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日本はアジアのどこにいる?

一皮むくと、欧州と日本は中世が、アジアは古代が、顔を出すのではないでしょうか。

中世を経て近代に入ったのは、欧州以外では日本だけではないでしょうか。

誤解を恐れずに言うならば、アジアにおける日本は、古代にタイムスリップした近代国家とさえいえるかもしれないのです。

アジアの国々は、古代からいきなり近代へと引っ張り込まれたと言えるでしょうから。

アジアの国の国の多くは、最高権力の交代は中心宗教の取り換えを意味し、歴史はリセットを繰り返すしかなかったように見えます。

故に古代を繰り返しながら歴史を歩んだと言えるでしょう。

最高権力者が、宗教を後ろ盾にする例は多いです。

その多くは、自らの権威は神によって与えられたとするようです。

例外は、自らを地上における神とした古代エジプトのファラオと日本の天皇位のものかもしれません。

天皇は自らを天そのものに祭り上げた上で地上を臣下に任せてしまったので、地上の権力を奪われて欧州の教皇のような立場に祭り上げられてしまったのでしょう。

結果、古代中世近代の地上権力の首を挿げ替える立場に置かれた天皇を戴いた日本は、アジアで唯一近代化に成功した国となれたともいえるのは興味深いことです。。

欧州と日本だけが近代化できたのは、キリスト教と神仏混淆教という、古代から一貫した宗教的中心を持ったことも大きいと言えるでしょう。

アジアの国の多くは、中心的宗教は権力と運命を共にしました。

そのために、王朝の交代はそのまま宗教的中心の交代に繋がり、歴史は循環するものであっても積み重なるものとはなり得なかったのでしょう。

中央アジアは、巨大帝国の交代の歴史を繰り返し、朝鮮半島は振り回される小国の悲哀を味わってきたわけです。

陸続きの隣国が中国しかない中で、半島と言う狭い範囲で諸国家の興亡を繰り返すしかなかったのです。

中国は、帝国が出来ては分裂を繰り返す中で、次第に巨大な帝国へと成長しました。

勢力が均衡した国々が競い合っていた大陸部を背にしていたイタリアとは、条件が違ったのです。

一方、南アジアや東南アジアの国々は、小国の悲哀を味わいながらも、それなりに独立国家を営む歴史を持てたので、古代を抜けられないなりに力の拮抗した国家間の駆け引きの経験を積んできたのではないでしょうか。

近代法体系との差はあるが、国家間の緊張回避と緩和を目的とすることに大差ないのでついていけるのも、歴史を通して培ってきた経験の裏付けがあるからなのかも知れません。

日本は、海に隔てられた立地条件のお蔭で、隣国の動向にあまり振り回されなかったことも、一人近代化への道をアジアで歩めた理由に挙げられるかも知れないです。

韓国の悲劇は、緩衝地帯になってもらえる隣国がなかったためもろに中国に振り回されたことかも知れません。

日本外交の悲劇は、アジアと日本の関係をきちんと歴史の中で位置づけて構想や作戦を練ることのできるブレーンが常にいるとは限らなかったことかも知れません。

アジアで一人近代化できた日本と、古代を引きづりながら近代化せざるを得なかったアジアの諸国を歴史の中で捉える目が乏しかったのではないでしょうか。

いま日本に求められるのは、比較文化や比較歴史の目で世界を見て外交の作戦や戦略をアドバイスできる人材と、彼らの助言を上手に行かせる感覚を持った政治家ではないでしょうか。

それと、採用した外交の作戦や戦力に基づいてわかりやすく国民や世界の語れる人材もいた方が良いでしょう。

日本は、強力な権限を行使できる可能性のあった天皇を戴いていた戦前戦中でさえ、有能優秀な人材の登用と活用が上手に出来なかったようにみえます。

戦後は、自分の生活にやっとな国民が大局的な目で政治を語れる政党や政治家を、果たしてどれだけ冷静な目で選んできたでしょう。

もう一度、歴史を振り返って考えてみるのも良いのかも知れません。

歴史に振り回されるのではなく、歴史を作る側に参加するんだと言う目で、この国の立ち位置を再確認した方が良いように思えます。

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投稿: 教会員 | 2015年2月20日 (金) 23時06分

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