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日本人は原アジア人に意外と近い?

2014年、縄文人の核DNAの解析に成功しました。

 

縄文人の細胞からは、これまでミトコンドリアのDNAしか解析されてこなかったために、母方の遺伝情報が手に入っていただけだったが、これで両親の遺伝情報が手に入ることになります。

 

現代日本人の遺伝子分布は、東アジアや東南アジアの分布から大きく離れていることがわかっています。

 

弥生人の核DNAに関する情報はまだないが、おそらく、東アジアや東南アジアの分布からはそう遠くないと見られてるので、現代日本人の遺伝子分布がアジアの離れ小島になった原因は縄文人にあると見られていました。

 

縄文人の遺伝子分布は、現代日本人よりもさらに東アジアや東南アジアの分布から遠くにあることがわかり、これまでの推測が裏付けられました。

 

縄文人の核DNAを比較検討して決着がついたのは、縄文人の系統樹上での位置付けだったのです。

 

縄文人は東アジアと東南アジアのどちらの特徴も見つかるので分類は困難を極めていたが、核DNAは何と原アジア人の生き残りが縄文人であったことを明らかにしました。

縄文人は東アジアと東南アジアが分かれる以前に、原アジア人から分かれていたことが分かったからです。

 

DNAはまた、縄文人がウェービーヘアの二重瞼で耳垢が湿っていたことも、示していました。

これはどちらかと言えば、ヨーロピアンやアフリカンに近い特徴と言えます。

 

そしてこれは、遺伝子間の距離からも裏付けられました。

 

現代日本人の遺伝子はアジアの中でもヨーロピアンに近いが、縄文人はさらにヨーロピアンに近いのです。

 

ヨーロピアンやアフリカンの祖先よりも東に向かったグループが原アジア人となったと見られていたが、縄文人が原アジア人の生き残りの可能性が見えてきたことで、それが確からしいことがさらにはっきりしてきました。

 

縄文人と一口に言っても多様性も一方で見つかるので、複数の場所から来たか、複数の回数来たか、という二通りの解釈が可能となります。

 

けれど、縄文人はあまりにも現代の東アジアや東南アジアとは違い過ぎるので、アジアルートを想定するとしたら原アジア人から東アジア人や東南アジア人が分かれるはるか以前に日本に渡っている必要があり、可能性はかなり低いと見た方が自然でしょう。

 

むしろアメリカ先住民と日本先住民はともに古モンゴロイドと見られてきたが、近年のDNA調査でも裏が取れつつあり、さらにアメリカのケネウィックやメキシコから古代日本人の骨が見つかり、縄文土器も南米から見つかります。

ケネウィック人はフランスとスペインの様式のやじりを用いていたこともわかっているし、南米の縄文土器にエジプトの影響が強いと指摘する声もあります。

 

縄文人の多様性は環太平洋縄文文化圏がもたらしたと見る方が無理がないし、縄文人の祖先は仲間の原アジア人が東に向かったのに対して西に向かい、地中海世界を横断、大西洋を渡ってアメリカ大陸経由でさらに太平洋を航海して日本に来たと見るのがこれまでの情報から照らしても一番無理が無いように思えます。

 

何しろ日本は、アジアにおけるヨーロッパの遺伝子に由来する病気のほとんど唯一ともいえる飛び地なのですから。

 

おまけに日本は、古代中東の遺伝子が大量に残っている土地だが、原アジア人の生き残りである縄文人の遺伝子を少なくとも2割は受け継いでいるのが日本人とすれば、全ての辻褄があってきます。             

 

日ユ同祖論やスメル渡来説は、ノアの洪水を史実と認めて、はじめてタイムスケールがあってくる説と言えます。

 

日ユ同祖論の言い出しっぺがキリスト教圏の人物であったことを思えば、面白い事ではあります。

もっとも、はじめは失われた十支族が日本に来ていると言う説から始まっているので、ユダヤ人が日本人のルーツとまでは、言ってなかったですが。

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