょ。
天体自体もガスの塊と見ているから、あたかも雪ダルマならぬガスダルマと見ているということですね。
実際はもっと、いびつですけどね。
天文学者は、内部対流の悪戯という説明で片づけています。
だが、その観測写真には、明らかに球体と見られる部分の存在が見られます。
そして、その中心の球体の周りを全体として平たいチーズか鏡餅のような形であるように感じられます。
つまり、ベテルギウス本体は、ガス天体ではない。
自重によって表面はまるで固体のように固まった泥水の塊と、見る方が説明できるかもしれないですよ。
そして、巨大なガスの塊と見られている瘤の正体は、表面に蓄積した泥の塊の割れ目で起きている巨大な噴出ではないでしょうか。
内部対流の悪戯には、違いないけれど、対流しているのは、ガスではなく高温高圧の泥水だと。
ガスの塊であれば、あのような瘤が長期にわたって形を維持するわけがない。
あの大きな瘤をガスの塊というなら、どうして宇宙空間にもっと拡散しないのでしょう。
噴出のあまりの勢いに、ベテルギウスの大気が引きずられて歪んでいると見る方が、自然に思えますよ。
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コメント
はじめまして。
ガジェット通信というウェブ媒体を運営しております編集部の寄稿記事担当です。
このたび、cova様のこの記事を大変興味深く拝読いたしました。
つきましては、唐突なお願いで失礼かとは存じますが、弊社媒体に寄稿という形で掲載させていただけませんでしょうか。
詳細につきましては、メールでやりとりさせていただければと思いますので、ご連絡いただければ幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
投稿: ガジェット通信編集部 | 2011年12月12日 (月) 15時09分
それは、べつにかまいませんが…。
投稿: cova | 2011年12月12日 (月) 19時09分
瘤は渦巻きの尻尾なのではないかと思いました。
ベテルギウスは通説ですと、年老いた星なのですよね?
これから星になるので、まだ温度が低いのだなんて言ったら、トンデモになりますね。
投稿: まるこ | 2011年12月15日 (木) 21時31分
通説だから正しいとは、歴史を見ても必ずしも言い切れない場合は、いくつもあります。
ただ、推測を言う以上論拠を示せないと頭ごなしにトンデモ扱いされる可能性はありますね。
投稿: cova | 2011年12月16日 (金) 17時49分