再び日本人を遺伝子から見直してみた。
最近、私のブログである記事が注目されています。
注目してくださって、ありがとうございます。
この記事は、日本人の起源についてのこの時点での私の考察の覚書であり、他の民族と比べて日本人が遺伝子的にどう違い、あるいは同じなのかを記したのに過ぎません。
その点を先ずお断りしておきます。
熱い議論を交わさして下さった中には、長文の議論を展開してくださった方もあり、ここまで評価していただき、御礼申し上げます。
この方は、、日本人はローマ帝国領内の地域から来たとして、熱弁を振るってくださいました。
細目に渡ってお返事差しあげると、それだけで物凄い時間を割くことになるので、それはまた、別の機会にいたしましょう。
結論から言えば、概ね同意します。
日本人に発症する遺伝性疾患はいくつかあるが、ローマ帝国領との繋がりを連想できるのは家族性地中海熱です。
名前に地中海とあるのは、この病気は地中海沿岸域の人々や、中近東つまり、ユダヤ人特にセファルディ(スペイン・ポルトガル系のユダヤ人)・トルコ人・アルメニア人に現れるからです。
上記で説明したような地域や人種では、1000人に3人の割で病気がおこるが、他の地域では希です。
しかし、原因遺伝子がわかってからは、それまでこの病気はほとんどないと思われていた様な、イタリア人・ギリシャ人・アメリカ人の中にもこの疾患が見つかるようになりました。
このように、遺伝子疾患からも、ヨーロッパ世界との繋がりを指摘できます。
だが、日本までどうやってきたかが問題です。
ここで注目したいのは、クローン病です。
病気の紹介ではないので、今回の議論と関連が強い部分だけ触れます。
クローン病を引き起こす原因と人種や地域によって発症する頻度が異なり、また家系内発症もみとめられることから、遺伝性であることは確かです。
だが一方で、生活習慣病的な側面を持つ疾患でもあります。
世界的にみると地域的には先進国に多く、北米やヨーロッパで高い発症率を示します。
食生活の欧米化によって患者数が増えているといわれ、食物中の物質や微生物が抗原となって異常反応を引き起こすことが、原因のひとつと考えられています。
環境因子、食生活が大きく影響し、動物性タンパク質や脂肪を多く摂取し、生活水準が高いほどクローン病にかかりやすいと考えられています。
喫煙をする人は、喫煙をしない人より発病しやすいと言われています。
人種と地域による発症頻度の違いは、東アジアでも現れています。
確認されているのは、日本の他には韓国と中国で、台湾にも発症例はまだ少ないが報告はあるようです。
ロシアにも、もちろん発症例はあり、独自の治療体系が展開されているようです。
中国の場合、沿岸と内陸で経済発展段階がかなり異なるのと何分にも人口自体が多いので、対人口比も気になるところです。
とはいえ、庫隆氏症(クーロンスーチェン)として認知されている以上、それなりの発症例があると見て良いかも知れません。
人口の分母が違うとはいえ、中国に発症例がある原因をもしも、遺伝性にあるとするならば、気になる調査が過去にあるのです。
平成12年つまり2000年、中国で発見されている遺骨のDNA分析の結果が発表されました。
発表したのは、東大の植田信太郎、国立遺伝学研究所の斎藤成也、中国科学院遺伝研究所の王瀝(WANG Li)らです。
調査の対象となった遺伝子は、次の通りです。
1、約2500年前の春秋時代の人骨
2 約2000年前の漢代の臨淄(りんし)である中国山東省、黄河下流にある春秋戦国時代の斉の都の遺跡から出土した人骨
3 現代の臨淄(りんし)住民
臨淄(りんし)区は、中華人民共和国山東省淄博市の市轄区のことです。
工業都市・交通の要所で、国家歴史文化名城に指定されているのです。
臨淄(りんし)区は、中国春秋時代の斉の首府とされた都市です。
周王室により東海地方に封じられた太公望によって築かれ、最初営丘、のちに名をあらため臨淄(りんし)となりました。
現代の臨淄(りんし)住民を比較対象として三つの時代の変遷を、見ようというわけです。
これらの人骨から得たミトコンドリアDNAの比較研究の結果によると、三つの時代の臨淄(りんし)人類集団は、まったく異なる遺伝的構成を持っていました。
どういうことかというと、約2500年前の春秋戦国時代の臨淄(りんし)住民の遺伝子は、現代「ヨーロッパ人」の遺伝子に非常に近いです。
約2000年前の前漢末の臨淄(りんし)住民の遺伝子は、現代の「中央アジアの人々」の遺伝子と非常に近いです。
現代の臨淄(りんし)住民の遺伝子は、現代「東アジア人」の遺伝子と変わらないといいます。
ここで注目したいのは、2500年前から2000年前の500年間の臨淄(りんし)住民の遺伝子は、現代「ヨーロッパ人」の遺伝子に非常に近いことです。
キリスト生誕は今から大よそ2000年前なので、イエス誕生を待っていたかのように、現代「ヨーロッパ人」の遺伝子に非常に近い人たちが、忽然と中国を去ったわけです。
中国とその周辺の国や地域のクローン病が、もしも、遺伝性であったならこの集団が関わっていた可能性はないでしょうか。
そしてもし、日本での発症例が対人口比で高かった場合、この今から2000年前に中国から移動してきた集団が関わっている可能性はないのでしょうか。
彼等は、まだ文字が象形文字の段階で中東あるいは地中海を去って中国に来て漢字の基礎を据え、漢字を残して日本に来たとしたらどうでしょう。
格助詞は、日本語と他の言語を分ける指標のように見られているけれど、古代に遡るほど、消えていくのです。
彼らを待っていた先住民は、当然、日本にいたことでしょう。
ここで気にかかるのが、家族性地中海熱の発症する民族になぜかアメリカ人の名があることです。
複数の民族にまたがる先祖のいるアメリカ人はざらで、何とか系と分けようがないからとも見えるが、民族としてのアメリカ人と、もし言える集団がいるならネイティブアメリカン位なものでしょう。
ここで言う民族名としてのアメリカ人をネイティブアメリカンと見て良いなら、面白いことになるのです。
日本人はほとんどが、古代中東の遺伝子とされるYAP遺伝子を持っています。
正確には日本人の男性と言うべきでしょうけど。
先住民とされるアイヌや琉球人も例外ではありません。
そして、家族性地中海熱の発症する民族の中にはセファラデイもいるのです。
アシュケナジに対しては、ハザール人が起源の宗教養子との指摘があるのに対し、セファラデイこそオリジナルのユダヤであるとする声があるのです。
アメリカのケネウィックで見つかったのでケネウィック人と呼ばれる古代人骨があるが、最も近いのはアイヌとポリネシア人だそうです。
琉球人もアイヌに近いので、本当ならケネウィック人に似てる中に琉球人も入れるべきでしょう。
ケネウィック人の腰には、フランスとスペインの様式の鏃が刺さっていました。
YAP遺伝子は、中東のほかには、日本とチベット、さらにハワイでも確認されているそうです。
つまり、ケネウィック人もYAP遺伝子の持ち主であったと見るのは自然だし、ケネウィック人の祖先は地中海世界であり、当然、中東も入るはずです。
そうして、中東から西回りと東回りの二つのルートが日本で出会い、今日の日本人のルーツが出来上がっていったのかも知れません。
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コメント
遺伝病ではないですがアトピー性皮膚炎も北欧と日本に非常に多いことを考えること、コーカソイドもかなり多く日本に来ていた可能性があるかしれません。筋肉が少ない、体が薄い日本人的な体型はアトピーになりくいです。
スポーツジム、スポーツの現場では骨格、筋肉の付き方が日本人らしくない人を時々見かけます。
日本におけるコーカソイドのハプロタイプが少ないのは人口増加率の差で説明可能ではないでしょうか。100年あたりの増加率の差1%
で1000年後には1.01^100≒e≒2.7の差が出ます。
白人は日本人よりも高カロリーな食事が必要になるので人口増加には不利です。
投稿: jinden | 2014年5月 9日 (金) 02時46分
アトピーも興味深いですね。
投稿: cova | 2014年5月10日 (土) 08時11分