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十戒―仏教と聖書を比べて見た。

十戒には、十誡という表記もあります。

 でも、ごんべんの十誡は、最近見かけませんね。

かつての漢語訳では日本でも中国でも、仏教のものを「十戒」、ユダヤ教・キリスト教のものを「十誡」と書き分けたのですよ。

今では、どちらも「十戒」を使いますけどね。

ちなみに仏教の十戒は、仏教において沙弥および沙弥尼が守らなければならないとされる10ヶ条の戒律をいいます。

沙弥(しゃみ、zraamaNera)や沙弥尼(しゃみに、zraamaNerikaa)は、式叉摩那(しきしゃまな、zilSamaaNa)とともに出家者の仲間ではあるが、比丘や比丘尼ではない人のことです。

式叉摩那・沙弥・沙弥尼は、出家者としてやがて比丘・比丘尼となるべき人か、その試錬期にある者とされます。

仏教でいう10ヶ条の戒律とは、五戒に、別の5つを加えたものです。

五戒とは、仏教において在家の信者が守るべきとされる基本的な五つの戒のこと。で、より一般的には在家の五戒などと呼ばれます。

不殺生戒(ふせっしょうかい) - 生き物を殺してはいけない。

不偸盗戒(ふちゅうとうかい) - 他人のものを盗んではいけない。

不邪淫戒(ふじゃいんかい) - 自分の妻(または夫)以外と交わってはいけない。

不妄語戒(ふもうごかい) - うそをついてはいけない。

不飲酒戒(ふおんじゅかい) - 酒を飲んではいけない。

付け加えられるのは、この5つです。

不塗飾香鬘(ふずじきこうまん) - 首飾りを著けたり香を塗ったりしない。

不歌舞観聴(ふかぶかんちょう) - 歌舞音曲をしたり聞きに行くこと。をしない。

不坐高広大牀(ふざこうこうだいしょう) - 高広の大床に坐すこと。をしない

不非時食(ふひじじき) - 正午から翌日の日の出までは食事をしない

不蓄金銀宝(ふちくこんごんほう) - 金銀宝石などに執著せず持ち込まない。

仏教で十戒という場合、十善戒(じゅうぜんかい)を指す場合もあります。

十善戒とは、仏教における十悪を否定形にして、戒律としたものです。

江戸時代後期の徳僧、慈雲尊者によって広く宣揚されました。

 十悪は、これですね。

 殺生(vihiṃsā) 偸盗(theyya) 邪淫(kāmamicchācāra) 妄語(musāvāda) 綺語(samphappalāpa) 粗悪語(pisuṇāvācā) 離間語(pharusāvācā) 妄貪(abhijjhā) 瞋恚(byāpāda) 邪見(micchādiṭṭhi)

十善、十の善き戒めは、これです。

不殺生(ふせっしょう) - 故意に生き物を殺しません。

不偸盗(ふちゅうとう) - 与えられていないものを取りません。

不邪淫(ふじゃいん) - みだらな性的関係を持ちません。

不妄語(ふもうご) - 嘘をつきません。

不綺語(ふきご) - 無駄な噂話をしません。

不悪口(ふあっく) - 乱暴な言葉を使いません。

不両舌(ふりょうぜ) - 他人を仲違いさせるような言葉をいいません。

不慳貪(ふけんどん) - 異常な欲を持ちません。

不瞋恚(ふしんに) - 異常な怒りを持ちません。

不邪見(ふじゃけん) - (因果、業報、輪廻等を否定する)間違った見解を持ちません。

仏教の十戒をみると、聖書の十戒とよく似ていることに気づきます。

 でも、宗派によって多少違いがあるのでしょ。

微妙なようですが、意外に大きな差かもしれません。

正教会やルーテル教会以外のプロテスタントの場合はこうです。

1.主が唯一の神であること。

2.偶像を作ってはならないこと(偶像崇拝の禁止)。

3.神の名を徒らに取り上げてはならないこと。

4.安息日を守ること。

5.父母を敬うこと。

6.殺人をしてはいけないこと。

7.姦淫をしてはいけないこと。

8.盗んではいけないこと。

9.偽証してはいけないこと(嘘を言ってはならない)。

10.隣人の家をむさぼってはいけないこと。

1から4までは神と人との関係であり、5から10までは人と人に関する項目と同時に刑法の根幹です。

ユダヤ教の安息日は土曜日であるが、キリスト教会ではイエスの復活の日である日曜日を主の日と呼び、日曜日を聖日として礼拝しています。

それにたいして、カソリック教会やルーテル教会の場合はこうです。

わたしはあなたの主なる神である。

1.わたしのほかに神があってはならない。

2.あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。

3.主の日を心にとどめ、これを聖とせよ。

4.あなたの父母を敬え。

5.殺してはならない。

6.姦淫してはならない。

7.盗んではならない。

8.隣人に関して偽証してはならない。

9.隣人の妻を欲してはならない。

10.隣人の財産を欲してはならない。

カソリック教会・ルーテル教会は、偶像崇拝禁止の代わりに、隣人の妻を欲してはならないという項目が入ります。

夫は家長として一家を取り仕切り、妻も子も家長に服従しないといけない時代が長く続きました。

カソリックやルーテル派の十戒は、そういう時代背景で生まれたという側面を見た方が良いかもしれません。

 じゃあ、カソリック教会やルーテル教会では隣人に関して偽証してはならないっていうけど、隣人は隣の家だから、家族には良いのかしら。

偽証してはいけないのは、誰に対してもでしょ、当然。

 やっぱりねえ。

注目したいのが、偶像崇拝禁止なのですよ。

正教会はイコンを作るけど、これを偶像として拝んではいけないのです。

これは、仏教でいえば写経に近い修行と言えるでしょう。

 イコンは飾るけれど、仏典の引用句を掲げるのに等しい。

そういうことでしょう。

カソリックは、異教徒への布教の方便としてイエスやマリアの偶像を利用してしまったので、十戒から偶像崇拝禁止を外してしまったようですね。

 正教会は、どこの国でも組織は別でも、同じ正教会でしたよね。

いずれの地域別の教会組織も、正教として同じ信仰を有しているので、教派名はあくまで正教会です。

ロシア正教会・ルーマニア正教会・ギリシャ正教会・ブルガリア正教会・セルビア正教会・グルジア正教会・日本正教会などは組織名であって教派名ではないですね。

なお、アルメニア使徒教会、シリア正教会、コプト正教会、エチオピア正教会なども同じく「正教会」を名乗るが、ギリシャ正教とも呼ばれる正教会とは別の系統に属します。

これらの教会は、英語では"Oriental Orthodox Church"とも呼ばれますね。

 仏教とキリスト教、十戒が似ているのは偶然ではない。

釈迦のいた釈迦族とは、サカ族のことだと指摘する人もいます。

ヘロドトスの『歴史』、プトレマイオスの『地理学』、メガステネスの『インド誌』などによると、サカ族はチベットとも関わりが深いという説もあります。

 ペルシア人はすべてのスキタイ人をサカ人と呼ぶという指摘もありますね。

 スキタイは、古代イスラエル人が行動を共にしたとも言われますね。

古代中東の遺伝子は、チベットと日本に多く残ります。

離れた土地で、故郷の文化が強く残るのはよくあることですよ。

そのため、日ユ同祖論や日本スメル起源説が出たりします。

 それって、チベットユダヤ同祖論や、チベットスメル起源説に通じませんか。

当然、言ってる人はいるようです。

 釈迦はユダヤだった…。

釈迦はスメルだった、という議論もありますよ。

実際は、釈迦族はアーリヤ系のサンスクリットでSuurya-vaMzaと呼ばれる日種(にっしゅ)に属し、甘庶王(かんしょおう、オッカーカ)系といわれています。

「日種」とは「太陽の末裔」という意味で、太陽と光を表す「スヴァスティカ」を勝利の太陽神シンボルとしたのがアーリア人です。

 「スヴァスティカ」は仏教のシンボルで、万字としてお馴染みですね。

「アーリア人」は、今ではインドに移住してきたインド・アーリア人、イランに移住してきたイラン・アーリア人およびそれらの祖先のみを指す場合が多いです。

そして面白いことに、インドもイランも日本人のルーツを考えるときに意外と避けて通れない地域なのです。

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