宇宙は本当に膨張しているのか?
ビックバンの前提、それは宇宙が膨張しているから、それを遡れば宇宙は一点に集中するというものです。
では、ビックバンの前は。
宇宙は無から始まったという解釈が、定説になっています。
だが、ビックバン以前はどうだったかを研究しようとする人たちもいて、さまざまに仮説を立てています。
決定打となる仮説は、ない。
さまざまに出ているが、これといった決め手に、どの説も欠けています。
今現在、ビックバンはインフレーションという段階から、もう少し落ち着いた膨張に移行したというわけです。
もっとも、やがてまたさらに膨張は加速するという説が展開されています。
膨張しているという解釈の根拠は、赤方偏移でしたね
遠ざかる物体から発せられる光は、ドップラー効果により赤方偏移します。
近づく物体から発せられる光は、ドップラー効果により青方偏移します。
遠方の天体ほど、赤方偏移が大きかったというのです。
ちょっと待って。
遠くの光は、昔の宇宙から発して長い時間をかけて、私たちのところに届くのでしょ。
つまり、遠くの天体の光ほど赤方偏移しているのなら、昔の光ほど赤方偏移していると解釈すべきなのでは。
とてつもない遠方の天体に、大きな加速を物語る観測結果が出ているのは確かなことです。
遠くを見れば見るほど過去を見ているというのなら、過去の方が大きな加速をしていると解釈すべきなのでは。
宇宙は、膨張どころか、減速しているとみたいのですか。
現実の宇宙だけをみていたのでは、膨張か減速か、判定は困難ですよ。
だったら、宇宙は減速して今の姿に落ち着いたと見ても良いのでは。
じゃあ、宇宙は無現に大きかったと見たいのですか。
違うのですか。
重力赤方偏移が測定されていると、指摘したでしょう。
重力は、大きさと方向を持った引力からできています。
引力はベクトルで表せる。
ベクトルは、合成できます。
距離を足し合わせれば足し合わせるほど、そこには多くの天体が存在するはずです。
泡構造があるので、連続的とはいかないでしょうけど。
ベクトルとしての引力は、距離が大きくなるほど合成されて大きくなる。
ええ、距離が大きくなるほどその範囲に存在する天体は増えるはずでしょ。
それで、赤方偏移が示唆する加速度はどんどん大きくなる。
加速度と重力は区別できません。
ベクトルとしての引力の足し合わせが、加速度の足し合わせと解釈されれば、膨張宇宙論となるでしょう。
けれど、遠くを見ることは、過去を見ることなはずでしょ。
だったら、過去になるほど加速度が増していると解釈しないと矛盾するでしょ。
ところが、現実の宇宙は、膨張している証拠も、縮小している証拠も、見えないのです。
すべては、遠方の観測結果の解釈から導き出された議論に過ぎません。
そして、青方偏移も観測されています。
最新宇宙論は、膨張宇宙と宇宙定数を結びつける方向に進んでいます。
ところが、アインシュタインは宇宙定数を引力と大きさが同じで方向が反対と見なしたのですよね。
ならば、引力は万有、つまりすべての天体にあるから、斥力である宇宙定数も、当然すべての天体にある。
観測にかかった青方偏移は、偶然、複数の天体の持っている宇宙定数が合成されて引力に打ち勝った結果、観測されたのかも知れません。
通常、宇宙定数は、天体の中心に向かって大きくなる引力と反対に、天体の中心から宇宙に発散されて弱まっていくと予想できます。
宇宙定数が加算された結果が観測にかかるためには、地球が運よくその加速結果が届く範囲にいる必要があるでしょう。
言い換えれば、加算された宇宙定数を観測できるであろうと予測できる範囲を特定して、注意深く探さないと見落としてしまう。
そうなるでしょうね。
ベクトルとしての宇宙定数の加算された先が、地球の方に見ていないことには、うまく捉えられないでしょうから。
極めて、その範囲は狭く、偶然に頼る限り観測数は偶然の悪戯で片づけられるくらいしか、得られないかも知れません。
観測例が少ないのは、そのせい。
重力赤方偏移と断定的出来る結果が、これまであまりないのも、意識的な観測がされてこなかったから。
赤方偏移は加速度のせいと、決め込んでいるから偶然にしか観測にかからず、データが少ないのは当然の結果なのです。
ビックバン宇宙論が、無から宇宙を生んだ神様を信じないと成立しないのは、当然。
無から宇宙が生まれたと言いながら、原因が言えないなら、宇宙は神が作りたもうたと、科学者は教会でいうべきでしょう。
「ビッグバンはカトリックの公式の教義に矛盾しない」と言う声明を、1951年に教皇ピウス12世はバチカン宮殿で会議を開き発表していたそうですからね。
宇宙が光から生まれたとしても、無からではなく、混沌になんらかのショックが加わったと見るべきでしょう。
そのショックはどこから。
その出所を、自然界に見いだせない限り、聖書の〈神は言われた「光あれ」すると光があった〉に対する効果的反論は難しいですね。
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