電子に本当に質量ゼロはあるか。
2012年2月1日、この記事が出ました。
難しい話なので、こんなこともあるのか、くらいに思ってください。
広島大、質量ゼロ電子を新発見 超高速コンピューターも
http://www.47news.jp/CN/201202/CN2012020101002077.html
特殊な絶縁体の表面などに存在することが知られている質量ゼロの電子の一種として、新しい性質を持つ電子を発見したと、広島大チームが1日、発表した。
将来の超高速コンピューターの開発などが期待できるといい、近く米物理学会誌に掲載される。
チームは、電気抵抗が大きく、電球のフィラメントなどに使われる金属タングステンに着目。
表面を動く電子の速度やエネルギーなどの性質を詳しく調べ、質量を持たない電子を発見した。
質量があり金属の内部を自由に動く電子と比べ、質量を持たない電子は高速で移動できるため、計算速度の早いコンピューターなどにつながる可能性がある。
質量ゼロの電子には、以前にもこのような興味深い記事がありました。
東北大ら、質量ゼロの「ディラック電子」に質量を自在に与える技術を開発
http://news.mynavi.jp/news/2011/11/11/012/index.html
東北大学および大阪大学、高エネルギー加速器研究機構(KEK)は11月10日、「トポロジカル絶縁体」における質量ゼロの「ディラック電子」に対し、質量を自在に与える新しい技術を開発したと発表した。
開発は、東北大学大学院の佐藤宇史准教授、大阪大学産業科学研究所の瀬川耕司准教授と安藤陽一教授、および東北大学原子分子材料科学高等研究機構の高橋隆教授らによるもので、成果は英科学雑誌「Nature Physics」2011年11月号(オンライン版は8月14日に公開)に掲載された。
トポロジカル絶縁体はその名の通りに絶縁体の一種ではあるが、通常の絶縁体とは少々異なる特徴を持つ。
物質内部は電気を通さないが、表面にだけは電気を流すという特殊な金属状態が現れる物質で(画像1)、「スピントロニクス」デバイスの新材料として注目されている。
画像1。トポロジカル絶縁体のイメージ。2次元物質では端を、3次元物質では表面をアップスピンとダウンスピンの電子が逆向きに動く。
これらの電子は質量ゼロの粒子(ディラック電子)として振る舞う
トポロジカル絶縁体のカギとなっているのが、物質中で質量ゼロの粒子のように振る舞うディラック電子である。
ディラック電子は、電流の向きによって電子の持つ磁石の性質(スピン)を制御できるため、電荷とスピンを制御して利用する次世代の情報通信技術であるスピントロニクスへの応用が期待されているというわけである。
研究グループは今回、昨年発見されたトポロジカル絶縁体「TlBiSe2」(Tl:タリウム、Bi:ビスマス、Se:セレン)と、絶縁体「TlBiS2」(S:硫黄)を混ぜ合わせた結晶を育成し(画像2)、そのバルク(物質内部)および表面の電子エネルギー状態を、KEKのフォトンファクトリーのビームライン「BL-28A」と、東北大の「光電子分光装置」を利用して、「角度分解電子分光」によって決定した(画像3・4)。
なお、角度分解光電子分光とは、光電効果によって飛び出した光電子のエネルギーの放出角度依存性を測定することにより、物質中の電子状態を調べる方法のことだ。
画像2。トポロジカル絶縁体TlBi(S1-xSex)2の結晶構造(画像提供:東北大学)
画像3。ディラック錐状態における電子のエネルギー関係の模式図。エネルギー分散が直線的であるために電子の有効質量がゼロとなり、電子がディラック粒子的な振る舞いを示す。
ディラック電子が質量を持つと(左→右)、ディラック錐の上下が分裂してエネルギーギャップが生じる(画像提供:東北大学)
画像4。角度分解光電子分光で測定したTlBi(S1-xSex)2のエネルギー状態。明るい部分が電子の存在する部分を示す。
x=1.0ではX字型の形状を示すディラック錐が観測され、それ以外ではX字型の状態が上下に分裂して、エネルギーギャップが生じ、ディラック電子が質量を持つ(画像提供:東北大学)
結果、TlBiSe2のセレン原子の一部を硫黄原子に置き換えることで、ディラック電子に質量を与えられることが発見されたというわけだ。
さらに、その質量は硫黄の組成比によって自由に制御できることも判明したのである。
これは、トポロジカル絶縁体表面におけるディラック電子に、これまでとはまったく異なる方法で自在に質量を与えられることを実験的に示した初めての事例だ。
研究グループは、ディラック電子に質量を持たせてその運動を制御する技術は、トポロジカル絶縁体を利用した次世代省エネルギーデバイスや量子コンピュータなどの開発の新たな指針となり、またHDDを大容量化させた巨大磁気抵抗効果に代表されるスピントロニクス技術の新しい展開が期待されるとしている。
質量のあるはずの電子には、質量ゼロの状態があるのか、程度の理解で結構です。
質量ゼロ電子に、質量を自在に与えるって不思議。
質量ゼロ電子は、高速で動ける点に注目されていますね。
質量ゼロとして振る舞うので、力はすべて運動エネルギーに転化できますからね。
質量ゼロ電子で思い起こしたいのは、固体プラズマという状態があることです。
普通の物質は固体、液体、気体のいずれかの状態です。
プラズマは、それに並ぶ物質の状態といわれます。
宇宙の大部分は、プラズマ状態であると言われています。
プラズマは、このように定義されます。
プラスの電気を持つ粒子とマイナスの電気を有する粒子がほぼ同じ密度で存在し、 全体として電気的にほぼ中性状態であるような粒子集団。
この固体プラズマは、半導体研究ではよく出てくる考え方のようですね。
プラズマ状態と、質量ゼロ電子には、なにか関連があるのかなあ。
プラズマ状態ということは、裏を返せば、光に満たされた状態とみてもいいでしょうね。
そして、光子は質量ゼロの粒子として、振る舞っている。
質量ゼロ電子には、光子が深く関わっている可能性はあり得ますね。
光と重力は、波として見た場合、同じ形式の式になるのでしたね。
電子は光に包まれて、質量ゼロとして振る舞っていると見たら、どうなります。
光を、重力と置き換えたら、あらゆる方向から重力が電子に働きかけているのと同じ。
あらゆる方向から同じ大きさの力が働く空間が、電子を包んでいるとしたら、どうなります。
すべての力は釣り合い、打ち消し合う。
そうか。
無重量状態になりますね。
質量ゼロ電子と見るから、おかしくなるのですね。
重量ゼロ状態の電子。
質量の大きさは、体積や重量で表されるでしょ。
特に、重量。
質量ゼロ電子の質量を自在に操るのは、アインシュタインの有名な式のおかげでしょうね。
E=mc²ですね。
m=E/c²と変形できますよね。
そして、質量ゼロ電子の状態化でなら、与えるエネルギーで見かけの質量mを操れる。
そういうことでしょうね。
光子の振動数が、あたかも質量として振る舞うのと同じ原理ですか。
おそらく、そうでしょう。
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