再び古代日本語と古代英語の差を想ってみた。英語VS日本語 その6
日本とイギリス、ともにユーラシア大陸の外れの島国であるが、類似はそれだけにとどまらないのです。
武士道と騎士道、緑茶と紅茶、妖怪と妖精、さらには、イギリスにもケルトの時代から続く陰陽に似た文化があるのでしたね。
政治的にも、立憲君主制を採用したことまで似ているでしょ。
面白いことに、日本に日ユ同祖論があるように、イギリスにもブリティッシュイスラエルを言う人たちがいますね。
アメリカからも、ケネウィックから興味深い古代人骨が出ていましたね。
ケルトが多い地域のイギリス男性によく似ていたけど、実はアイヌの親戚筋だったことがわかりましたね。
伴っていた矢じりは、フランスやスペインの様式だったけど。
幕末のころ日本に来た西洋人からは、ブリティッシュ的な顔の人を見たと言う声も上がってましたね。
単語にも、日本語と英語には、偶然というには似ているものが多く見つかりますね。
ただ、文法だけが、どうしても壁になっていました。
でも、日本の古文、特に時代を遡った文章になればなるほど、文法の差が縮まって見えます。
例えば、古文における格助詞の使い方で、現代日本語と一番明らかに違う用法としては、格助詞の省略が指摘できます。
有名なところで、枕草子を例に挙げましょう。
春はあけぼの。
やうやう白くなりゆく山際(ぎは)、少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。
夏は夜。
月の頃はさらなり。
闇もなほ、蛍のおほく飛びちがひたる。
また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。
雨など降るもをかし。
秋は夕暮れ。
夕日のさして山の端(は)いと近うなりたるに、烏の、寝どころへ行くとて、三つ四つ、
二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。
まいて、雁などのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。
日入り果てて、風の音(おと)、虫の音(ね)など、はた言ふべきにあらず。
冬はつとめて。
雪の降りたるは言ふべきにもあらず、
霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、
火など急ぎおこして、炭持てわたるも、いとつきづきし。
昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶(ひをけ)の火も、白い灰がちになりてわろし。
文法の差ももちろんだけれど、発音も差があります。
平唇音より、丸唇音の方が、言い易いですね。
ア行母音よりワ行母音の方が言い易いでしょ。
英語も丸唇を基本にした方が、イントネーションを表現し易かったですね。
英語にはシラブルがありますからね。
古文も、シラブルとまではいわないけど、どこか似てますね。
「てにをは」は、日本語における格助詞4つです。
活用語尾とかは、関係ないです。
外国語には見られない日本語特有のもので、日本語の基礎です。
今では「が」も格助詞扱いされてはいます。
ところが、古文では、「てにをは」は時代を遡るほど省略されるのです。
その理由の一つが、ワ行母音、つまり、丸唇音ですか。
言い換えれば、「てにをは」を省けるということは、日本語最大の特徴が古文、特に太古の古文にはないと言うことなのです。
つまり、日本語と英語の間の決定的な壁が、消えてしまう。
そうなりますね。
英語の 来る は come でしょ。
日本でも古代は 来(こ)む ですよ。
また、英語の 行く は go でしょ。
日本でも古代は 行(い)かむ ですよ。
ただし、丸唇音だから実際の発音は 行(い)こむ に近かったはずで、さらに巻き舌音でK音は聞きようによってはG音にも思えたでしょうね。
行(い)かむ は 行(い)がむ とか 行(い)ぐ 、もっと昔にはさらに go に近い発音だったかも知れない。
可能性はあり得るでしょ。
古代日本語では、私は わ、あなたは な、第三者は か、でしょ。
英語では、、私は I、あなたは you、第三者は he とか she、でしょ。
h音は容易にk音に、逆に、k音は容易にh音に、転訛しますよ。
そうやって見ていくと、古代の日本語と英語の境はあいまいに成って行く。
転訛の後を、実証的に辿れたら、面白いことになるでしょうね。
実は以前、日本語と英語は転訛で繋がるという説を展開した本が、出ていたことがあったのです。
もう二十年か三十年も前のことです。
国会図書館なら、あるかも知れない。
膨大だから、簡単に見つかるかどうか。
転訛の理論とか、そういう副題がついていた記憶はありますが。
可能性を頭ごなしに否定しないで、誰か検証してくれないかしら。
私の手には、負いかねます。
あなたにやって何て、言ってません。
言われてしまいました。
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