聖書には現代への警鐘と皮肉が込められている。
聖書の宗教、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教は人の才能の違いなどがどうしても貧富の差を生じてしまうことを前提としています。
富める者は頑張っているけれども貧しい者を惜しみなく助ける事を、聖書の宗教では神の愛の実践として求めています。
聖書には、神に従うなら貧富はなくなるとあるにもかかわらず、富める者は貧しい者を惜しみなく助ける事を求めています。
神は、御心の実践者を惜しみなく救う方であると、心から信じ実践する者を惜しみなく救うと、聖書にはあります。
ただし救いにも様々な形があるので、自分は本当に救われ、祝福を受けているか不安になることがあるかもしれません。
神を見失っていないなら、やがては、困難は試しであり祝福であったと気づく時が来るとも、聖書にはあります。
聖書の神に従うなら貧富はなくなるとは、富める者も必要以上貪らず、頑張っているけれども貧しい者たちの必要に応じて惜しみなく助ける事によって、貧富の差によって困る者は一人もいなくなる、と言うことなのです。
ここで注意しないといけないのは、努力をしたのに貧しい者は救いに値するが努力をしないならば持っているものまで取り上げられ富める者に与えられてしまうとあることです。
救いを求めていると行為で表す者が、救われるのです。
イエスは、あなたの信仰があなたを救った、と言う言葉を何度も繰り返します。
しかし、主よ主よとこれみよがしに叫ぶのではなく、御心を信じ実践する者に対して、この言葉は語られているのです。
残念なことに、多くの人は自分たちの給与が上がらないのに、公務員の給与は上がると、怒るようです。
公務員の給与が上がることを怒るより、自分たちの給与が上がらないことの方を怒るべきと思うのです。
一般の国民同士が対立して、政府が仲介者として振る舞う構図、どこかで見たことありませんか。
まさに教科書に書いていた、植民地支配の構図そっくりでしょ。
欧米などは、最低賃金を引き上げるときには中小企業にもちゃんと配慮してるのを知っていますか。
日本政府がそれをしないのは、国民がなめられている証拠だと気付いていますか。
もっと怒らんと、さらに馬鹿にされてもっとむしり取られますよ。
現に、消費税増税分と大企業への減税分はこれまでの額を見ればわかるようにほぼ等しく、一方で社会保障や社会福祉は削られ続けたではないですか。
今や、社会保障や社会福祉の充実は、広範な国民と国内に基盤を置く経営者や企業が手を組んで、充実と前進を戦いとる時が来たと思いませんか。
柔軟性を持った新しい世代の育成は企業の未来を切り開くために必要だし、福祉は国内市場の確保の観点から重要であると思いませんか。
新しい社会への視野を持った社会保障や社会福祉の必要が言われるようになった背景には、社会の変化が急速になったために尻拭い的なものとして社会保障や社会福祉をとらえる立場が時代遅れになったことがあるのです。
尻拭い、つまり、努力してきたのに報いられていない人たちを後追い的に助けるのではなく、まっとうに努力しているなら、彼らの努力が報いられるように常に彼らが求める助けに応じていくことが、変化のドンドン早くなる今、必要なのです。
いいですか、社会保障や社会福祉は、犯罪の予防や、政府批判をするものから国民を切り離す目的でもともとは始まったのですよ。
社会保障や社会福祉の充実がおざなりにされているなら、国民は犯罪の犠牲になっても構わん、どうせ逆らわないと舐められているってことですよ。
犯罪の取り締まりは、国民の不満のガス抜きに過ぎないってことですよ。
だから、生活保護に対するヤッカミが放置され、そのとばっちりを生活保護を本当に切実に必要とする人が受けにくい社会になっていくのです。
子育て支援が、本当に切実に必要とする人が受けにくい社会になっていくのです。
聖書には、与えられたタラントが一番少なかったものが使わずにいたと主人に報告したら取り上げられて一番増やした者に与えられた話が出てきます。
そして、持っているものを使わないなら持っているものまで取り上げられて、もっとも持っているものに与えられると説きます。
自らの主権者としての力を信ぜずに、自分の力は小さいと諦めている国民は、持っているものまで取り上げられてもっとも富んでいるものに分け与えられると考えたらどうですか。
まるで、どこかの国にいる、しらけて立ち上がろうとしない人々が嘆いている現実そのものではないですか。
自らを卑下することと、へりくだる事は違います。
自らの非力を自覚したうえで、どうしたらそれを乗り越えられるかと自らに真剣に問いかけようとする事が必要なのです。
どうしたら救いに辿り着けるか、素直な心で現実を見つめ、答えを求めるものが道を見出すのです。
そして、助けが必要なら、素直に助けを乞い、助言を受け入れる謙虚さが大切です。
本気で助けを求めてないと思える人を、本気で助けたいと思えますか。
へりくだり仕える者となることをいとわない心が、求められているのです。
イスラム教にはジハードの思想があるが、これは、神に従うことへの内なる妨げとの戦いをさします。
神の妨げをするものが、聖書でいうサタン、コーランでいうシャィターンです。
聖書とは、内なる妨げであるサタンあるいはシャィターンとの戦いに神の愛の実践によって勝利するための導きの書と言えます。
だから、たとえばマタイによる福音書の16章23節にこうあるのです。
イエスは振り向いてペトロに言われた。「サタン、引き下がれ。あなたはわたしの邪魔をする者。神のことを思わず、人間のことを思っている。」
これはペトロをサタンと同一視しているのではなく、神の計画を妨げるような言動をするなと戒めているのです。
聖書やコーランには、外なる敵との戦いも記されるが、これらの戦いは実は内なる妨げとの戦いの延長線上にあります。
だが、現世的利害での敵に過ぎないなら神の愛の実践によって、対立を乗り越えて平和を築くことを、聖書の神は求めています。
ムスリムの寛容はここに由来します。
寛容な社会は、イスラム社会の特質などではなく、本来、キリスト教社会にもあってしかるべきなのです。
さらに、キリストの教えと仏教に類似を言う人もいます。
もしそうなら、神道の国であるだけでなく、仏教の国でもある日本も、また、寛容な社会であって良いはずではないですか。
今の日本、ちょっとせちがらくなってきてませんか。
宗教を、神なんていない、そんなもんは人が考え出したに過ぎないと鼻先で笑う前に、先人の知恵の宝庫として、見直してみた方が良いのではないですか。
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