« 古代イスラエル人の顔を想像してみた。 | トップページ | 「蛇のように賢く、鳩のように素直」について思いを巡らせてみた。 »

桜とヤマネコ?

桜は、バラ科サクラ属サクラ亜属 Prunus subg. Cerasus またはサクラ属 Cerasus に分類される樹木の総称です。

桜(サクラ亜属)は北半球に広く分布し、ヨーロッパから西シベリアにかけて3種が分布しています。

また、東アジアに3種、中国には33種のサクラ亜属が分布してると報告されています。

 米国初代大統領のジョージ・ワシントンが、父親の桜の木を切り倒したことを正直に名乗り出たというエピソードがありますね。

 19世紀はじめの作り話だそうですけど。

北米大陸には、我が国にもあるウワミズザクラに近いような種類や、常緑の種類などはあるが、これらは、日本人の持っている桜の概念からかけ離れた種類ばかりです。

アメリカの桜は、ヨーロッパのものが移植されたと考えるべきでしょう。

ついでにいうと、サクラ属にはサクラ亜属、ウワミズザクラ亜属の他に、スモモ亜属、モモ亜属、ウメ亜属、ニワウメ亜属があります。

ちなみに、ワシントン特別区のポトマック川に植えられている桜は、日本から贈呈されたものなので、「日本の桜」といえます。

 韓国では、桜は済州島起源とする議論が出ていますね。

桜の原産地はヒマラヤ近郊、現在のトルコからイランにかけての地域とされています。

だからこそ、日本語では「サクランボ」ヨーロッパではセイヨウミザクラの果実が、「チェリー」としてもてはやされているのです。

セイヨウミザクラという以上、東洋系のミザクラもあります。

中国には昔から華北・華中を中心に、中国桜桃(シナノミザクラ, Prunus pseudocerasus)や唐実桜(カラミザクラ)があります。

口に含んで食べることから、一名を含桃といいます。

漢の時代に編纂された礼記『月令』の仲夏(旧暦5月)の条に、「是月也,天子乃以雛嘗黍,羞以含桃,先薦寢廟」との記述があるから、桃よりは新しいのでしょう。

もっとも、花を鑑賞する品種の桜では、実は大きくなりませんけどね。

イランやトルコが原産だから、遠隔地である上に島国の日本に桜があることのほうが、むしろおかしいのです。

いったい、何が原因で、日本に桜が伝来したのかは分かりません。

一方サクランボの方は、何時頃伝わったか、わかっています。

江戸時代に清から日本に伝えられ、西日本でわずかに栽培されています。

これは、材が家具、彫刻などに使われ、暖地桜桃とも呼ばれます。

「桜桃」という名称は、中国から伝えられたものでです。

日本で食べられているサクランボの大半は、セイヨウミザクラです。

セイヨウミザクラが日本に伝えられたのは明治初期で、ドイツ人のガルトネルによって北海道に植えられたのが始まりだとされます。

その後、北海道や東北地方に広がり、各地で改良が重ねられました。

 サクランボ、おいしいですよね。

サクランボは、桜の実という意味の「桜の坊」の「の」が撥音便となり、語末が短母音化したと考えられています。

果実をサクランボ、木を桜桃と呼び分ける場合もありますね。

生産者は桜桃と呼ぶことが多く、商品化され店頭に並んだものはサクランボと呼ばれます。

サクランボは有史以前から食べられていました。

桜桃の一種である甘果桜桃(セイヨウミザクラ, Prunus avium)はイラン北部からヨーロッパ西部にかけて野生していました。

また別の品種である酸果桜桃(スミノミザクラ, Prunus cerasus)の原産地は、アジア西部のトルコ辺りだそうです。

アントン・チェーホフの戯曲「桜の園」の舞台はロシア南西部だが、この「桜の園」は「サクランボの農園」です。

サクランボの果実は丸みを帯びた赤い実が多く、中に種子が1つあります。

品種によって、黄白色や葡萄の巨峰のように赤黒い色で紫がかったものもあります。

生食用にされるのは主にセイヨウミザクラ(Prunus avium)の実であり、調理用に酸味が強いスミミザクラ(Prunus cerasus)の実もよく使われます。

 スミミザクラとスミノミザクラは、どこが違いますか。

スミノミザクラという場合には、園芸関係が多いようですね。

 サクラ亜属の、私たちが知っているような桜は北半球に広く分布しているということですね。

ヨーロッパから西シベリアにかけて3種が分布、東アジアに3種、中国には33種のサクラ亜属が分布してると報告されています。

 これ、ヤマネコの分布と重なる部分、多くないですか。

ユーラシアオオヤマネコ、ヨーロッパリンクスとも呼ばれるヨーロッパオオヤマネコには、ヨーロッパ北部からシベリアまでを生息域とするシベリアオオヤマネコを同種とするかどうかという議論があります。

カナダオオヤマネコは、アメリカ大陸にヨーロッパから渡った可能性があります。

日本にもオオヤマネコの骨が見つかるが、現在ほとんど見かけないところを見ると、イエネコと交雑し吸収された可能性があります。

今でも、ごくまれに先祖帰りしたとみられるヤマネコ的な特徴を多く残した猫がみられるそうです。

 海に隔てられているはずの、アメリカや日本にウワミズザクラがある。

 海に隔てられているはずの、アメリカや日本にオオヤマネコがいる。

 どちらも人為的に渡っている可能性がありますね。

ウワミズザクラ(Padus grayana)は上溝桜と書く、バラ科ウワミズザクラ属の落葉高木です。

和名のウワミズザクラは、古代の亀卜、つまり亀甲占いで波波迦と呼ばれる溝を彫った板に使われた事に由来します。

北海道西南と本州、四国、九州の山野に自生し、日照と小川沿いなど湿潤した環境を好みます。

花は、北海道では6月、本州より南では5月頃に咲き、長さ10cmほどの白い総状花序は雄蘂が目立ち、ブラシのように見えます。

よく似たイヌザクラとは、花序枝に葉がつく事などで区別できます。

樹高は、約10~15mで、樹皮は、灰~褐色です。

枝は、小枝の多くは落葉後に落ち、葉は、長さ6~9cm、幅3~5cmで楕円形で先が急に細くなり、縁には鋸歯があります。

果実は、直径約8mmの卵円形の核果を付け、初夏にかけて赤から黒く熟します。

ウワミズザクラは軽くねばり強い事から建材のほか、彫刻細工、版木、道具の柄などに利用されます。

香りのよい、若い花穂と未熟の実を塩漬にした杏仁子(あんにんご)が、新潟県を中心に食用とされ、黒く熟した実は果実酒に使われます。

ウワミズザクラは古代からあったところを見れば、縄文人が持ち込んだかもしれないですね。

ウワミズザクラ属の樹皮には青酸配糖体が含まれ、ヨーロッパ諸国や米国では、この植物の樹皮を鎮咳薬などに用いるそうですよ。

アイヌ民族は、臭気のある枝を戸口に立てて、病魔を防いだといいます。

 サクラ亜属の方の桜は、何時頃でしょうね。

韓国が済州島起源を言いだしたということは、朝鮮半島経由の線が強いのかも知れません。

ただ、弥生人なのか、天孫一族なのか、そのあたりを特定するには、もっと情報が欲しいですね。

オオヤマネコの分布、とりわけ、シベリアオオヤマネコの分布とサクラ亜属の分布の妙に重なるあたり、確かに、気になります。

|

« 古代イスラエル人の顔を想像してみた。 | トップページ | 「蛇のように賢く、鳩のように素直」について思いを巡らせてみた。 »

歴史」カテゴリの記事

食文化」カテゴリの記事

アメリカ」カテゴリの記事

園芸」カテゴリの記事

ロシア」カテゴリの記事

中国」カテゴリの記事

生物」カテゴリの記事

ヨーロッパ」カテゴリの記事

アジア」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 桜とヤマネコ?:

« 古代イスラエル人の顔を想像してみた。 | トップページ | 「蛇のように賢く、鳩のように素直」について思いを巡らせてみた。 »