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宇宙も生命も自己組織化とプラズマで説明できそう?

今科学や技術の分野で新たなキーワードになりつつあるのが、自己組織化です。

自己組織化(self-organization、self-assembly)とは、自律的に秩序を持つ構造を作り出す現象のことで、自発的秩序形成とも言います。

自己組織化の過程の中では、何らかの形で全体の秩序付けや調整がなされています。

この全体の秩序付けや調整は、システムの中に最初から備わっていたさまざまな成分や部分や要素の間の部分的なやり取りの中から生まれてきたものなのです。

自己組織化の過程は自発的に生じてくるのであって、監督や調整役を務めるエージェントの役を務めるなんらかの仕組みや存在をシステムの内にも外にも必要とはしません。

きっかけとなるのはある程度の大きさのランダムな変化や変動であり、正のフィードバックによる増幅の結果生じてきたものなのです。

秩序付けや調整の結果として生まれた組織は、システムを構成しているすべての成分や部分や要素に分散されて散っていくことになります。

小さなあるいは部分的な損傷なら自己修復が可能となるけれど、大きな致命的な損傷や欠損は多くの場合修復は不可能であるか極めて困難です。

切り口に生じた一つの細胞から全体を再生する能力は植物では確認されているが、どんな小さな切片からでも全身の再生が出来るプラナリアがいる動物では全身を再生可能な細胞が切断などの簡単な刺激で生じる例は今の時点では確認されていません。
現時点で確認されている全身再生可能な動物の細胞は、初期の胚から取られるES細胞や初期化処置の必要なiPS細胞だけです。

自己組織化は、さまざまな物理、化学、バイオ、ロボット、社会、認知システムで生じるプロセスです。

一般的な結晶化、動物、および複雑なパターンを認識するニューラル ネットワークの学習方法のグループで群がって、液体下から加熱、化学発振器に対流パターンの出現などがあります。

自己組織化は、結晶例えば幾何学的な形状に成長する雪の結晶や孔雀の羽に浮かび上がる模様を形作るフォトニック結晶構造、さらには、シマウマのゼブラ模様、心臓の鼓動、過熱による液体の滞留パターン、高い規則性や秩序性を示す化学振動反応など、様々な自然現象の中にも見出すことができます。

生物の細胞がDNAを設計図として機能を持った組織を作り出す現象も、極めて高度な自己組織化の結果と考えられています。

DNA(デオキシリボ核酸)は、核酸の一種で、地球上の多くの生物において遺伝情報の継承と発現を担う高分子生体物質です。

DNAは五炭糖のデオキシリボースとリン酸、塩基 から構成される核酸で、塩基はプリン塩基であるアデニン(A)とグアニン(G)、ピリミジン塩基であるシトシン(C)とチミン(T)の四種類あります。

ここで注目したいのは、細かな構造や機能ではなく、DNAのらせん構造です。

プラズマは、プラズマフィラメントというらせん構造を作ることが知られています。

プラズマは、テレビのディスプレィや空気清浄機の宣伝で聞いたことがある人も多いでしょう。

極地の空に見られるオーロラもプラズマです。

プラズマは何らかのエネルギーが外部から供給されてゆらぎが生じると、不安定な様相を見せます。

プラズマがゆらいで発生するフィラメント状の構造の代表的な例は、オーロラとして観察できるのです。

パルス発信機を用いてX線放射の実験を行うことで確認できるが、フィラメントや渦といった構造は、条件が整うとお互いが生み出した磁場によって、同じ方向に動いているほかの渦を引き寄せて、自己組織化しながら成長していくのです。

プラズマが自己組織化という極めて生命と似た振る舞いをし得ることからプラズマ生命体が生存する可能性を主張する科学者さえいます。

プラズマは螺旋状の渦を作ったり、一定条件下では渦糸が結晶構造を作ることもあります。

渦の成長はやがて止まって何らかの理由で自然消滅した後に、再び新たなフィラメントを生成ていくこともあります。

このような生成と消滅を伴うエネルギーのサイクルは、グレートウォールとボイドによって構成された、銀河の集団が作る気泡状の宇宙構造が生成されていくメカニズムの中にも認められるのです。

量子力学は光の研究から始まり、物質一般にまで拡張された理論です。

そして光は、量子研究の一分野である量子電磁気学で荷電粒子間に働く電磁相互作用を荷う重要な存在して認識されています。

プラズマと光は密接な関係があります。

宇宙は光の中から誕生しました。

これは、言い換えるなら、宇宙はプラズマの中から誕生したことになるでしょう。

宇宙の99.9%以上はプラズマが占めると言います。

プラズマ(plasma)は固体・液体・気体につづく物質の第四の状態の名称であって、通常は「電離した気体」をイメージに持ちます。

通常はと言うのは、実は固体プラズマと呼ばれる現象もあるからです。

正の荷電粒子と負の荷電粒子が,ほぼ同じ密度で共存する物質の状態を一般にプラズマといいます。

固体物質内のこのような荷電粒子の集りを,狭い意味でのプラズマ(電離気体)と区別して固体プラズマというのです。

例えば金属の場合、結晶格子を構成する正イオンに対し、自由に動き回る伝導電子があって全体としては電気的に中性になっています。

正イオンとは電子が少ない状態の原子を言い、負イオンとは電子が多い原子の状態を言います。

また半導体や半金属などでも伝導電子と正孔、さらに正負イオンが混在しプラズマ状態を作っています。

余談だが、プラズマは液体中でも発生することがわかっています。

プラズマには、ダストプラズマと呼ばれる状態もあります。

ダストプラズマdusty plasma)はイオンと電子のほかに、μm(マイクロメートル)程度の巨視的大きさをもつ多数のダスト(dust、ちり、すなわち固体微粒子)を含むプラズマのことで微粒子プラズマとも呼ばれます。

そこではダスト微粒子、つまりダストの粒子には沢山の電子が付着して大きな負の電荷をもった粒子になり、通常のプラズマには見られない多くの興味ある現象を引き起こす事が知られています。

ダストプラズマは、宇宙空間、半導体製造のプラズマプロセスで多く見出され、それぞれ宇宙探査、産業上の問題として研究が進められました。

ダストプラズマが自己組織化することによって、クーロン結晶などが生成されることが1994年に複数の研究チームによって確認されていると言います。

プラズマ構造を積極的に制御することにより、微粒子の糸状結晶なども容易に得ることができます。

ダストプラズマは電子とイオンとに関しては通常のプラズマと同じで弱結合系であるが、ダスト微粒子だけに着目するとその粒子系は容易に強結合系にもなるので、弱結合系(ガス状態)から強結合系の典型的現象である結晶化までを個々の粒子レベルで観察出来る興味深い物理系として研究が進んでいるのです。

宇宙にも巨大なフィラメント構造が見つかっています。

エネルギーは存在するだけでは、仕事をしません。

ポテンシャルエネルギーになる必要があります。

そして、ポテンシャルエネルギーが最も安定して減少するには渦がもっともエネルギー効率が良いのです。

もちろん、ポテンシャルエネルギーの減少過程が安定して現象するのに最も適しているのも渦構造です。

プラズマがフィラメント構造を採るのは、安定して存在するのに最も適する構造だからと言えるでしょう。

宇宙は巨大なゆらぎの中から生まれたと見られています。

そのゆらぎが最も安定して存在するためには、フィラメント構造が最も適しています。

宇宙の、巨大なボイド(泡)構造とこれまた巨大なフィラメント構造を考えるなら、真っ先に連想できるのは細胞とDNAの組み合わせです。

最新の科学は、宇宙は階層性をもち、その階層性には相似性が存在することが明らかになりつつあります。

その良い例の一つが、電子が原子の中で土星の輪のように分布すると唱えた長岡のモデルです。

ラザフォードによって正しさが確認され、今日の電子の殻軌道モデルに引き継がれています。

原子、惑星などの天体、太陽系、銀河系と相似性が今日では明らかになっています。

原子中の電子は雲のような形で分布していることがわかってきたが、銀河もまた星雲と呼ばれる雲に似た描像が用いられるなど、ここでも階層性が見られます。

宇宙の階層性が持つ相似性を記述する理論が、フラクタルです。

フラクタル(fractale)は、フランスの数学者ブノワ・マンデルブロが導入した幾何学の概念で、図形の部分と全体が自己相似になっているものなどを言います。

フラクタルは、自然現象の全ての尺度において現れる繰り返しパターンを記述する数学の手法です。

多くの存在が相似性を示しつつ、多様性を示しているのは、ゆらぎやトポロジー(位相幾何学)的な展開をしているからでしょう。

トポロジーの名称はギリシャ語のトポスとロゴスの合成に由来するもので、直訳すれば「位置の研究・学問」です。

プラズマは自己組織化する能力を持ち、空気清浄機に見られるように周囲のダクトを引き付ける事も出来ます。

そして、ダクトプラズマもまた自己組織化する能力を持ちます。

ダクトプラズマは宇宙空間にも多く見られ、プラズマの示す生成と消滅を伴うエネルギーのサイクルは、プラズマの示すグレートウォールとボイドによって構成された、銀河の集団が作る気泡状の宇宙構造が生成されていくメカニズムの中にも認められるのです。

さまざまなスケールで現れるプラズマフィラメントが、宇宙の階層性を繋ぐキーワードと見てはおかしいでしょうか。

結晶の形と生命体の形、流体である水の作り出す様々な形と生命体の形、そこには面白いほどの相似性が見られます。

結晶構造と電子構造は密接な関係にあり、水も極性のある分子の集合体です。

ミクロからマクロに至るまで、イオン、そして、プラズマは大活躍していると言えるのではないでしょうか。

今、多くの科学者を悩ませ虜にしてるダークマターやダークエネルギーは、実はプラズマ宇宙論には登場しません。

宇宙の99.9%以上はプラズマなので、プラズマ宇宙論から見ればダークマターやダークエネルギーの正体はプラズマはプラズマとそのエネルギーとなるからです。

宇宙の誕生から、生命の誕生、そしてそれらの展開は自己組織化とプラズマを中心に議論をしていくと、あっけないほど短期間な物語となることでしょう。

詳しく展開すれば、もっと長い時間が必要でしょうが今回は大まかな話にとどめておきます。

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